総務省 概説

総務省

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/18 16:27 UTC 版)

概説

総務副大臣、総務大臣政務官の記者会見。バックパネルにシンボルマークが描かれている。

総務省設置法第3条第1項に規定する任務を達成するため、行政組織地方自治地方公務員制度選挙政治資金情報通信郵便統計消防など、国家の基本的な仕組みに関わる諸制度、国民の政治活動・経済活動社会活動を支える基本的なシステムを所管する。2001年(平成13年)の中央省庁等改革によって、総務庁郵政省自治省が統合されて設置された。「総務省」の名称は、戦後GHQによる解体・廃止の危機に瀕した内務省が、組織解体を阻止するために考案した新名称案の一つである[注釈 3]国家行政組織法別表第1では、総務省が各省の筆頭に掲げられ、閣僚名簿も原則として総務大臣内閣総理大臣の次に列する。総務省は全国の地方公共団体に対して強い影響力を保持し、2020年(令和2年)10月1日現在で都道府県庁に部長級以上を44名うち副知事が9名、次長などを7名、課長などを59名出向させ、市町村に部長級以上を77名うち副市長が27名、次長などを6名、課長などを18名出向させている[3]。2023年現在、全国の都道府県知事のうち12名が自治省・総務省出身である。

設置当初、英文正式名称は「Ministry of Public Management, Home Affairs, Posts and Telecommunications」(公共管理・内務・郵便・遠隔通信省)、英文略称は「MPHPT」であったが[4]2004年(平成16年)9月10日から、現在の英文正式名称「Ministry of Internal Affairs and Communications」(内務・通信省)、英文略称「MIC」にそれぞれ変更された[5]。「長すぎて分かりにくい」とする意見[注釈 4]や組織の一体性などを勘案した。

2005年(平成17年)4月1日から、省の理念アピールおよび職員の一体感を目的にシンボルマーク[6]、「実はここにも総務省」のキャッチフレーズをそれぞれ策定した[7]。シンボルマークはヴィヴィッドオレンジを用い、四角形で日本の国土を、飛び出す球体は総務省の姿をそれぞれ表現している。2014年(平成26年)1月21日にキャッチフレーズを「くらしの中に総務省」に更新した[8]。広報誌「総務省」を月刊で発行している[9]

2022年(令和4年)現在、総務省の総合職事務系職員(キャリア事務官)の採用は一本化されておらず、「行政管理・評価」(旧総務庁)、「地方自治」(旧自治省)、「情報通信 (ICT)」(旧郵政省)の3つの区分に分かれている[10]総務事務次官は旧自治省出身者が最も多く就いている。

総務省の設置に関与した元内閣官房副長官石原信雄は、総務省は巨大組織の官庁で「戦前内務省を彷彿とさせる」などの見解に、「戦前の内務省は、ずば抜けた権限を持つマンモス官庁だったが、(中略)なかでも警察力を握っていることがスーパー官庁としての決定的な要素だった」と総務省は旧内務省のようなパワー官庁ではない[11]と語る。政治学者飯尾潤は、総務省を「自治省が単独での生き残りが難しいと判断して、総務庁という弱小省庁を吸収してできた省庁」[12]と語る。


注釈

  1. ^ 2004年9月までの英文正式名称および英文略称については概説を参照。
  2. ^ 「行政の基本的な制度の管理及び運営を通じた行政の総合的かつ効率的な実施の確保、地方自治の本旨の実現及び民主政治の基盤の確立、自立的な地域社会の形成、国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡協調、情報の電磁的方式による適正かつ円滑な流通の確保及び増進、電波の公平かつ能率的な利用の確保及び増進、郵政事業の適正かつ確実な実施の確保、公害に係る紛争の迅速かつ適正な解決、鉱業、採石業又は砂利採取業と一般公益又は各種の産業との調整並びに消防を通じた国民の生命、身体及び財産の保護を図り、並びに他の行政機関の所掌に属しない行政事務及び法律(法律に基づく命令を含む。)で総務省に属させられた行政事務を遂行すること」(総務省設置法第3条第1項)
  3. ^ その他の新名称案として「公共省」「民政省」があった。その後、内務省はGHQによって解体・廃止された。
  4. ^ ちなみに、英国には「デジタル・文化・メディア・スポーツ省」という4分野を所管する行政官庁がある。なお、2008年以降の日本の国土交通省の英文正式名称は「Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism」であり、総務省の旧英文正式名称と同様に、名称に4分野を含んでいる。
  5. ^ 総務庁人事局および同恩給局が統合された。
  6. ^ 総務庁行政管理局が移行した。
  7. ^ 総務庁行政監察局が改称された。
  8. ^ 自治省行政局が改称された。
  9. ^ 自治省財政局が改称された。
  10. ^ 自治省税務局が改称された。
  11. ^ 郵政省通信政策局および同放送行政局が統合された。
  12. ^ 郵政省電気通信局が改称された。
  13. ^ 郵政省郵務局、同貯金局、同簡易保険局の政策部門が統合された。
  14. ^ 総務庁統計局が移行した。
  15. ^ 総理府の外局から移行した。
  16. ^ 総理府の外局から移行した。
  17. ^ 郵政省郵務局、同貯金局、同簡易保険局の現業部門が統合された。
  18. ^ 自治省の外局から移行した。
  19. ^ 総務庁の管区行政監察局が改称された。
  20. ^ 郵政省の地方電気通信監理局が改称された。
  21. ^ 政策統括官1名が2つの担務を兼務している。
  22. ^ いわゆる「NTTグループ」に属する会社には、他にエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社株式会社エヌ・ティ・ティ・データ株式会社NTTドコモ等があるものの、そのいずれも特殊法人の形態をとっておらず、特殊法人であるのはこれら3社だけである。
  23. ^ いわゆる「日本郵政グループ」に属する会社には、他に株式会社ゆうちょ銀行株式会社かんぽ生命保険があるものの、そのいずれも特殊法人の形態をとっておらず、特殊法人であるのはこれら2社だけである。
  24. ^ 国の予算を所管するすべての機関である。なお、人事院は予算所管に関しては内閣に属するのでここにはない。
  25. ^ デジタル庁#関連紛争や諸問題も参照。
  26. ^ なお、現行法では、スポンサーを募り制作されるCM番組内容に対する外資規制は為されていない。

出典

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  6. ^ 総務省(報道資料)(2009年1月13日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
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