《群青》の正しい読み方
「群青」の正しい読み方
「ぐんじょう」と読む。「群青」の意味解説
「群青」は青色顔料の1つだ。「青の集まり、青が群がったような色」という意味を持つ。鮮やかな濃い青色で、やや紫みをおびている。もともとはラピスラズリ(瑠璃)を精製して作られていたが、ラピスラズリは非常に高価で貴重だった。ラピスラズリの代替品として用いられていたのが、藍銅鉱(アズライト)だ。「群青」は、藍銅鉱を原料として作られた顔料を指すことが多い。しかし、カオリンや炭酸ナトリウム、硫黄などを配合、焼成して作られた「群青」もある。顔料の「群青」は、絵の具や印刷インキなどに使用されている。なぜ「群青」と読むのか・理由
日本語には、「連濁(れんだく)」という連音現象がある。「連濁」とは、2つの語が合体する際、後ろの語の語頭が濁音へと変化することだ。「群青」の「青」は音読みでは「セイ、ショウ」、訓読みでは「あお」と読む。基本的に「青」を単体で「じょう」と読むことはない。しかし、「郡(グン)」と「青(ショウ)」の2つの語を結びつける「群青」の場合は、「青(ショウ)」の語頭の「し」が清音から濁音の「じ」へと変わるため、「じょう」になる。「群青」の類語・用例・例文
類語として「紺青」や「藍色」、「コバルトブルー」などが挙げられるが、「群青」と完全に同じ色であるというわけではない。「紺青(こんじょう)」は、あざやかで濃い紺色、紫みをおびた暗い青色を指す。「紺青」の粒子を細かくしたものが「群青」であり、さらに細かくすると「白郡(びゃくぐん)」という白みをおびた青色になる。「藍色」は藍で染めた暗い青色を指し、「ジャパンブルー」とも呼ばれている。酸化コバルトと酸化アルミニウムから作られる「コバルトブルー」は、彩度が高い青色だ。「群青」がやや紫寄りの青色であるのに対し、「コバルトブルー」は原色の青色に近いという違いがある。「群青」は「群青色の空」や「群青色の海」、「群青色の絵の具」といった形で用いられている。具体的には、「群青色の海が美しかった。」や「群青色の絵の具で空の色を塗った。」などが挙げられる。「どこまでも青く、澄み切っている」というイメージで用いられていることが多い。「群青」の英語用例・例文
英語で「群青」は「ultramarine」または「ultramarine blue」と言う。顔料の「群青」の原料であるラピスラズリは、採掘されたアフガニスタンから西アジアを経て、海路でヨーロッパまで運ばれていた。よって、「ultramarine(ウルトラマリン)」は「海(marine)」を「越える(ultra)」という意味を持っている。「ultramarine (blue)」は、「I would like to paint a painting with this ultramarine blue paint.(この群青色の絵の具で絵を描きたい。)」や「It was a very beautiful ultramarine blue sky.(とても綺麗な群青色の空だった。)」といった形で用いられている。- 《群青》の正しい読み方のページへのリンク