ストイック
「ストイック」とは、「(目標への到達のために)自分を厳しく律する」という禁欲的で求道的な姿勢や生き方を指す意味で用いられる表現である。主に「ストイックな人」「ストイックな性格」「ストイックに鍛錬に励む」といった言い回しで用いられる。
ストイックの語源
ストイック(stoic)という言葉は、そもそもは、古代ギリシア哲学における「ストア派」という学派の思想(「ストイシズム」)のことである。つまり元々は「ストア派の~」という意味の形容詞である。ストア派の哲学・思想とは、おおまかに言えば「自律・自制によって道徳的・倫理的な幸福を求めようとする考え方」であるといえる。幸福を追求するにしても、その幸福は欲望・情動に囚われない冷静さの獲得によってこそ実現される、というわけである。
英語のstoicにも、日本語の「ストイック」と同様、「禁欲的な」程度の意味合いで用いられることがある。ちなみに、英語では先頭大文字でStoicと表記すると(固有名的扱いになるため)「ストア派哲学の」という意味合いの語意になる。
ストイックの関連語
古代ギリシアには、ストア派とほど同時代に、ストア派とは対照的に「幸福はむしろ《快》と密接に結びつくものである」と唱えた学派もあった。この快を重視する学派は「エピクロス派」(エピキュロス派)という。エピクロス派の立場は(さまざまな曲解を経て)今日では「快楽主義」「享楽主義」を指す語として用いられるようになっている。stoic
「stoic」の意味・「stoic」とは
「stoic」とは、英語の形容詞であり、主に「禁欲的な」、「感情を表に出さない」、「苦痛を耐える」といった意味を持つ。この単語は古代ギリシャの哲学、ストア派から派生したものである。ストア派の哲学者たちは、人生の困難や苦痛を静かに耐え抜くことを重視し、感情を抑制することを奨励した。そのため、現代英語では「stoic」という単語が、感情を抑制し、困難を静かに耐える態度を表すようになった。「stoic」の発音・読み方
「stoic」の発音は、IPA表記では /ˈstoʊɪk/ となる。IPAのカタカナ読みでは「ストウイク」となる。日本人が発音するカタカナ英語では「ストイック」と読む。なお、この単語は発音によって意味や品詞が変わるものではない。「stoic」の定義を英語で解説
「stoic」の定義は、「enduring pain and hardship without showing one's feelings or complaining」である。これは、「苦痛や困難を耐えながら、自分の感情を見せず、また不平を言わない」という意味になる。「stoic」の類語
「stoic」の類語としては、「unemotional」、「impassive」、「resilient」、「enduring」などがある。これらの単語も同様に、感情を表に出さない、苦痛を耐える、といった意味合いを持つ。「stoic」に関連する用語・表現
「stoic」に関連する用語としては、「stoicism」がある。これは「stoic」の名詞形であり、ストア派の哲学や、その哲学を体現する態度を指す。「stoic」の例文
以下に「stoic」を用いた例文を10個示す。 1. He remained stoic in the face of adversity.(彼は逆境に直面しても、ストイックでいた。)2. She showed a stoic patience during the long recovery process.(彼女は長い回復過程でストイックな忍耐力を示した。)
3. Despite the pain, he maintained a stoic expression.(痛みにもかかわらず、彼はストイックな表情を保った。)
4. The stoic soldier never complained about the harsh conditions.(そのストイックな兵士は、過酷な状況について一度も不平を言わなかった。)
5. Her stoic attitude helped her to overcome many challenges.(彼女のストイックな態度が、多くの課題を克服するのを助けた。)
6. He was stoic about his diagnosis and focused on treatment.(彼は自身の診断についてストイックであり、治療に集中した。)
7. The stoic philosopher teaches us to accept what we cannot change.(ストイックな哲学者は、私たちが変えられないものを受け入れることを教えてくれる。)
8. The stoic endurance of the marathon runner is admirable.(マラソンランナーのストイックな耐久力は称賛に値する。)
9. She faced the loss with a stoic calm.(彼女は損失に対してストイックな冷静さで立ち向かった。)
10. His stoic silence spoke volumes about his inner strength.(彼のストイックな沈黙は、彼の内面の強さを物語っていた。)
ストイック
「ストイック」とは・「ストイック」の意味
「ストイック」とは、英語の「stoic」に由来し「禁欲的、克己的(自分の感情・欲望などに打ち勝つ)なさま」を意味する表現である。目標に向かって継続的に自己を鍛錬する人に対して、褒め言葉として使われることが多い。まれに、「ストイック」な人は、「完璧主義者」「融通が利かない」「物事を適当に済ませられない」といった悪いイメージを持って語られる場合もある。「ストイック」の熟語・言い回し
「ストイック」は、自分を厳しく律する人などに対して「彼はストイックだ」「ストイックな人」という言い回しを使うのが一般的である。ストイックな人とは
「ストイックな人」とは、自己実現や目標達成に向かって、自身のルールを厳守しながら行動できる人を指す。また、意志が強く、成功に向けての努力を惜しまない人とも言える。好感を持たれることが多いが、一方で「ストイックな人」の厳しい姿勢に、まわりの人間が圧迫感を覚える、窮屈に感じるなどの弊害もある。
ストイック女子とは
「ストイック女子」とは、「ストイックな人」の中でも特に女性に焦点を当てた言葉となっており、目標に向かって自分を磨く女性を指す。「ストイック女子」は、「仕事」「美容」「ダイエット」「勉強」など様々な分野で自己を鍛錬し、努力し続ける。「ダイエット」であれば、痩せると決めてからはどんな誘惑にも打ち勝ち、目標体重に達するまで妥協することがない。「ストイック女子」は、「素敵」「かっこいい」「輝いている」など前向きなイメージが強く、ポジティブな女性を表現する際に用いられることが多い。
ストイックな生活とは
「ストイックな生活」とは、日常において良くない習慣などを見直し、自己を高めるため禁欲的に生活することを指す。具体的には、「規則正しい生活をする」「健康的な食事を摂る」「運動を心がける」等である。生活を律することで日々の暮らしに張りやリズムが生まれ、目標達成・自己実現の意欲が湧いてくるとされている。ただし、あまりに厳しく追及しすぎると体重減少や精神的苦痛を感じる場合もあるため、適宜ルールを緩めるなどの配慮も必要である。
仕事にストイックとは
「仕事にストイック」とは、職務において完璧主義で妥協をせず前向きに仕事をこなしていく姿勢を表す。また、家庭やプライベートを犠牲にして仕事に打ち込むさまを表すのにも用いられる。ストイックな仕事ぶりはおおむね歓迎されるが、「ストイックな人」同様、まわりにもストイックな姿勢を求めたり、圧迫感を与えがちである。また「仕事にストイック」であると、目標達成を意識するあまり、周りが見えなくなったり、心に余裕がなくなったりする場合もある。特にチームで仕事を行う場合は、客観的にまわりを見まわし、独りよがりにならないよう心掛けることが重要である。
「ストイック」の使い方・例文
「ストイック」の使い方・例文は、以下の通りである。「彼の性格を一言でいうと、ストイックである」
「将来の夢がモデルである花子は、甘いものを一切食べないというストイックなルールを自分に課している」
「プロジェクトの成功を願って、我々は残業も厭わずストイックに仕事をした」
「早寝早起き、お酒は口にしない等のストイックな生活で、5キロ痩せました!」
「自分に厳しく趣味も仕事も完璧にこなす彼女は、『ストイック女子』と言っていいだろう」
「太郎はとてもストイックで、来月の試合に向けて厳しい練習を積んでいる」
「あまりストイックにやりすぎると、体を壊しますよ」
「彼の演技の素晴らしさは、日々ストイックに努力してきた賜物だ」
「先生がオーディションに落ちた花子に向けてこう言った。『あなたにはストイックさが足りない』」
「ストイックなまでのこだわりで、質の高い商品を皆様に提供しています」
ストイック
「ストイック」の意味・定義
「ストイック」とは、自身を厳しく律し、禁欲的に己を持する、ということである。わかりやすくいうと、さまざまな欲求に左右されず、自分で定めた基準を厳守して行動する、という生き様である。「ストイック」は、英語では「stoic」と表記する。もともとは「ストア学派」または「ストア学派の哲学者」を指す言葉である。ストア学派は「禁欲主義」に基づく幸福論を唱えたことで知られる。
今日の一般的な文脈では、「ストイック」いう表現は「禁欲的な」「禁欲主義的な」という意味の表現として定着している。
「ストイック」の類語・類義語・対義語
「ストイック」に似た表現としては「禁欲主義的」「無欲」などが挙げられる。「ストイック」の対義語としては「享楽的」あるいは「エピキュリアン」などの表現が挙げられる。
ストイックには、禁欲主義的な、克己的な、無欲な、といった類語がある。「禁欲主義的な」は、欲望に走らず、自身を律することを表し、「克己的な」は、自分自身に打ち勝つことを表す。そして、「無欲な」は、欲がなく、様々なものを欲しがらないことを表す。
ストイックの対義語には、エピキュリアン、享楽的な、即物的な、などが挙げられる。「エピキュリアン」は、本来、エピクロス派の哲学者を表す言葉だが、彼らが快楽主義を唱えたことから、ストイックの対義語として用いられることがある。また、「享楽的な」は、快楽の追及を第一とする考え方を表し、「即物的な」は、物や金銭、利害などを重視する考え方を表す。
「ストイック」の用例・使用例
ストイックを使用した言葉には、例えば「ストイック女子」がある。ストイック女子は、仕事や私生活において、高い意識と理想を持っている女性を表し、何事にも高水準の完成度や達成度を求める傾向にある。また、ストイックには「ストイックな生活」という使用例もある。ストイックな生活は、理想や目標のために様々な欲望を捨て、厳しく身を律し、自身を高めることを第一に考える生活を表す。ストイック【stoic】
ストア派
ストイック(HMSStoic,P231)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 01:04 UTC 版)
「S級潜水艦 (イギリス海軍・2代)」の記事における「ストイック(HMSStoic,P231)」の解説
1943年に就役。第二次世界大戦を生き延び1950年に除籍、解体。
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ストイック(StoicktheVast)
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「ヒックとドラゴン」の記事における「ストイック(StoicktheVast)」の解説
ヒックの父親で、モジャモジャ族のリーダー。息子とは違って腕力が強く、考えることが苦手。 本名は、ナマエ・キイタダケデ・アア・オソロシヤ・ストイック。
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ストイック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:19 UTC 版)
主演映画『日本沈没』の監督樋口真嗣は草彅について「彼はものすごくストイック」と述べていて、作品と向き合う、その集中力の凄さを語っており、求道者を彷彿している。 主演連続ドラマおよび映画『任侠ヘルパー』の監督西谷弘は、本作での草彅の役・翼彦一について、彦一にとっての人生の美学は「やせ我慢」であると語り、「草彅剛という男は非常にストイックで、もし翼彦一という人格が本当に存在していれば、ものすごく草彅くんに憧れるだろうなと思うんですよね。彦一は草彅くんのようにストイックには生きられない。でも、そのストイックさを真似ることはできるんです。それが“やせ我慢”」と述べており、その孤独なまでのストイックさこそが、俳優・草彅剛の魅力でもあるという。当映画で彦一は組織から離れたアウトローとなった。
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ストイック (Stoick the Vast)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 01:48 UTC 版)
「ヒックとドラゴン2」の記事における「ストイック (Stoick the Vast)」の解説
ヒックの父親。騎乗ドラゴンはスカルクラッシャー。相変わらずバイキングの頭領だが、ヒックに頭領の座を譲ろうとしている。
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「ストイック」の例文・使い方・用例・文例
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