抗炎症薬
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抗炎症薬(こうえんしょうやく、Anti-inflammatory)とは炎症を抑える医薬品の総称である。炎症そのものは異物の侵入や組織の障害といった生体組織にとって好ましくない刺激が発生した時に免疫系が引き起こす局所的な防御反応であるが、生体にとっての非自己の排除を助ける一方で自己である生体そのものにも一定の損傷や苦痛を引き起こす性質も持つ。医療に際して、生体の引き起こした炎症が過剰に人体を傷つけているアレルギー疾患や、外部から炎症を引き起こす生理活性物質が注入されることによって起こるスズメバチ刺傷、ドクガ刺傷などの治療に際してはこの炎症のデメリットを抑制する必要があり、そうした目的で用いられる医薬品が抗炎症薬である。主にステロイド系抗炎症薬と非ステロイド系抗炎症薬の2種類に分類される。
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- 1 抗炎症薬とは
- 2 抗炎症薬の概要
抗炎症作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 14:19 UTC 版)
PPARγ活性化によりもたらされる抗炎症作用については数多く報告されている。中でも特筆すべき事項として炎症・免疫関連転写因子であるNF-κB活性化抑制作用が挙げられる。関節リウマチや気管支喘息などの炎症性疾患ではNF-κBの活性化が報告されており、NF-κBは炎症性遺伝子プロモーター領域に結合して各種サイトカインや細胞接着分子などの産生を促す。PPARγはリガンド依存的にNF-κBのDNA結合を抑制することで炎症反応に対して抑制的に働く。
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抗炎症作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 23:34 UTC 版)
デキサメタゾンは上記の様に多くの炎症や関節リウマチなどの自己免疫疾患、気管支痙攣(英語版)の治療に用いられる。特発性血小板減少性紫斑病は病的免疫による血小板数の減少であるが、40mg/日×4日間の投与を14日周期で繰り返す事で治療できる。この場合、他の糖質コルチコイドと比較してのデキサメタゾンの優越性は明らかではない。 親知らずの抜歯等の歯科手術(英語版)の前後に、頬の腫れを抑えるために少量使用される。 足底筋膜炎の治療薬として踵に注射される。しばしばトリアムシノロンアセトニドと併用される。 アナフィラキシーの治療には高用量が用いられる。 眼科手術(英語版)後等に用いられる点眼薬や、点鼻薬、点耳薬(抗生物質や抗真菌薬と併用)がある。米国では糖尿病網膜症、網膜中心静脈閉塞症(英語版)、葡萄膜炎の治療薬としてデキサメタゾンの硝子体内留置薬が承認されている。 デキサメタゾンは経静脈的植込式心臓ペースメーカー設置後の心筋の炎症反応を最小限にするために用いられる。ペースメーカー設置後直ぐに心筋内にステロイドを曝露すると、炎症を抑制して急性のペーシング閾値の変動を最小化する。この時の投与量は、通常1.0mg未満である。 細菌性髄膜炎の症例に対しても、抗生物質投与前にデキサメタゾンが使用される。この場合は、抗生物質で死滅した細菌(炎症誘発物質を放出して患者に害を与える)に対する免疫反応を低減させ、予後良好にする。
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