もう‐まく〔マウ‐〕【網膜】
網膜
網膜
網膜とはカメラでいえばフィルムにあたりますが,10層からできているとてもうすい膜で,厚さは中央部で0.3mm~0.4mm,周辺では0.15mmです。 視細胞には,桿体と錐体とよばれる二種類の細胞があり,桿体はうす明かりを感じ視力はよくなく,錐体は明るいところではよく感じ,色を見わけ,視力のよい細胞です。 光は視細胞にとどくと電気信号に変えられ,神経線維層を通って神経にいき,この信号が大脳の中枢にいってはじめてものが見えるのです。 また,網膜の後ろの中心には黄斑部があり、その中心に中心窩があります。ここには錐体のみがあり,視力のもっともよいところです。 | ||
Q.盲点とは何ですか
視神経が脳へ行くところは、光りを感じる細胞がないので、盲点などといわれている 左目を手でおおい、右目で上の絵のイヌを見つめながら、目をはなしたり近づけたりします。イヌの絵から約20cmのところで、カエルが見えなくなるはずです。 | 人間はだれでも,見ようとする点より耳側に視野の欠けている部分があります。これを盲点(マリオット盲点)といいます。もちろん左目,右目ともにあります。その位置は注視点の耳側約15゜のところに,幅約5゜のややたて長の楕円形として存在します。これは眼底の視神経乳頭にあたる部分です。ここには網膜がなく,視細胞がないので,光があたっても感じないわけです。マリオットとはフランスの物理学者の名前からとったものです。 | |
Q.網膜はどんな色をしていますか | 網膜は眼底鏡(直像鏡,倒像鏡)という器械で見ると簡単に観察できます。しかし,網膜そのものは透明であるため,見えるのは網膜色素上皮と脈絡膜の色素に含まれるメラニン色素,および,脈絡膜血管の血液の色が重なり合って赤かっ色に見えます。白色人種では,メラニン色素が非常に少ないので,脈絡膜がよく見えてあわい紅色でかがやいて見えます。 | |
たとえば,明るいところから急に暗いところへ入ると,はじめは何も見えないのにしばらくすると,だんだんと見えてきます。このように暗い中で目がなれてくるのを暗順応,その逆を明順応といいます。これは,網膜にある視細胞の桿体,錐体の働きによって決まります (1)暗順応 一 暗いところでは桿体が中心になって働きます。この桿体は、黄斑部から離れるにしたがって、網膜のまわりに多くなり、視角の20~30°にあたる部分に最も多くあります。また、視力にはあまり関与しません。桿体細胞には,ロドプシンとよばれる物質がふくまれ,光があたるとビタミンAに変わります。暗いところではこれと逆のことが起こります。そのため,ビタミンAが不足すると,暗いところで見えなくなる夜盲症(とり目)になるのです。 (2)明順応 一 明るいところでは錐体が中心になって働きます。この錐体は,網膜の中心部に多く,視力にすぐれています。明順応は暗順応にくらべてはるかに短時間ですみます。暗順応は30分~1時間かかるのに対して,明順応は40秒~1分です。 |
網膜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/12 13:39 UTC 版)
網膜(もうまく、英: retina)は、眼の構成要素の一つである。視覚細胞が面状に並んだ部分があればこう呼び、視覚的な映像(光情報)を神経信号(電気信号)に変換する働きを持ち、視神経を通して脳中枢へと信号を伝達する。その働きからカメラのフィルムに例えられる。
注釈
- ^ 脊椎動物の中でもヤツメウナギ類やトカゲ類の一部は通常の両眼の他に頭頂部に頭頂眼と呼ばれる皮下の奥まった位置に光受容器を持っており、外界の光刺激を検知していると考えられている。頭頂眼と普通の眼はかなり異なる構造を持つ。このため、脊椎動物の通常の眼は頭頂眼と区別するために外側眼と呼ばれる[1]。
- ^ 漫画『ブラック・ジャック』のエピソード「春一番」では、像が残るのは、他人に移植された角膜とされている。
出典
- ^ 岩堀修明『図解 感覚器の進化―原始動物からヒトへ水中から陸上へ』講談社ブルーバックス、2011年1月20日第1刷発行、ISBN 9784062577
- ^ 岡部正隆、伊藤啓「なぜ赤オプシン遺伝子と緑オプシン遺伝子が並んで配置しているのか」『細胞工学』第21巻第7号、2002年7月。
- ^ 三上章允 (2004年9月18日). “霊長類の色覚と進化” (PDF). 公開講座「遺伝子から社会まで」. 京都大学霊長類研究所. 2013年9月20日閲覧。
- ^ Surridge, A. K., and D. Osorio (2003). “Evolution and selection of trichromatic vision in primates”. Trends in Ecol. And Evol. 18 (4): 198–205. doi:10.1016/S0169-5347(03)00012-0.
- ^ 【拡張する脳】第1部 広がる医療応用(4)生き残った神経細胞に機器接続/人工網膜 進む臨床研究:全盲者「光が見えた」『毎日新聞』朝刊2022年6月3日6面(2022年8月25日閲覧)
網膜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 02:51 UTC 版)
網膜剥離 糖尿病網膜症 加齢黄斑変性 ポリープ状脈絡膜血管症 網膜動脈閉塞症網膜にある動脈が閉塞する疾患。閉塞する部位により網膜中心動脈閉塞症と網膜動脈分枝閉塞症に分ける。症状は、数分のうちに目が見えなくなる突発性。 網膜静脈閉塞症網膜にある静脈が閉塞し眼底出血を来す疾患。閉塞する部位により網膜中心静脈閉塞症と網膜静脈分枝閉塞症に分ける。 網膜色素変性症 網膜分離症 黄斑円孔 黄斑上膜 コーツ病 家族性滲出性硝子体網膜症 (FEVR:Familial exudative Vitreoretinopathy) 急性網膜壊死 サイトメガロウイルス網膜炎 未熟児網膜症 網膜芽細胞腫網膜を作る細胞から発生するがん。統計は、子供に多い。
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網膜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:19 UTC 版)
眼杯の内壁では神経細胞への分化が生じ、神経性網膜となる。外壁はメラニン色素を含む網膜色素上皮となる。内壁と外壁はもともとは第三脳室と通じる腔により隔てられていたが、徐々に腔は狭小化し、最終的に消失する。眼杯の内壁は視細胞などの細胞へと分化する。神経節細胞の軸索は、眼茎の壁内を進む。線維が増大するにつれて眼茎の内腔は狭小化して、内腔のない視神経となる。
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網膜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 02:19 UTC 版)
詳細は「網膜」を参照 網膜において光受容がなされる。すなわち、眼光学系を通じて網膜に投射された光は、網膜において神経信号へ符号化される。網膜からは視神経が出て、神経信号を外側膝状体や上丘へと伝達する。
※この「網膜」の解説は、「目」の解説の一部です。
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網膜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/07/14 14:07 UTC 版)
※この「網膜」の解説は、「外顆粒層」の解説の一部です。
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「網膜」の例文・使い方・用例・文例
- 大網膜は胃からぶら下がっている。
- 左目に網膜下の出血があった。
- 5年前に網膜剥離を起こしました。
- 光線が網膜に当たって目は見える.
- 網膜炎
- 視像が網膜の上に焦点の合っていない目の異常な状態の、または、視像が網膜の上に焦点の合っていない目の異常な状態に関する
- 視像が網膜に鮮明な焦点でうつる目の正常な状態の、または、視像が網膜に鮮明な焦点でうつる目の正常な状態に関する
- 物の焦点が網膜に合わせるための、目の中の反射変化
- ヒューベルとウィーゼルは、刺激が網膜を横切る方向により異なった応答をする細胞を見つけた
- 罹患網膜組織を破壊するか、または網膜剥離の場合に網膜を抑制する傷跡を形成する強力なレーザービームを使う外科手術
- 彼の網膜は分離し、彼は手術を急がなければならなかった
- 色素性で感覚層である網膜に発達する2つの壁のあるコップ状の落ち込み
- 目の網膜における、または、目の網膜に関する
- 網膜細胞
- 目の網膜を検査するための医療機器
- 眼科医が、顕微鏡を使用し、網膜と視神経を見ることができる、細いが、強い光線を放つ照明器具
- 網膜と鞏膜の間の目の非常に血気盛んな膜
- 目の硝子体液を包んでいて、それを網膜から切り離す透明な膜
- 網膜静脈の結合により形成される静脈
- 網膜の神経節細胞への損害は緑内障の発達の役割を果たすかもしれない
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