拍手 (神道) 備考

拍手 (神道)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 15:55 UTC 版)

備考

  • 持統紀に、即位した新天皇に群臣が拝礼と拍手をした記載があり、初めて天皇を神に見立てる儀礼として即位式に柏手が取り入れられ、定例化したとされる[11]
  • 奈良時代では、天皇の即位宣命が読み上げられた後、参列した百官が拍手で応えたことが、『内裏儀式』元旦受群臣朝賀式にあるが、跪(ひざまず)いて32回も手を打つという形式であり、現代の立って行う形式とは異なった[注釈 7]。また、『日本後紀延暦18年(799年)条の元日朝賀で、渤海使が参列していたため、天皇を四度拝むのを二度に減らし、拍手もしなかったとされ、このことからも日本独自の作法という点が強く、平安時代に入ると、中国風に変更し、拍手も打たなくなった[12]
  • (あま)の逆手」といって、人を呪う際にも拍手は打たれており、『古事記』『伊勢物語』に記述がみられる呪術の一つである[13]。所作については不明だが、願いを成就させる為の行いという意味では、天の逆手も神に対する拍手も同じである。
  • 『古事記』の記述として、一言主雄略天皇の献上品に対し、お礼の手打ち=拍手をしたと記され、神自身も礼作法として拍手を行う描写がされている。
  • 大鏡』巻1「花山院」には、安倍晴明邸宅の前を通った際、拍手を打つ音と共に「天皇が退位になると占われる天変があったが、すでに退位したとみえる(中略)、の支度をせよ」という声が聞こえたと記述される。
  • 現代の建立で四拍手の神社として、空気神社がある(当ホームページを参照)。

脚注

参考文献

関連項目


注釈

  1. ^ 賽銭の際に鈴を鳴らす理由も同様とされる。中国語圏で用いる旧正月爆竹も同様の魔除けの意味がある。
  2. ^ 細木数子がテレビ番組において「女性の拍手は音を立てない」と発言したため、全国の神社や氏子から「間違った作法での参拝が増えている」という苦情が神社本庁に寄せられた。東京都練馬区石神井台の石神井氷川神社では、公式サイトで参拝の作法について記述がある[2]
  3. ^ 神道と仏教、あるいは公家と武家など。
  4. ^ 源氏物語』に、当時から混同されていた様子が記述されている。
  5. ^ 礼手のように、日常は食前・食後に行う事から、膳夫に建膳・撤膳を求める合図とも、食前食後の感謝ともされる。
  6. ^ 『古事記』などでイザナミがイザナキと帰ることができなくなったとされる黄泉の国の食べ物。
  7. ^ 続日本紀』では、慶雲年間に「跪く礼法」を廃した事が記述されている。

出典

  1. ^ 「四拍手/出雲大社は怨霊の神社?」、出雲大社紫野教会
  2. ^ お話”. 石神井氷川神社. 2012年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年3月5日閲覧。
  3. ^ 島田 裕巳 神社で拍手を打つな! -日本の「しきたり」のウソ・ホント 出版社: 中央公論新社 (2019/11/7) P23
  4. ^ 国立国会図書館 デジタルコレクション 告示 / 内務省 / 第76号 / 神社祭式行事作法
  5. ^ 国立国会図書館 デジタルコレクション 神社祭式行事作法 昭和17年 15頁 敬禮 警蹕 
  6. ^ 国立国会図書館 デジタルコレクション 神社祭式行事作法 昭和17年 1頁
  7. ^ 国立国会図書館 デジタルコレクション 神奈川県内政部 / 神社祭式行事作法解説 昭和18年 P21 22 23
  8. ^ 小池康寿 『日本人なら知っておきたい正しい家相の本』 プレジデント社 2015年 199頁
  9. ^ 井沢元彦 神霊の国日本 p.32
  10. ^ 山蔭基央 『よくわかる日本神道のすべて』 日本文芸社 1997年 ISBN 4-537-02262-0 p.122.これに対して、山蔭は、「中国的で分かりやすくて良いが、祭神を調べてからでないと拝めないのは、不便ではないか」と指摘している。
  11. ^ 熊谷公男 日本の歴史03 『大王から天皇へ』 講談社 2001年 ISBN 4-06-268903-0 p.344より。
  12. ^ 坂上康俊 『日本の歴史05 律令国家の転換と「日本」』 講談社 2001年 ISBN 4-06-268905-7 p.58.
  13. ^ 『広辞苑 第六版』 岩波書店より一部参考。『古事記』では神が天の逆手をし、『伊勢物語』では男が女に対して行っている。


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