転写因子が関与する疾患
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 15:19 UTC 版)
転写因子は生物の発生、細胞間シグナル伝達、細胞周期などで重要な役割を果たすため、その変異がヒトの疾患の原因となることがある。比較的よく研究されている例を以下に挙げる。 レット症候群(Rett syndrome)-MECP2(en)転写因子の変異による、神経発達疾患。 糖尿病-MODY(Maturity onset diabetes of the young)と呼ばれる糖尿病の稀なタイプが、肝細胞核因子(HNF)やインスリンプロモーター因子1(IPF1)の変異によって起こることがある。 発達性言語協調障害(developmental verbal dyspraxia)-FOXP2の変異によって起こる。正しく発声するための協調運動が困難になる疾患。 IPEX(immunodysregulation polyendocrinopathy enteropathy X-linked syndrome)-FOXP3(en)の変異によって起こる、稀な自己免疫疾患。 その他-がん遺伝子/がん抑制遺伝子として働く転写因子は多く、これらの変異や調節異常が発がんの原因となることがある。リー・フラウメニ癌症候群(Li-Fraumeni syndrome)はがん抑制因子であるp53の変異を原因とする。
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