新座市 地理

新座市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/28 01:07 UTC 版)

地理

埼玉県の最南端にあり、市のほぼ全域が武蔵野台地に位置する。東京都に隣接し、都心のベッドタウンとして住宅開発が進み、新座・朝霞・志木・和光の4市で形成する朝霞地区の中で最も人口が多い。新座駅北口では新座駅北口土地区画整理事業(2021年完了)、南口では新座駅南口第2土地区画整理事業(2019年完了)が行われており、市街地の整備が進む。さらに、北口では産業系企業誘致を目的として2016年に都市計画決定された大和田二・三丁目地区土地区画整理事業が2022年に完了した。また、都営地下鉄大江戸線の延伸によって馬場地区では新座中央駅(仮称)の建設が予定されており、大学・商業施設・医療施設などの整備が構想されている[1]

河川

柳瀬川が市内西部を、黒目川が市内東部を流れる。黒目川の栄地区付近に湧水妙音沢)があり、市から特別保全地区に指定されている。粘土質の土壌であるため、付近に陶芸工房が存在していた。ほかにも、市内数か所に湧水地点がある。

歴史

原始 - 古代

旧石器時代の遺跡は、黒目川流域両岸の台地上に群在し、市場坂遺跡、池田遺跡、嵯峨山遺跡などでナイフ型石器や細石刃が出土している。縄文時代には、嵯峨山遺跡、池田遺跡、新座遺跡、鎧田遺跡などで大集落が形成された。各期の土器や建物跡などが発見されている。

弥生時代の遺跡は、柳瀬川や黒目川流域を中心に市内では14か所で発見されており、新開遺跡では竪穴建物跡と方形周溝墓が発掘されている。古墳時代の遺跡も市内14か所で確認されており、新座遺跡では近畿地方で盛行した叩き目調整の土器、新開遺跡では東海地方の系譜をひく瓢型壷が採集された。前述の方形周溝墓、周辺地域の古墳出現と併せ、これらは、人々の移動や交流、階層分化の動きを示している。

天平宝字2年(758年)、奈良朝廷は、新羅の僧32人、尼2人、男19人、女21人を武蔵国に移し、新羅郡を置いた。朝鮮半島では、新羅がと連合して百済高句麗を滅ぼしたが、次第に唐と対立するようになり、多くの新羅人が渡来するようになったが、新羅と敵対関係にあった政権は新羅人を半島から僻遠の東国に居住させ、この地域の開発を進めるのが目的であった。新羅という名称は旧俗の号であったため[2]平安時代になって新座郡(爾比久良、にいくら)と改称された[3]承平年間(931年 - 938年)編纂の和名類聚抄で、新座郡の名前が初見される。和名類聚抄によれば、新座郡は志木郷と餘戸郷の2郷から成っていた。志木郷は現在の白子・新倉付近、餘戸郷は片山大和田付近とする説が強い。

中世 - 近世

中世には、南東部は片山郷、北西部柳瀬川沿いは大和田郷であった。両郷の初見史料(金沢文庫文書、観経玄義分聞集)は、両郷が国衛領(公領)の郷として存在していたことを示している。逆に、荘園(私領)の存在を示す史料は見つかっていない。

この頃、片山郷(本市内片山地区)に片山氏があった。片山氏は開発領主として同郷を名字の地とした武蔵武士であり、源頼朝が武蔵を掌握した1180年頃、その旗下に入った。以降、鎌倉御家人としての道を歩み、1213年和田合戦1221年承久の乱では幕府側につき活躍した。これにより、片山広忠は1222年に丹波和智庄(京都府船井郡和知町)の地頭職を給恩され、1238年より知行のため西遷した。また、片山秀康は伊勢阿下喜御厨の地頭となり子孫が西遷した。

1310年時宗二祖の他阿真教上人が、片山に法台寺を開祖。この頃の文化財として、法台寺に伝わる名号板碑群があり、当時の新座地域に在住した往生衆の存在を捉えている。1486年には京都聖護院道興が新座郡に来て、野寺鐘や野火止塚などを「廻国雑記」に記した。同記には、これ以外にも武蔵野各地や新座ゆかりの地名や人名が随所に見られ、中世新座を理解する上で貴重な史料である。

戦国時代には、滝山領に組み込まれ、北条氏照の支配下となった。

近世初頭には、大和田村、中野村、片山村の3か村が存在していたが、1661年、野火止新田の開発により、野火止、北野、菅沢、西堀の4か村が成立した。さらに、元禄年間(1688年 - 1703年)までに片山村が石神、堀之内、栗原、十二天、中沢、上片山(下中沢)、野寺、辻、原ヶ谷戸、下片山の10か村に分かれた。大和田村、中野村は芝山氏が知行し、片山村は「片山七騎」と呼ばれる中下級家臣の知行となった。1655年松平信綱安松金右衛門に命じて、玉川上水を分流し新河岸川に至る野火止用水を完成させた。

近代 - 現代

人口

2010年(平成22年)現在の平均年齢は、43.18歳(男42.34歳、女44.02歳)である。

新座市と全国の年齢別人口分布(2005年) 新座市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 新座市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

新座市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より



注釈

  1. ^ 新駅周辺地区におけるまちづくり構想を策定しました!
  2. ^ 国史大辞典、吉川弘文館
  3. ^ 新座市役所. “新座市のプロフィール”. 2011年1月1日閲覧。
  4. ^ 新座町を新座市とすることに伴う関係規程の整備に関する規程 - 新座市役所公式サイト
  5. ^ 任期満了日一覧”. 埼玉県庁 (2021年3月11日). 2021年11月15日閲覧。
  6. ^ 鉄腕アトムに「住民票」/埼玉県新座市、誕生日に」『SHIKOKU NEWS』四国新聞社、2003年3月19日。2023年12月9日閲覧。
  7. ^ 丹羽基二『姓氏の語源』角川書店、初版・昭和56年11月5日発行、再版・昭和61年11月10日発行、ISBN 4-04-061400-3、285頁。
  8. ^ a b レジャープールの今後のあり方について”. さいたま市都市局 みどり公園推進部 都市公園課. p. 10. 2023年11月26日閲覧。
  9. ^ 都営大江戸線、県内延伸の動き佳境 新座が誘致に熱…所沢など連携 - 埼玉新聞2015年11月2日
  10. ^ 広報にいざ2014年6月号 大江戸線を新座市へ
  11. ^ まちかど:市内循環バスが復活 愛称「にいバス」に--新座市 /埼玉毎日新聞:2009年10月7日(2009年10月9日閲覧)
  12. ^ 河合秀和『出身県別 現代人物事典 西日本版』サン・データ・システム 1980年、p.378
  1. ^ 敷地は新座市となっている
  2. ^ 敷地西部の一部は東京都清瀬市となっている






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