読売新聞の宮崎勤事件に関する捏造事件 読売新聞の宮崎勤事件に関する捏造事件の概要

読売新聞の宮崎勤事件に関する捏造事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/05 03:46 UTC 版)

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概要

1989年8月17日、読売新聞は夕刊一面トップで、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(宮崎勤事件)の容疑者である宮崎勤の潜伏するアジトを発見したと報道した。記事ではアジトの詳細な様子が語られており、「奥多摩山中・小峰峠近くで発見」「自宅から南東へ約1.5キロ」「宮崎家の使用人だった男性が住んでいた小屋」「警察が多数の有力物証を押収」「遺体放置場所もこのアジト内」「遺体観察にかよう」「宮崎供述の矛盾、疑問点がことごとく解明」などと続き、アジトのある山小屋付近の地図まで掲載されていた。

しかし、警察の捜査本部は即座に全面否定するなど、当初からその真偽について疑問が呈され、ほどなく報道内容が全くの誤りであることが判明。翌日には虚偽の内容を掲載したことに関する「おわび」を出したものの、記事が掲載された経緯について釈明する検証記事の発表まで2か月を要し、その内容も「激しい取材競争の中で一線記者が冷静さを失い、断片的な情報を総合する段階で、強い思い込みから不確かな『事実』を間違いのない『事実』と信じ込んだ(同年10月15日付朝刊)」といった抽象的なものであった。

事件の影響

読売新聞の「宮崎のアジト発見」の虚偽報道は、朝日新聞珊瑚損傷記事捏造(同年4月20日)や毎日新聞グリコ・森永事件の犯人取り調べ記事捏造(同年6月1日)と並ぶ一大スキャンダルであったが、朝日新聞の珊瑚事件の影に隠れてほとんど話題にされなかった。さらに、読売新聞は処分の内容も、記事を書いた記者の名前も明らかにしなかったため、この事件の全容は未だ判明していない。

なお、この件は雫井脩介著『犯人に告ぐ』で描かれる一つのエピソードにおいて、スパイス的に用いられている。

参考文献

  • 池田龍夫、『新聞の虚報・誤報――その構造的問題点に迫る』、創樹社、2000年

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