西洋寿司
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 16:06 UTC 版)
すでに1910年(明治43年)華屋與兵衛の子孫、小泉清三郎著『家庭鮓のつけかた』には、ハム(またはコールドミート)を使ってコショウをふった巻き寿司があり、江戸前寿司(早寿司)は様々な材料を受け入れやすい素地があった。1970年代アメリカ西海岸を中心に、寿司は一大ブームとなり、その中で生まれた「カリフォルニアロール」は大いにヒットして日本にも逆輸入された。1975年(昭和50年)『すし技術教科書』の「新しいすしダネとすし」には、キャビアやセップ、ロブスター、納豆、じゅんさいなど、100種類にもなる新しい寿司ダネが紹介されている。現代の寿司店では、ありとあらゆる食材が寿司として提供される一方、古典的な材料・手法を守る店も人気があり、むしろ高級・高価である。そして、寿司は主に外食の料理となり、家庭で作られる寿司は減少している。 西洋寿司の例名寿司だね / 調理法カリフォルニアロール アボカド、カニ(またはカニカマ)、きゅうり、トビコ(またはマサゴ)を巻いたもの。裏巻きにする場合はトビコ(マサゴ)を外側に乗せたり、白胡麻をまぶすことがある。これをベースに、さまざまな巻き寿司が作られる。 レインボーロール カリフォルニアロールの上にマグロ、サーモン、白身(ハマチ、タイ、アバコ、ヒラメ、オヒョウなど)、エビ、アボカド、アナゴ(またはウナギ)などを、斜めにずらしながら彩りよく巻き付ける。材料に特に決まりはない。その姿を虹に見立ててこう呼ばれる。 キャタピラ・ロール カリフォルニアロールの上にアボカドだけを乗せたもの。「キャタピラ」はイモムシのこと。 アラスカロール カリフォルニアロールの上に、生またはスモークサーモンを乗せたもの。 B.C.ロール 焼いたサーモンの皮、サーモン(身)、きゅうり、スウィートソース、トビコ(またはマサゴ)。「B.C.」は、カナダのブリティッシュ・コロンビア州のこと。 ファイアー・ロール エビ天ぷら、スパイシーツナ、またはウナギ、カニカマボコなどを巻き、スパイシーソースをかける。場合によっては鉄火巻きのこともこう呼ぶ。 ダイナマイト・ロール ハマチ、エビ天ぷら、もやし、にんじん、アボカド、きゅうり、チリソース、スパイシーマヨネーズ。 スパイシーツナ・ロール スパイシーツナは、ネギトロ状にしたマグロ(ただし、ネギは使わない)を七味とうがらしとラー油で和えたもの。かいわれダイコンまたはきゅうりを加える店もある。 スパイシー・イエローテール・ロール スパイシーツナのバリエーションで、マグロの代わりにハマチを使用。 スパイシー・スキャロプ 小さく切ったホタテガイをマヨネーズ、七味とうがらし、ラー油で和え、軍艦巻きにしたもの。マサゴを加える場合もある。 ハワイアンロール アヒ・ポキ(ハワイ名物のマグロ漬け)、玉子、かんぴょう、カマボコ。 アヒポキ軍艦 アヒ・ポキの軍艦巻き。 フィラデルフィアロール ベーグル・アンド・ロックス(ベーグル#動向を参照)が基になっており、生またはスモークサーモン、クリームチーズを使用。きゅうり(またはアボカド)やネギ(または玉ネギ)を含むものもある。 ネギハマ ネギトロの要領で、マグロの代わりにハマチを使用。 サーモンスキン・ロール 炙ったサーモンの皮で、カイワレ、ヤマゴボウと飯を巻く。 サーモンロール 鉄火巻きの要領で、マグロの代わりにサーモンを使用。 シアトルロール 生またはスモークサーモン、きゅうり、アボカド。サーモンロールと呼ばれることもある。 スパイダーロール 揚げたソフトシェルクラブを中心に、きゅうり、アボカド、かいわれダイコンを巻き、マヨネーズまたはスパイシーマヨネーズなどで味付けしたもの。カニカマ、レタス、トビコなどを加える店もある。「スパイダー」は、英語圏の寿司業界でソフトシェルクラブを指す隠語。 天ぷらロール ハタまたはエビの天ぷら、玉ねぎ、マヨネーズ。エビの天ぷらを使ったものは、東京ロールとも呼ばれる。 ドラゴンロール エビの天ぷらロールの上にアナゴ(またはウナギ)とアボカドを乗せたもの。店によっては、カリフォルニアロールの上にアナゴ(またはウナギ)を乗せたものを指す場合がある。 ゴジラロール エビの天ぷらまたはエビフライを中心に、ウナギ(またはアナゴ)、きゅうり(またはアボカド)とともに巻き、テリヤキソースとマヨネーズでトッピングしたもの。イクラを目に見立てて付ける場合もある。 蕎麦ロール 蕎麦とカニカマ、きゅうり、アボカド、しらがねぎなどを巻き、セサミソースをかける。 ラスベガスロール チキン(またはスパイシーツナ、ウナギ、サーモンなど)、アボカド、チーズを酢飯で巻き、天ぷらにする。ロシアでいう「ホットロール」。 ロブスターロール ロブスター、きゅうり、レタスを巻き、スパイシーマヨネーズをかける。 サラずし 薄切りのサラ(豚の脂身の塩漬け)で酢飯を海苔のように巻く。 クレイフィッシュロール クレイフィッシュ、ルッコラ、アボカド、マヨネーズ。 モンキーロール ブラジルの寿司。バナナを巻いた酢飯をマンゴーで包み、チョコレートソースをかける。 寿司ブリトー(スシリトー) アメリカサンフランシスコのチェーン店「Sushirrito」で2011年に生み出された寿司。名前は寿司とブリート(ブリトー)を融合させたものでブリートのようにやや太めに巻かれた巻きずしがさらに包み紙で巻かれておりブリートのように素手で食べることが出来るようになっている。具材はアジアからラテン料理までの幅広いものが使われている(そういう意味では特定の寿司の名前というより食べ方の呼称のほうが近い)。「Sushirrito」は商標であり「Sushi burrito」として類似の料理がアメリカ西海岸で特に広がっている。
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