北斗星 (列車)
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概要
青函トンネル(津軽海峡線)が開業した1988年(昭和63年)3月13日に、初めて東京と北海道を乗り換えなしで直行する列車として運行を開始した。定期運行当時、走行距離 1,214.7 kmはJRグループが運行する定期旅客列車として、2005年(平成17年)3月1日に寝台特急さくらが廃止されて以降、当北斗星が廃止されるまでの間は最長距離であった。定期運行末期の段階では、臨時列車も含めた全旅客列車で、「トワイライトエクスプレス」に次ぎ、同一経路で運行される「カシオペア」と同順位の2位であったが、「トワイライトエクスプレス」の廃止後は1位となった。
運行開始当初は1日3往復が運行され、うち1往復は臨時列車扱いだった。1989年(平成元年)3月11日には3往復全てが定期列車となった。
1999年(平成11年)7月16日の「カシオペア」運行開始後は1往復が臨時列車に格下げされ、2往復の運行となった。また2008年(平成20年)3月15日以降は北海道新幹線建設工事に伴い、青函トンネルを含む津軽海峡線区間での夜間工事時間帯確保のため[2][報道 1][報道 2]、1往復の運行となった。
運行開始から25年以上を経てもなお、首都圏 - 北海道間相互の観光客需要を中心に根強い人気があった。2008年以降、1往復に減便されたことも相まって、特に繁忙期は個室寝台を中心に、1か月前の寝台指定券発売開始後すぐに売り切れることも多かった。しかし、車両の老朽化や北海道新幹線の走行試験が始まることなどを理由に、2015年(平成27年)3月14日のダイヤ改正をもって定期運行を終了した[報道 3][報道 4]。
但し、車両の全般検査(自動車で言う車検)の期間が残っていたため、同年4月2日からは臨時列車として、「カシオペア」と同様のダイヤを用いて2日に1便(始発駅基準)でカシオペアと交代する形で運行していた。個室寝台を倍加しロビーカーも1両分に組み替えられた。2015年8月22日札幌発[1]、翌23日上野着の列車をもって臨時運行も終了して27年半の歴史に幕を閉じた[3]。また国鉄時代より57年に亘って運行された「ブルートレイン」もその営業運転に幕を閉じることとなった[3]。
列車名の由来
天体の北斗七星・北極星が由来となっており、「夜行列車は天体名にちなむ」とかつての慣例や「宇宙的なイメージ」からとされる。急行「はまなす」・快速「海峡」とともに、一般公募により決定された[報道 5]。なお、一般公募で募られた候補は「北海」が得票数1位で、以下「タンチョウ」「オーロラ」などが続いたが、結局はわずか15票で108位の「北斗星」が採用された[4]。
架線電圧変更と存続問題
北海道新幹線開業により青函トンネルを含む約82kmが新幹線と在来線の共用走行区間となり、架線電圧が在来線用の20,000 V から新幹線用の25,000 V へと変更される[新聞 2][新聞 3]。
2013年11月6日、2015年度末(2016年春)に予定されている北海道新幹線開通に合わせ、同年度中に廃止される見込みであることが報道された[新聞 4]。北海道新幹線開業に伴う青函トンネルの架線電圧の変更に伴い従来の電気機関車が使えなくなり、JR北海道と東日本では代わりの機関車の新造予定もないため、夜行急行「はまなす」や寝台特急「カシオペア」とともに2016年3月に予定されている北海道新幹線開業前に廃止となる公算が極めて大きいとの見方から、存続問題に関心が集まっていた[新聞 5][5]。
2014年8月、北海道・青森県・岩手県の幹部が国土交通省を訪れ、寝台特急「カシオペア」や「北斗星」の存続をJR北海道などに働きかけるよう求める要望書を手渡した[新聞 2][新聞 3]。
2014年12月4日、「北斗星」を2015年3月14日のダイヤ改正で廃止する方向となったことが報道された。老朽化に加え北海道新幹線開通に関連して青函トンネル等の工事や走行試験が始まることが理由としている[新聞 6]。その後、同月19日に正式に廃止が発表された[報道 3][報道 4]。発表によれば、「引き続き設定が可能な時期(8月下旬頃)まで、臨時列車として運転いたします」とされ、記事のとおり8月の下旬にあたる8月23日上野到着を以て廃止となった。
2015年1月23日に最終運行日を同年8月22日札幌発にすること[報道 6][報道 7]および臨時列車化後は「カシオペア」と同様のダイヤで運行すること[注釈 2][6][7]が発表された。
廃止後の客車に関し、北海道編成は既に海外に譲渡・売却されたものを除き陣屋町に留置されていたが、2015年9月14日から解体が始まった。運行終了に前後して複数の譲渡希望があった[3]。東日本編成も結局、売却・譲渡された一部の車両を除き順次長野総合車両センターに向け廃車回送され、10月2日より解体が始まった。
注釈
- ^ 但し、東室蘭 - 札幌間は電化区間だがディーゼル機関車が牽引した。
- ^ 交通新聞社2015年4月号時刻表の臨時列車のページ。ただし、下り「カシオペア」が停車する一ノ関駅・盛岡駅は臨時化後も客扱いはない。
- ^ 函館本線長万部 - 小樽間の通称“山線”(室蘭本線は“海線”)にとっては、1986年の特急北海廃止以来の定期特急運行となった。他にカシオペアやトワイライトエクスプレス、臨時北斗なども運行されたが、いずれも全区間臨時扱いであり、区間迂回とは言え定期列車として通過した特急は本列車のみである。
- ^ 禁煙席および「北斗星3・4号」編成図については『JR時刻表』1988年3月号による。
- ^ 運用開始直後は国鉄色のDD51形が充当されていた。
- ^ 運用の都合で「北斗星2号」は前日の6月30日から増結されていた。
- ^ 運用の都合で「北斗星2号」は前日の8月31日から連結されていた。
- ^ 運用の都合で「北斗星2号」は前日の10月31日から連結されていた。
- ^ 同種の設備を有した車両は「トワイライトエクスプレス」にも存在した。こちらも参照されたいが、販売の扱いなどは通常の開放式B寝台に準ずるが、4人で同時に利用する場合には個室に準ずる扱いをした。なお、本項目の座席種別では「BC」の記号を用いる。
- ^ 運用の都合で「北斗星2号」は前日の9月30日から連結されていた。
- ^ 1・11号車は簡易個室「Bコンパート」である。
- ^ 禁煙席については、『JR時刻表』1999年10月号による。
- ^ JR北海道所属車はいずれも2008年4月2日付で廃車となり、同年11月25・29日に分けて新富士駅から川崎貨物駅へ回送された
出典
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