除法 整数の除法

除法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/24 14:10 UTC 版)

整数の除法

演算の結果
加法 (+)
加法因子 + 加法因子 =
被加数 + 加数 = 和
減法 (−)
被減数 − 減数 =
乗法 (×)
因数 × 因数 =
被乗数 × 乗数 = 積
倍率 × 被乗数 = 積
除法 (÷)
被除数 ÷ 除数 =
被約数 ÷ 約数 = 商
実 ÷ 法 = 商
分子/分母 = 商
剰余算 (mod)
被除数 mod 除数 = 剰余
被除数 mod 法 = 剰余
冪指数 = 冪
冪根 (√)
次数被開方数 = 冪根
対数 (log)
log(真数) = 対数

整数 mn に対して、

m = qn

を満たす整数 q が唯一つ定まるとき、m ÷ n = q によって除算を定める。m被除数(ひじょすう、: dividend)あるいは(じつ)と呼ばれ、n除数(じょすう、: divisor)あるいは(ほう、: modulus)と呼ばれる。また qmn で割った(しょう、: quotient)と呼ばれる。商 q は他に「mn を法とする商」「法 n に関する商 (: quotient modulo n)」 などとも言う。 またこのとき、mn整除(せいじょ)される、割り切れる(わりきれる、: divisible)あるいは nm を整除する、割り切るなどと表現される。このことはしばしば記号的に n | m と書き表される。 除数 n0 である場合を考えると、除数 0 と任意の整数 q の積は 0 となり、被除数 m0 なら任意の整数 q が方程式を満たすため、商は一意に定まらない。同様に被除数 m0 以外の場合にはどのような整数 q も方程式を満たさないため、商は定まらない。

整数の範囲では上述のような整数 q が定まる保証はなく、たとえば被除数 m7 の場合を考えると除数 n1, 7, −1, −7 のいずれかでない限り商 q は整数の範囲で定まらない。整数の範囲で商が必ず定まるようにするには、剰余(じょうよ、: remainder, residue)を導入して除法を拡張する必要がある。つまり、方程式

m = qn + r

を満たすような q, r をそれぞれ商と剰余として与える。このような方程式を満たす整数 q, r は複数存在するが(たとえばある q, r に対して q − 1n + r の組は同様に上記の方程式を満たす)、剰余 r の取り得る値に制限を与えることで一意に商 q と剰余 r の組を定めることができる。よく用いられる方法は剰余 r を除数 n より絶対値が小さな非負の数と定めることである。このような除法はユークリッド除法と呼ばれる。

m = qn + r かつ 0 ≤ r < |n|

これは、感覚的には被除数から除数を引けるだけ引いた残りを剰余と定めているということである。こうして定められる剰余はしばしば「mn を法とする剰余」「m の法 n に関する剰余 (: residue modulo "n") 」などと言い表される。 剰余 r0 でないことはしばしば「mn割り切れない」と表現され、記号的に n ł m と表される。 ユークリッド除法による計算例は以下の通りである。以下では除数を 4, −4, 被除数を 22, −22 としている。

  • 0 ≤ r < |n|
22 = 5 × 4 + 2:商 5, 剰余 2
22 = (−5) × (−4) + 2:商 −5, 剰余 2
−22 = (−6) × 4 + 2:商 −6, 剰余 2
−22 = 6 × (−4) + 2:商 6, 剰余 2

他の剰余に対する制限の方法として、剰余の絶対値が最小となるように商を定める方法がある。この方法では、

|n|/2 < r|n|/2

あるいは

|n|/2r < |n|/2

の範囲に剰余 r が含まれる。この場合、ユークリッド除法と異なり r は負の値を取り得る。このようにして定められる剰余を絶対値最小剰余 (least absolute remainder) と呼ぶ。 絶対値最小剰余を用いる場合の計算例は以下の通りである。以下では除数を 4, −4, 被除数を 22, −22 としている。

  • |n|/2 < r|n|/2
22 = 5 × 4 + 2:商 5, 剰余 2
22 = (−5) × (−4) + 2:商 −5, 剰余 2
−22 = (−6) × 4 + 2:商 −6, 剰余 2
−22 = 6 × (−4) + 2:商 6, 剰余 2
  • |n|/2r < |n|/2
22 = 6 × 4 − 2:商 6, 剰余 −2
22 = (−6) × (−4) − 2:商 −6, 剰余 −2
−22 = (−5) × 4 − 2:商 −5, 剰余 −2
−22 = 5 × (−4) − 2:商 5, 剰余 −2

いずれの方法であっても、除数 n0 の場合、剰余 r0 でなければならず、被除数 m がどのような数であっても商 q を一意に定めることはできない。 絶対値最小剰余とユークリッド除法によって定められる最小非負剰余、あるいは別の方法のいずれを用いるかは自由であり、与えられる剰余がそのいずれかであるかは予め決められた規約に従う。この規約は、計算する対象や計算機の機種、あるいはプログラミング言語により、まちまちである。簡単な分析とサーベイが "Division and Modulus for Computer Scientists" という文献にまとめられている[1]











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