「制空権」から「航空優勢」へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 00:49 UTC 版)
「制空権」の記事における「「制空権」から「航空優勢」へ」の解説
従来アメリカ空軍において、制空権を獲得した状態を表す類似語は複数存在した。制空権(英: Control of the air)の語はアメリカ陸軍軍人ウィリアム・ミッチェルの『空軍による防衛』の中で使われた。1965年以降、実際に発生しやすい「Air superiority」が主に使われるようになり、日本においてもその訳語である「航空優勢」が「制空権」に代わりよく使われるようになった。 近代戦においては、自由に行動しうる空からの脅威を無視した作戦は成立しえず、これら敵の航空戦力を有効に排除することによって、地表における作戦を有利に実施することができる。1973年の第四次中東戦争では、イスラエル空軍が当初の劣勢を克服して敵の航空戦力に対し、攻撃を繰り返し、やがて航空優勢を獲得し、作戦の主導権を握り、アラブ側を敗退させた。これについて、アメリカ統合参謀本部議長ムーアは「航空戦力投入の優先権は、戦場での航空優勢を獲得、維持することに与えなければならないという伝統的ドクトリンは、今回の戦争で再び立証された」と述べており、航空作戦の運用では、航空優勢の獲得・維持が重視される。
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