【制空権】(せいくうけん)
mastery of the air
特定の空域において味方航空機の安全な活動を保障し、かつ敵性航空機を完全に排除した状態。空の支配。
航空機は、その特性として高速かつ障害物無しに移動できるため、防空線の突破を防ぐ事が基本的に困難であること、また、敵性航空機を完全に壊滅した場合でも、地上に隠蔽配備されている地対空ミサイルの壊滅はさらに困難であるため、完全なる支配はほぼ不可能である。
湾岸戦争において、イラク軍の統制された防空活動は多国籍軍による空爆開始からからほぼ数日で終了したが、その後も隠蔽された地対空ミサイルは多国籍軍航空部隊に度々脅威をもたらした。
その後、2003年に起きたイラク戦争の結果としてイラク軍としての防空活動が実施されなくなってから以後も、テロリストにより、離着陸する輸送機を狙ってSA-7が発射される事案が度々起き、完全に安全を保障した状態にはならなかった。
よって厳密には「制空権」という概念は航空戦略・戦術上において基本的に使用されず、ほぼ同義である「航空優勢」という言葉を使用するのが普通である。
とはいえ、「制空権」という概念を広義に捉え、「航空優勢」そのものとして使用される場合もままある。
関連:制海権
制空権
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 23:57 UTC 版)
制空権(せいくうけん、英語: control of the air および、その段階である air supremacy および air superiority)とは、航空戦において味方の航空戦力が空において敵の航空戦力を撃破または抑制して優勢であり、所望の空域を統制または支配し、敵から大きな妨害を受けることなく、陸・海・空の諸作戦を実施できる状態およびその力である[1]。
- ^ 防衛学会『国防用語辞典』朝雲新聞社171頁、真邉正行『防衛用語辞典』国書刊行会121頁
- ^ a b 防衛学会『国防用語辞典』朝雲新聞社104頁
- ^ 戦史叢書102陸海軍年表 付・兵器・兵語の解説358頁
- ^ 『Winged Defense』(空軍による防衛 ウィリアム・ミッチェル(Dover Pubilications,Inc.Mineola, New York,1988),p.222
- ^ 第63回国会衆議院会議録第十三号「防衛庁設置法等の一部を改正する法律案の趣旨説明に対する大出俊君の質疑」(昭和45年3月26日)379頁
- ^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで57-59頁
- ^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで59、233、553頁
- ^ 戦史叢書52陸軍航空の軍備と運用(1)昭和十三年初期まで373頁
- ^ 戦史叢書72中国方面海軍作戦(1)昭和十三年四月まで 405-407頁、源田実『海軍航空隊始末記 発進篇』文藝春秋新社206-215頁
- ^ 戦史叢書95海軍航空概史124頁
- ^ “「信じられないくらい未熟でお粗末」元自衛隊幹部が読み解くロシア軍の"決定的な弱点"”. プレジデント (2022年6月8日). 2022年6月27日閲覧。
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