公道コース モータースポーツ

公道コース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/10 05:34 UTC 版)

モータースポーツ

公道レース(モナコグランプリ

モータースポーツにおいては閉鎖された常設の周回路(クローズド・サーキット)を使用したレースが主であるが、臨時的に閉鎖した公道を使う場合もある。

この場合、コースの周囲に広いスペース(エスケープゾーン)や安全フェンスやタイヤバリアを設けたり、緊急時の救助などのためコースサイドに監視員や救護員を常置したりする。またコースの要所には、走行不能になったマシンを速やかに場外に退避させるためのクレーンを設ける場合もある。また縁石はレース時のみ専用のものがコース内に設置されたり、縁石特有の赤白模様を路面に直接ペイントしたりすることで対処する。またレース時にはコース脇に仮設スタンドなどが作られ、観衆は主にスタンドなどコースからやや隔絶された箇所で観戦し、マラソンのようにコース脇の至近距離で直に観戦することは安全上の理由でまず行われない。

なお世界ラリー選手権(WRC)やダカール・ラリーに代表されるラリー/ラリーレイドでも公道が使用されるが、これらの多くは人里離れた未開の野山や広大な砂漠などがメインの舞台となることもあってか、一般に「公道レース」と呼ぶ場合はこれらのことは例外視され、含まれないことが多い。これらの競技では臨時に閉鎖したコースをタイムアタックするSS(スペシャルステージ)と、閉鎖されていない公道を一般車両に混じって次のSSまで移動するリエゾンの2つが組み合わされるが、マシンはリエゾンを走行するためにその国の公道車の法律を満たしているか、手続きの上で国から特別な許可を得る必要がある。

現状

F1では1980年代までは主にアメリカ合衆国を中心に多くの公道コースがシリーズに組み込まれていたが、上記のような安全性確保の問題などから、一時公道コースは減少する傾向にあった。しかし近年は技術の進歩により、公道コースでもコンピュータシミュレーションなどを駆使して常設サーキットと同等の安全性が確保できるようになったことなどから、主にチャンプカー・ワールド・シリーズなどが積極的に公道コースを使ったレースを開催している。

2014年から始まったフォーミュラEはプロモーションの都合上からほぼ全戦が市街地コースという珍しいレースであり、マシンの全幅はどの世代も同時代のF3マシンと比べて短く、狭い市街地コースでの追い抜きをしやすくなっている。

F1でも観客の利便性や盛り上がりを優先した結果、21世紀以降は公道コースを使ったレース数が増加する傾向にある。

2020年9月、日本初の公道コースによるレースとして、島根県江津市にて「A1市街地グランプリ」が開催された。但し、最高速度を60km/h程度に制限しての開催であった。日本では交通事故や住民の生活環境の悪化に厳しい目が向けられ、警察が公道レースの許可を出さないことから、公道コースでのレース実現は難しいとされていたが、2024年よりフォーミュラEの東京 E-Prix東京ビッグサイト周辺の公道を使用してレースを開催している。

主なコース

シンガポール市街地コース
マン島TTレース
自動車レース
モーターサイクルレース
かつて公道を含んでいたコース






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