転写因子とは? わかりやすく解説

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てんしゃ‐いんし【転写因子】

読み方:てんしゃいんし

遺伝子転写制御するたんぱく質群。DNA書き込まれ遺伝情報RNAへの転写促進した抑制したりするはたらきをもつ。約2000種以上ものたんぱく質同定されている。


転写因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/27 03:33 UTC 版)

転写因子(てんしゃいんし、英語: Transcription FactorTF)はDNAに特異的に結合するタンパク質の一群である。DNA上のプロモーター領域に、基本転写因子と呼ばれるものと、RNAポリメラーゼ(RNA合成酵素)が結合し、転写が開始する。DNAの遺伝情報をRNAに転写する過程を促進、あるいは逆に抑制する。転写因子はこの機能を単独で、または他のタンパク質と複合体を形成することによって実行する。ヒトのゲノム上には、転写因子をコードする遺伝子がおよそ1,800前後存在するとの推定がなされている[1]




  1. ^ 『転写因子による生命現象解明の最前線』 p.25
  2. ^ Latchman DS (1997). “Transcription factors: an overview”. Int. J. Biochem. Cell Biol. 29 (12): 1305-12. PMID 9570129. 
  3. ^ Wärnmark A, Treuter E, Wright AP, Gustafsson J-Å (2003). “Activation functions 1 and 2 of nuclear receptors: molecular strategies for transcriptional activation”. Mol. Endocrinol. 17 (10): 1901-9. PMID 12893880. 
  4. ^ a b Brivanlou AH, Darnell JE (2002). “Signal transduction and the control of gene expression”. Science 295 (5556): 813-8. PMID 11823631. 
  5. ^ Orphanides G, Lagrange T, Reinberg D (1996). “The general transcription factors of RNA polymerase II”. Genes Dev. 10 (21): 2657-83. PMID 8946909. 
  6. ^ Stegmaier P, Kel AE, Wingender E (2004). “Systematic DNA-binding domain classification of transcription factors”. Genome informatics. International Conference on Genome Informatics 15 (2): 276-86. PMID 15706513. http://www.jsbi.org/journal/GIW04/GIW04F028.html. 
  7. ^ TRANSFACR database”. 2007年8月5日閲覧。



転写因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 00:21 UTC 版)

造血」の記事における「転写因子」の解説

成長因子シグナル伝達経路開始し、これが転写因子の活性化もたらす成長因子は、因子組み合わせ細胞分化段階に応じて異な結果引き起こす。たとえば、PU.1(英語版)の長期間発現骨髄分化進み、PU.1活性短期的な誘導未成熟好酸球形成する近年造血においてNF-κBなどの転写因子がマイクロRNA(例:miR-125b)によって調節されていることが報告された。 造血幹細胞HSC )から多能性前駆細胞(MPP)への分化最初主要な役割は、転写因子CCAAT/エンハンサー結合タンパク質-α(C/EBPα(英語版))である。C/EBPαの変異は、急性骨髄性白血病関連している。この時点で、細胞赤血球-巨核球系統系に分化するか、またはリンパ系および骨髄系の系統分化することができる。これらの系統は、リンパ球多能性前駆体呼ばれる共通の前駆細胞持っている2つ主要な転写因子があり、赤血球-巨核球系統につながるPU.1と、リンパ球多能性前駆体につながるGATA-1(英語版)である[要出典]。 他の転写因子には、Ikaros (IKZF1)(英語版)(B細胞発達)、Gfi1(英語版)(Th2発達促進しTh1抑制する)、またはIRF8(英語版)(好塩基球および肥満細胞)があげられる重要なのは、特定の因子が、造血異な段階異な反応誘発することである。たとえば、好中球発達におけるCEBPαや、単球樹状細胞発達におけるPU.1である。プロセス一方向性ではないことへの注意は重要で、分化した細胞前駆細胞属性取り戻す可能性がある。 たとえば、PAX5(英語版因子B細胞発達に重要であり、リンパ腫関連している。驚くべきことに、PAX5コンディショナルノックアウトマウスでは、末梢成熟B細胞初期骨髄前駆細胞脱分化することを可能にした。これらの発見は、転写因子が分化開始因子としてだけでなく、分化レベル番人として働くことを示している。 転写因子の変異は、急性骨髄性白血病AML)や急性リンパ性白血病(ALL)などの血液癌(がん)と密接に関係している。たとえば、Ikaros多く生物学的事象調整因子であることが知られている。Ikaros持たないマウスは、B細胞ナチュラルキラー細胞T細胞欠いている。Ikarosは、6つのジンクフィンガードメインを持ち4つ保存されDNA結合ドメイン2つ二量体化(英語版)のためにある。非常に重要な発見は、異なジンクフィンガーDNA異なる場所へ結合関与していることで、これがIkaros多面的作用と癌への異な関与理由となっており、主にBCR-Abl患者関連する変異であり、予後不良マーカーとなっている。

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転写因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 06:22 UTC 版)

Th17細胞」の記事における「転写因子」の解説

IL-6IL-21産生誘導し、このIL-21TGF-βがTh0細胞刺激することによりオーファン受容体であるRORγtの産生促進させるRORγtはTh17細胞への分化誘導させる転写因子であり、IL-23受容体発現を介してIL-17産生引き起こすTh17IL-17の他にもIL-2IL-6TNF-αなどのサイトカイン産生する能力有している。

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転写因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 15:17 UTC 版)

転写 (生物学)」の記事における「転写因子」の解説

転写因子は転写そのもの関わる基本転写因子と、転写の調節を行う転写調節因子(--制御因子)がある。前者RNAポリメラーゼ複合体TATA結合タンパク質などが含まれる転写開始後の伸長反応機能する転写伸長因子を含むこともある。後者転写制御配列DNA結合し基本転写因子活性制御する特異的転写因子が含まれる直接 DNA には結合せずクロマチン構造変換を行うヒストン修飾酵素クロマチン再構成因子を含むこともある。

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