漁具
漁具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 06:06 UTC 版)
丹後地方では「ナサシ」と呼ぶ貝起こしの小さな鉄具と、海中で採集したものを入れる袋を携えて潜水した。袋は1斗4~5升入りの米袋のような形状のもので、「スマブクロ」、「ウミカヅキブクロ」、「ウミブクロ」などと言い、腰の前側に下げた。採集物を入れる袋がいっぱいになると、船頭が船内に引き上げ、海女は浜で流木を燃やして暖をとった。 この袋は、藤布や麻布などで作られた目の粗い袋で、なかでも塩分や摩擦に強く丈夫な藤蔓の繊維で織った藤布は濡れても身体にべとついて泳ぎに支障をきたすことがなく、大変適材とされた。藤布を撚って作った縄は、海女が潜水するために抱いて潜る重石と船とを繋いだ命綱でもあった。こうした藤布は、採取したワカメやノリを山間部に行商に行った際に、物々交換で入手した。藤布の入手先は宮津市世屋や駒倉集落などで、麻布は藤布よりも後の時代、峰山町や加悦町などの丹後ちりめんの機屋に奉公に行くようになってから、ちりめん織機に用いる麻のツウジ糸を譲り受け、用いるようになった。「春ははいる、秋はあきぶくろ、冬はふさがる」とゲンを担いで、スマブクロを仕立てるのは必ず春先にしたという。 1962年(昭和37年)8月、「漁村と海女の生活」をテーマに民俗資料調査を行っていた京都府教育委員会の法山竜正主事らのグループが、このスマブクロに注目した。海女の聞き取り調査によって世屋で藤織りが存続していることを知り、これを「古代生活の貴重な資料」として古代の繊維研究の権威として知られた布目順郎京都工芸繊維大学教授(当時)のコメントとともに新聞各紙が報じたことで全国的に注目を集め、全国各地で藤布をはじめ麻布など自然布の調査や保存・伝承活動が発足するきっかけとなった。
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漁具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 03:08 UTC 版)
「ゴーストフィッシング」の記事における「漁具」の解説
ゴーストフィッシングを引き起こすとして特に問題になっている漁具が籠(かご)と刺網である。1978年のSmolwizの報告によれば、ゴーストフィッシングに影響を与える要因として、漁具数・漁具の構造・海域・問題となる生物の生態や行動が挙げられるという。 定量的評価モデルとして、1個の逸失漁具が海中に残留しゴーストフィッシング機能喪失に至るまでの経時的変化をもとにしたミクロ推定と漁業種ごとの固有の漁具逸失数の推定による広域でのマクロ推定がある。
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漁具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 02:18 UTC 版)
茨城県の涸沼では1mほどの長さの竹筒から節を抜き、2 - 3本を1束にしたものを沼底に沈めてウナギを獲るタカッポ漁(ウナギ竹筒漁)という漁業が行われている。この漁法では餌を用いないため、環境に優しい漁業が実現される。同様の漁業は、霞ヶ浦・北浦でも行われており、徳島県松茂町のように以前は竹筒だったものがビニールパイプに変化した地域もある。 このほか、東京都水産試験場がアサクサノリ養殖の際に簡便な塩化アンモニウムの施肥方法として竹筒の利用を提案したことがある。
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漁具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/17 04:29 UTC 版)
川や湖沼、浅海の底にある魚道に一定時間設置し、魚類やエビ、カニの類を誘い込んで捕獲する。地域によって材料・構造・名称は様々で、竹や蔓、細木によって作られ、単なる筒状から笊状・箱状・桶状・籠状のものなどがあり、名称も「ドウ」「ド」「モジリ」「モドリ」「モンドリ」などの別名がある。簗と組み合わされて用いられる場合もあった。 日本列島では縄文時代から内湾・外洋において海水産魚類を対象とした漁労が行われ、大型貝塚を造成した。弥生時代に稲作農耕が開始されると水田や用水路など新たな淡水環境が生まれ、淡水産の貝類や魚類を対象とした淡水漁業が開始される。こうした淡水漁業の開始に伴い専用漁具も生まれたと考えられており、福岡県北九州市の辻田遺跡や大阪府八尾市の山賀遺跡などの弥生遺跡から筌と考えられている漁具が出土している。『古事記』や『万葉集』にも登場する。近代に至るまで広く利用され、簡単に魚類などを捕まえる罠として利用された。
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漁具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/02 15:58 UTC 版)
袋状又は垣根状の魚網とそれを海底の一定の場所に固定・留置する杭やロープから構成される。漁具の主部である魚網の内部に滞留させた魚群を、網ごと引き上げたり、船上から刺し網などで捕獲する。 漁業法では、定置網漁とは水深27m以上の海域に設置された定置網を用いるものとされている。しかし現在でははるかに深い水深100m以上に設置されている定置網もある。 2002年の世界定置網サミットが縁となり、2005年から国際協力でタイへの「越中式定置網」の技術指導が行われた。
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漁具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 02:52 UTC 版)
シジミやアサリ、ハマグリなどの貝類、エビやシャコなどの甲殻類を採取する際に使う道具。大型の熊手に似るが、刃先の後ろに、引き上げた際に砂や小石だけ抜けるようバケット等(箕や金網)が付いているもの、とされている。船で使う大型のものは2m前後の大きさがあるが、浅瀬や波打ち際で使う小型のものは1m以下。また、法律上で大きさや形状等の定義はされていないため「貝類を砂泥から選り分けて集める機能を持つ」か否か、が判断基準になっている。。ホームセンターでも売られていることもあるが、労せずして大量の漁獲が得られるため各県で、条例や漁業調整規則で禁止漁具とされているため、(例:愛知県、三重県)、潮干狩り等、海のレジャーを楽しむ者(遊漁者)は、違法にならないよう注意しなければならない。さらに、漁業権が設定されている場所での採捕行為は漁業権の侵害(親告罪のため告訴が無ければ公訴を提起できない)となる可能性があり処罰(20万円以下の罰金刑)対象となることがある。
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