網膜症は目の網膜に起きる障害で、そのほとんどは糖尿病が原因であり、糖尿病網膜症と呼ばれます。高血糖の状態が長く持続すると、目の網膜に広がっている毛細血管が傷害され(糖尿病性細小血管症)、やがては失明することになります。
糖尿病は内科医の指導で血糖をコントロールするのが基本ですが、同時に眼科医による網膜症の検査と治療を平行していくことが大切です。ただし、急激な血糖コントロールは網膜症をかえって悪化させることがありますので、網膜症が進行している人の血糖管理には注意が必要です。
糖尿病網膜症は病状の進行によって3段階に分けられます。初期の「単純性網膜症」は、網膜の毛細血管にコブができて詰まったり、血管の一部が破れて出血したりします。この段階では薬による治療が行われます。次の段階が「前増殖網膜症」で、血管が詰まるためにそれに代わる新生血管の増殖が始まります。レーザー光線で焼き固めて新生血管ができるのを防ぐ「光凝固」という治療が行われます。さらに進んで「増殖網膜症」の段階になると、新生血管が増殖して出血を繰り返し、増殖膜が生じます。出血が少ないときは光凝固を、これができないときは手術が行われます。
とうにょうびょう‐もうまくしょう〔タウネウビヤウマウマクシヤウ〕【糖尿病網膜症】
網膜症
別名:糖尿病網膜症
糖尿病網膜症
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 10:21 UTC 版)
糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう、英: Diabetic Retinopathy)とは、糖尿病の3大合併症の一つ(ICD-10:E10.3、E11.3等)。糖代謝異常に伴う眼の網膜などに各種変化をきたし、視力低下を認め、日本の中途失明の第2位を占める。なお糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症の微小血管障害によって生じるものを、糖尿病の「三大合併症 (triopathy)」といわれる。
- ^ http://www.mnc.toho-u.ac.jp/v-lab/aging/doc3/doc3-03-5.html 生体分子に起こる加齢変化 05-異常たんぱく質はなぜ増えるのか?
- ^ 田港朝彦、「3.糖尿病網膜症の内科的治療」 『日本内科学会雑誌』 2000年 89巻 8号 p.1570-1577, doi:10.2169/naika.89.1570, 日本内科学会
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- ^ “5. Kumamoto study-糖尿病の大規模臨床研究”. 糖尿病NET (2008年1月). 2012年4月1日閲覧。
- 1 糖尿病網膜症とは
- 2 糖尿病網膜症の概要
- 3 その他
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