私立探偵 濱マイク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/16 18:41 UTC 版)
テレビドラマ版
私立探偵 濱マイク | |
---|---|
ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 林海象 |
脚本 | (作品リストを参照) |
監督 | (作品リストを参照) |
出演者 |
永瀬正敏 中島美嘉 市川美和子 村上淳 松岡俊介 阿部サダヲ 井川遥 松田美由紀 小泉今日子 |
オープニング |
EGO-WRAPPIN' 「くちばしにチェリー」 |
製作 | |
プロデューサー |
堀口良則(EP) 仙頭武則、古賀俊輔、岡野彰 |
制作 | 読売テレビ |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 2002年7月1日 - 9月16日 |
放送時間 | 月曜日22:00 - 22:54 |
放送枠 | よみうりテレビ制作月曜10時枠連続ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 12 |
特記事項: ・初回は22:00 - 23:09まで拡大放送 ・第11話と第12話は22:30 - 23:24に放送 |
2002年7月1日から9月16日まで、日本テレビ系列で毎週月曜22:00 - 22:54(JST)に全12回が放送された。制作はよみうりテレビとPUG POINT JAPAN。製作は私立探偵濱マイク プロジェクト。平均視聴率は6.5%。
マイク以外の設定が一新されているが、星野(南原清隆)など映画版のキャラクターが客演することもあった。
それぞれのエピソード毎に異なる監督が担当し、映画版の助監督や新鋭の映像作家が多数起用された。脚本家も全話異なっている。また、全話ともVTRではなく、当時の連続テレビ現代劇としては異例の16mmフィルム撮影で製作された。これは映画人である永瀬がフィルムにこだわったことや、過去のテレビ映画へのオマージュも込められている。小道具にも凝り、タイトルバックにおけるタイトルロゴの色や絵柄も毎回変更されていた。
最初に撮影が始まったのは第6話の「名前のない森」。当時は設定が決まっていない部分が多く、レギュラーはマイクの他山本のみ出演し、舞台も黄金町でなく山梨になっている。この作品は2002年2月の第52回ベルリン国際映画祭にも出品された。
VHSは放映版と同一内容だが、DVDはディレクターズ・カット版となっており、放映版と異なる場面がいくつかある他、未公開映像も収録されている(第4話「サクラサクヒ」のDVD版では歌舞伎ジャケットを着たマイクが登場する)。また主題歌の部分のみ音声がカットされていた。
出演者の豪華さでも話題になり、当時テレビドラマから遠ざかっていた永瀬が主演したのはもちろん、当時の夫人であった小泉今日子が共演したことでも、大きな話題を呼んだ。
主な出演者(テレビドラマ)
- 濱マイク:永瀬正敏
- 私立探偵。皮のコートとサングラスが特徴。マニキュア、ラバーソウル、指輪、ピアスと小物にもこだわる。本名での活動といい、通常の探偵ではタブーなことをしている。特徴のひとつ、愛車「メトロポリタン」は借金のカタに取られてしまい、赤い2代目トヨタ・クラウンに変わった。日劇2階の探偵事務所も家賃滞納の為、日劇の屋上(支配人の福寿が立上げようとしていたビアガーデンの跡地)に移された。
- 大の女好きでいろいろとちょっかいを出しているようである。依頼はこなすが、情に流されてしまい、いつも金欠状態。我を失うと見境がつかなくなり「狂犬病」と言われた頃に戻ってしまうことがある。友達想いで、少年時代に横濱特別少年院で知合ったノブ、忠志や幼馴染の丈治、誠などとずっと関係が続いている。妹の茜には頭が上がらないが、何より妹を大事にし、幸せを願っている。映画版からは、年を取った分成長した感じである。調査費用は1日12万円から。
- 濱茜:中島美嘉
- 映画版にも登場するが、設定は一新されている。
- マイクの年の離れた妹で予備校生。日劇近辺のアパートに、ほとんど帰ってこない兄と暮らしている。兄からの生活費は当てにならないためアルバイトをして生計を立てている。マイクの友達とも仲がよい。行方不明の両親のことを気に掛けている様子。だらしのない兄を軽蔑しつつも大好きなようである。
- みるく:市川実和子
- ゴミ置き場の前に座っていた所をマイクに声を掛けられて以来、探偵事務所に毎日顔を出すようになった。現在は掃除のアルバイトをしている。本名は別にあるが、名乗らないので渾名で呼ばれる。由来は出会いの日にマイクが差し出した牛乳に唯一反応したことから。過去のトラウマからか、独特の感性の持ち主でマイクや仲間達の変化にいち早く気づく。
- 丈治:村上淳
- マイクの幼馴染。父親が失踪したため実家の「加賀美自動車」を受け継ぐ。腕前はかなりの者である。マイクが荒れていた時期からの親友で、庇い合い、助け合い、悪さもしてきた。昔からマイクの愛車の整備を行っている(クラウンは整備のため工場にあったものをマイクが奪っていった)。好きになった女性には一途で、独特のギャグセンスの持ち主である。
- 忠志:松岡俊介
- マイクの行付けである古着屋の雇われ店長。マイクとは横濱特別少年院内で知合う。子ども時代からいじめにあっていたようで、少年院でもいじめられていたところをマイクに助けられて以来マイクに憧れている。このエピソードは漫画版の星野とマイクの出会いに類似している。格闘技、特に女子プロレスが大好き。みるくに好意があったようで告白した。
- 誠:阿部サダヲ
- マイクの幼馴染でコンビニの店長を務める。だが、ほとんど仕事はしていないようで喫茶マツモトに入り浸る。サヨコと同じく1970年代や1980年代歌謡曲が大好き。2人で絶妙のコンビネーションを見せる謎のオカマキャラ。黄金町では有名人らしい。
- サヨコ:松田美由紀
- 溜まり場となっている、喫茶「マツモト」のオーナーでマイクとは幼馴染。いつも胸の開いた服で色気全開。彼女の入れるカフェオレは絶品。
- 比留間ひる:井川遥
- 日劇のモギリ嬢。祖母は初代のモギリ比留間あさ。彼女の体調不良から後を継ぐこととなった。おとなしく、愛想のなさをマイクからもしばしば注意されている。生真面目な性格で、初代同様、探偵事務所に来た客からも入場料を徴収する。
- ミント:酒井若菜
- 黄金町のキャバクラ嬢。ノリコと共にマイク親衛隊の1人で探偵事務所に入り浸る。明るく振舞っているが、暗い過去を持っているようである。
- ノリコ:川村亜紀
- ミントと同じく黄金町のキャバクラ嬢でマイク親衛隊。しかし意外な人物と不倫関係にある。
- ノブ:中村達也(BLANKEY JET CITY)
- マイクの先輩でライブハウスのオーナー。自身はドラマー。裏社会にも通じているらしくここで情報を仕入れることもある。無口だが、マイクを救うために「Bloody7」(永瀬が出演した映画「PARTY7」に引っ掛けたもの)を結成するなど正義感が強く行動派である。
- 山本:山本政志
- 野毛に事務所「山本金融」を構える取り立て屋。マイクには多額の貸しがある(第3話では31万、第8話では95万に増えている)。マイク同様、派手な服装で街を徘徊している。映画版にも登場し、メトロポリタンを取り上げる。
- YOU(次回予告のみ)
- 声のみの出演。ペネロペ・クルスとして登場するが、ブリトニー・スピアーズの他本人でも演じる。毎回あまり関係ないナレーションとくだらないものをプレゼントした。
- 星野光:南原清隆
- 映画版に登場。マイクの友達で白タク運転手兼情報屋。ある日突然マイクの前に姿を現す。マイクの反応は…(登場はDVD版に収録されていない)。
- サキ:小泉今日子
- 野毛中央通り商店街付近にあるパチンコ屋の景品交換所で働いている女。情報屋で、情報は景品交換時にメモで渡している。裏事情に詳しく、正体は不明だが、かなりの人物らしい。
スタッフ
- 製作:藤門浩之、益田康久、畠中基博
- エグゼクティブ・プロデューサー:堀口良則
- プロデューサー:仙頭武則、古賀俊輔、岡野彰、追分史朗、鳥澤晋、石田基紀、宝田晴夫、鈴木ゆたか、町田和幸、高木徳昭
- 原作:林海象
- 音楽:めいなCo.、茂野雅道、會田茂一、小野川浩幸、渡辺秀文、Syn.、今野登茂子
- 主題歌:EGO-WRAPPIN'『くちばしにチェリー』
- 制作統括:中村哲也
- コンセプチュアルデザイン:種田陽平
- 助監督:小野寺昭洋、山本透、江良圭、藤江義正、吉見拓真、大崎章、杉山嘉一
- スタイリスト:大塚勇造
- ヘア:勇見勝彦
- メイク:AKEMI
- 広報∶高橋修之(日本テレビ)
- 制作:よみうりテレビ、PUG POINT・JAPAN
- 制作協力:サンダーボルト
- 制作著作:私立探偵 濱マイク プロジェクト
受賞歴
- 第34回ザテレビジョンドラマアカデミー賞
- 主題歌賞(EGO-WRAPPIN')
作品リスト(テレビドラマ)
話数 | サブタイトル | ゲスト | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 31→1の寓話 (7月 1日)[8] |
菅野美穂 香川照之 泉谷しげる 富田靖子 樋口可南子 他 |
青木研次 | 緒方明 | 13.5% |
2 | 歌姫 (7月 8日)[9] |
UA 伊武雅刀 財津一郎 木村充揮 桑原茂一 他 |
前田良輔 | 7.6% | |
3 | どこまでも遠くへ (7月15日)[10] |
岡あゆみ 武田真治 ピエール瀧 岸田今日子 小野愛 安藤盟 他 |
川崎慎三 井土紀州 |
萩生田宏治 | 8.1% |
4 | サクラサクヒ (7月22日)[11] |
石橋蓮司 南果歩 岸部一徳 宮内玲奈(MAX) 堀部圭亮 船木誠勝 マギー 他 |
ジェニー・チャン行定勲 益子昌一 |
行定勲 | 6.3% |
5 | 花 (7月29日)[12] |
窪塚洋介 南部虎弾 鳥肌実 ナンバーガール hitomi 南原清隆 浜村淳 他 |
宮城善彦 | 須永秀明 | 6.7% |
6 | 名前のない森 (8月 5日)[13] |
鈴木京香 大塚寧々 原田芳雄 津田寛治 樋口真嗣 菊池百合子 他 |
青山真治 | 6.1% | |
7 | 私生活 (8月12日)[14] |
石橋けい 片桐はいり 小林薫 鈴木砂羽 田中哲司 神津はづき 國村隼 岩松了 他 |
岩松了 | 5.5% | |
8 | 時よとまれ、君は美しい (8月19日)[15] |
渡瀬美遊 EITA 永澤俊矢 夏生ゆうな 柳ユーレイ 成田浬 他 |
薩川昭夫 | 石井聰亙 | 5.6% |
9 | ミスター・ニッポン〜21世紀の男 (8月26日)[16] |
勝村政信 派谷恵美 光浦靖子 林家ペー 林家パー子 松方弘樹 麻生祐未 杉本彩 キューティー鈴木 荒川良々 他 |
中島哲也 | 5.2% | |
10 | 1分間700円 (9月 2日)[17] |
浅野忠信 松村邦洋 モロ師岡 柄本明 北村有起哉 他 |
やまだないと | 竹内スグル | 4.3% |
11 | 女と男、男と女 (9月 9日)[18] |
田口トモロヲ 金山一彦 塚本晋也 東京スカパラダイスオーケストラ 杉本哲太 田中要次 石橋蓮司 片桐はいり 眞島秀和 碇由貴子 三原康可 他 |
Alex Cox | 4.6% | |
12 | ビターズエンド (9月16日)[19] |
SION 濱田マリ 尾藤イサオ 川越美和 塩見三省 桐谷健太 他 |
利重剛 | 5.0% | |
平均視聴率 6.54%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
その他(テレビドラマ)
放映開始日の7月1日には、同じくよみうりテレビ制作・日本テレビ系で放送中だったテレビアニメ『名探偵コナン』第284話「中華街・雨のデジャビュ(前編)」に、永瀬正敏が濱マイク役として出演を果たした(サングラス姿で登場して会話するだけで、事件解決には関与しない)[20]。
放送開始直前の6月8日から19日までの期間限定で、大阪心斎橋アメリカ村・ビッグステップに『濱マイク・カフェ』がオープンし、探偵事務所のセットや小道具などが展示され、関連グッズが配布された。
読売テレビ制作・日本テレビ系 月曜10時枠連続ドラマ | ||
---|---|---|
前番組 | 番組名 | 次番組 |
天国への階段
(2002年4月8日 - 6月24日) |
私立探偵 濱マイク
(2002年7月1日 - 9月16日) |
ナイトホスピタル
〜病気は眠らない〜 (2002年10月14日 - 12月16日) |
- ^ “永瀬正敏 「濱マイク」配信開始受け語るドラマへの思い 「才能」「ジャンルレス」「ミックス」”. 日刊スポーツ (2022年8月17日). 2022年8月17日閲覧。
- ^ BRUTUS No.308 1993年12月1日号 96頁
- ^ “映画『私立探偵 濱マイク』公式サイト - 30周年記念4Kデジタルリマスター”. 映画『私立探偵 濱マイク』公式サイト - 30周年記念4Kデジタルリマスター. 2023年7月29日閲覧。
- ^ 番組公式サイト(2002年8月7日)
- ^ 永瀬正敏オフィシャル・ポータル・ウェブサイト内『濱マイク』特設ページ(2002年12月5日)
- ^ 私立探偵 濱マイク CS日テレプラス(2017年9月15日)
- ^ 濱マイク大回顧展(横浜みなと映画祭2013)
- ^ 第1話
- ^ 第2話
- ^ 第3話
- ^ 第4話
- ^ 第5話
- ^ 第6話
- ^ 第7話
- ^ 第8話
- ^ 第9話
- ^ 第10話
- ^ 第11話
- ^ 第12話
- ^ “第284話「中華街雨のデジャビュ(前編)」”. 事件ファイル 名探偵コナン. 読売テレビ (2002年7月1日). 2021年4月11日閲覧。
- ^ “朗読劇「私立探偵 濱マイク」-我が人生最悪の時- 公式サイト”. 2023年10月21日閲覧。
- ^ “朗読劇「私立探偵 濱マイク」開幕、植田圭輔「佐藤流司が最強のハマり役」と絶賛”. ステージナタリー (2021年2月18日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ “舞台『私立探偵 濱マイク -我が人生最悪の時-』公式サイト”. 2022年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月21日閲覧。
- ^ “佐藤流司、熱望の「私立探偵 濱マイク」舞台化に「成功が約束されたような気持ち」と笑顔”. ステージナタリー (2022年11月16日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ “アクション・歌・ダンス交えて立ち上げる、佐藤流司主演の舞台「私立探偵 濱マイク」開幕”. ステージナタリー (2022年12月16日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ 宝島社 第1巻
- ^ 宝島社 第2巻
- ^ 宝島社 第3巻
固有名詞の分類
- 私立探偵 濱マイクのページへのリンク