日産・AD
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日産・AD | |
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4代目 2021年5月改良型 | |
概要 | |
別名 |
日産・ADバン(初代-3代目) 日産・ADワゴン(2代目) 日産・ADエキスパート(4代目) 日産・NV150AD(4代目) |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1982年- |
ボディ | |
ボディタイプ | ライトバン |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動(2代目以降) |
系譜 | |
先代 |
日産・サニーバン 日産・パルサーバン 日産・バイオレットバン 日産・オースターバン |
なお、この項では4代目・2016年11月までの上級モデルであるADエキスパート、2016年11月から2021年5月までの車名であるNV150 AD(エヌブイイチゴーマル エーディー)、旧モデルのADバン、かつて存在した乗用車登録仕様のADワゴンについても述べる。
初代 VB11型(1982年 - 1990年)
日産・ADバン(初代) VB11型 | |
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後期型 | |
概要 | |
販売期間 | 1982年10月 - 1990年10月 |
ボディ | |
乗車定員 | 2/5人 |
ボディタイプ | 2/4ドア ライトバン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.5 L E15S 直4 1.3 L E13S 直4 ディーゼル 1.7 L CD17 |
変速機 | 5MT/4MT/3AT |
サスペンション | |
前 | マクファーソンストラット |
後 | リーフスプリング式車軸懸架 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,400mm |
全長 | 4,085mm - 4,110mm |
全幅 | 1,620mm |
全高 | 1,465mm |
車両重量 | 775kg - 960kg |
最大積載量 | 400kg/250kg |
系譜 | |
先代 |
サニーバン パルサーバン バイオレットバン オースターバン |
サニーバン、パルサーバン、及びバイオレットバン、オースターバンの後継車と位置付けられ、取扱販売会社ごとに、サニー系販社が「サニーADバン」、チェリー系販社(後にスカイライン系販社に統合)が「パルサーADバン」、ブルーバード系販社が「ダットサンADバン」と車名が区分されていて、車名を示すエンブレムや、ラジエーターグリルの塗装やメッキの有無により差別化を計った。
B11型系サニーをベースとしており、駆動方式はFF(前輪駆動)。「サニーカリフォルニア」とは、B310型系同様、積載能力を考慮して、リアドアより後ろならびルーフパネルといった車体外板やリアサスペンションが異なっている。ADバンは積載のためにリアサスペンションがリジッドアクスル + リーフスプリングであり、同じ商用車でも先代のパルサーバン(初代プレーリーやエスカルゴのベースになった)が横置きトーションバー・スプリングを使ったフルトレーリングアーム式独立サスペンションを使っていたのとは対照的に、酷使を想定した堅実な設計が採用されている。なお、B11サニーカリフォルニアより車両外寸が150 mm程短く100 mm程高い。登場時は丸型2灯式ヘッドランプ(SAE規格のシールドビーム)であった。搭載するエンジンE13S型、E15S型ガソリンエンジンと、CD17型ディーゼルエンジンの三種類。当初はサニーADバンにのみ2ドア車が設定されていたが、1983年(昭和58年)7月まで旧型のサニーバン(VB312型)が継続生産・販売されていた。
- 1982年(昭和57年)10月 - 発売。
- 1983年(昭和58年)
- 7月 - サニーADバンに2ドア車を追加。
- 10月 - ビジネスCT(2ドア2シーター車)追加[注釈 1]。
- 1984年(昭和59年)10月 - 一部改良。番号灯位置をリアバンパー上部からバックドア(ナンバープレート横)へ移動。
- 1985年(昭和60年)9月 - サニーのB12型系へのモデルチェンジに伴い、マイナーチェンジ。ヘッドランプとラジエータグリルがB11サニーの輸出仕様で使われていた(SAE規格)角型2灯式シールドビームに変更された。4ドア2シーター仕様と最上級グレードのSGL、さらにリアスプリングを強化し、5名乗車時の最大積載量を300 kgとした重積載仕様車を1500DXに追加設定。なお、2名時の積載量は他グレードと同様400 kg。「NISSAN」のロゴが指定フォントに変更された。
- 1986年(昭和61年)8月 - 一部改良。車体強度が向上され、駐車灯が廃止される。
- 1988年(昭和63年)5月 - マイナーチェンジ。フロントバンパーをスチールからB11サニー前期型と同じポリプロピレン製へ変更。取扱販売会社ごとに異なっていた「サニーADバン」「パルサーADバン」「ダットサンADバン」の車名を「ADバン」に統一。SGLを廃止し、GLエクストラを新設。パワーステアリングを全車にオプション設定(GLエクストラのみ標準)。1500にのみ設定のあったAT車を1300ならび1700ディーゼルでも選択可能にした。また、シート表皮の見直しや小物入れスペース、ワイヤー式バックドアオープナー(開錠機能のみ)の拡張など、商品性、利便性の向上も図られた。
- 1989年(平成元年)6月1日 - AT車に誤操作防止装置シフトロックシステムを追加。
2代目 Y10型(1990年 - 1999年)
日産・ADバン/ワゴン(2代目) Y10型 | |
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バン 1500 VE | |
AD MAX ワゴン 1500 VX | |
概要 | |
販売期間 | 1990年10月 - 1999年6月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドア ライトバン/ステーションワゴン |
エンジン位置 | フロント |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 (パートタイム4WD、フルオートフルタイム4WD、ATTESA) |
パワートレイン | |
エンジン |
直4 1.5L GA15DS→GA15DE 直4 1.3L GA13DS→GA13DE 直4 ディーゼル 1.7L CD17→2.0L CD20 |
変速機 | 5MT/3AT/4AT |
サスペンション | |
前 | ストラット |
後 |
トーションビーム(2WD) 5リンク(4WD) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,400mm |
全長 | 4,175mm |
全幅 | 1,665mm |
全高 | 1,490-1,505mm |
最大積載量 | 400/250kg |
その他 | |
姉妹車 |
日産・サニーカリフォルニア 日産・アベニールカーゴ |
後継 | 日産・ウイングロード(ワゴン) |
- 1990年10月 - モデルチェンジ。B13サニー、リアサスペンションはW10アベニールと基本構造を同一とする。搭載エンジンは直列4気筒DOHCのGA13DS型、GA15DS型、SOHCディーゼルのCD17型。駆動方式はFFと4WD[注釈 2]。先代のVB11型は、B11サニーと内・外装共に多くの共通部品が使われていたが、ほとんどが専用部品化された。また、B310〜B12のサニーカリフォルニアは、ワゴンとラゲッジ周りやリアサスなどの差別化を図っていたが、このモデルよりバンと同一となり、2ドア、並びに2シーター車が消滅し、全車5ドア5人乗りとなる。同時に毎年車検の煩わしさを避けたいユーザーのために乗用(5ナンバー)登録のADワゴンを設定。ワゴンのVE以上は4本スポークステアリングが採用された。
- ADワゴンの名称は、かつてWU11ブルーバードのワゴン仕様で使われていた。1987年~最上位のブルーバードワゴンにはブルーバードターボSSSの名称がグレード名として初めて使用された。
- 1992年
- 1月 - バンGA13DS車にDX-G追加。
- 4月 - 一部の欧州車に見られるフルゴネット (Fourgonette) やレジャー・アクティビティ・ビークル(LAV)を思わせるスタイルのAD MAX (エーディー マックス)バン、ワゴンを追加。新たに起こされたボディーは、Bピラー以降に大きな四角い箱を継いだシルエットで、リアドアを廃した3ドアとなった。ホイールベースを70mm延長して全長を4,270mmとし、全高は1,810mm(数値はワゴン)まで高められ、荷室高は1,200mmを確保している。バックドアは開閉が楽な観音開きで、グレードにより、両ドアにワイパーも備わる。側面後部のエクストラウインドウが目を引くが、少数ながら、バンにはシンプルな矩形の引き違い窓のモデルもある。このような欧州スタイルを取り入れた日本車は、生産車ではAD MAXとスズキ・アルトハッスルのみで、コンセプトカーを含めても、オートザム・レビューをベースとしたM2 1004がある程度で、少数派である。
- 1993年
- 1994年8月 - マツダにバンは「ファミリアバン」として、ワゴンは「ファミリアワゴン」として、富士重工業(現・SUBARU)へ「レオーネバン」(バンのみ)としてOEM供給を開始(スバル向けOEMは2001年で終了)。
- 1995年6月 - ワゴン一部変更。ガソリンエンジンのGA13DSを廃止し、GA15DSからGA15DEへ変更。グリルを変更し、運転席SRSエアバッグを全車標準とするほか、「LEエクストラ」を追加。同月にはメキシコ日産から日本向けADワゴンの出荷が開始された(メキシコ現地名はツバメ)。
- 1996年
- 1997年5月 - マイナーチェンジ。主な変更点は、バンのエンジンをワゴンに先行搭載されていたGA13DE型、GA15DE型、CD20型に、ディーゼルエンジン車の4WDシステムをフルタイム4WDの「ATTESA」に変更。2WD車のフロントブレーキをベンチレーテッドディスクに、4ドアバンのヘッドランプをハロゲンバルブに、ステアリングホイール、シフトレバー、パーキングブレーキレバーを抗菌仕様に、など。寒冷地仕様にワイパーデアイサーがオプション設定される。
- 1999年
-
ADワゴン
-
ADワゴン リア
-
AD MAX
ワゴン1500 VX -
AD MAX
バン1500 VE -
メキシコ向け ツルワゴン フロント
-
メキシコ向け ツルワゴン リヤ
注釈
- ^ 2シーターは自動車税が安価(\14,300→\8,000)でトラックと同額になる。
- ^ パートタイム式をバンの1500と1700ディーゼルに設定。
- ^ フロントマスクがワゴンの1993年8月発売の後期型と同じである。
- ^ ホイール径とPCDが2WD車と異なる。
出典
- ^ “ADワゴン”. トヨタ自動車株式会社 (2020年1月18日). 2020年1月18日閲覧。
- ^ “AD-MAXワゴン(日産)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月18日). 2020年1月18日閲覧。
- ^ “ADバン(日産)1990年10月~1999年6月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月18日). 2020年1月18日閲覧。
- ^ “AD-MAXバン(日産)のカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月18日). 2020年1月18日閲覧。
- ^ 『新型「AD / ADエキスパート」を発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2006年12月20日 。2006年12月20日閲覧。
- ^ 日産自動車と三菱自動車、OEM供給を拡大 日産公式 2007年4月3日
- ^ 日産自動車と三菱自動車、OEM供給を拡大 三菱公式 2007年4月3日
- ^ 『日産自動車、「AD / ADエキスパート」の法規対応を実施』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2016年1月18日 。2016年1月19日閲覧。
- ^ 『「NV150 AD」を発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2016年11月30日 。2016年11月30日閲覧。
- ^ 永田恵一 (2019年11月8日). “営業成績は上がり農作物のデキもよくなる!? 単なる道具じゃない快適性抜群の商用車5選”. WEB CARTOP. 2023年2月14日閲覧。
- ^ “Equipment|NV150 AD 主要装備一覧” (PDF) (2018年3月20日). 2023年2月14日閲覧。
- ^ 2020年5月にサクシードの販売が終了され、プロボックスに統合された
- ^ 『日産自動車、「AD」を一部仕様向上』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2021年5月24日 。2021年5月24日閲覧。
- ^ 『日産自動車、「AD」ご注文の一時停止のおしらせ』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2022年8月5日 。
- ^ 『一部車両の価格改定について』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2023年4月10日 。2023年4月10日閲覧。
- ^ “日産、商用バン「AD」一部仕様変更 安全装備を強化して全車サポカーSワイド対象に”. Car Watch (2024年3月1日). 2024年3月1日閲覧。
固有名詞の分類
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