ブラック・ジャック (テレビアニメ)
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ブラック・ジャック | |
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アニメ | |
原作 | 手塚治虫 |
監督 | 手塚眞 |
シリーズ構成 | 吉村元希 |
キャラクターデザイン | 神村幸子(メイン) 杉野昭夫、瀬谷新二、内田裕 西城隆詞、西田正義 |
音楽 | 松本晃彦 |
アニメーション制作 | 手塚プロダクション |
製作 | よみうりテレビ、手塚プロダクション |
放送局 | よみうりテレビ・日本テレビ系列 |
放送期間 | 2003年12月22日 2004年10月11日 - 2006年3月6日 2006年7月17日 |
話数 | 全61話 + スペシャル全2話 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | アニメ |
ポータル | アニメ |
概要
- 全63話(秘蔵版SPで放送されたエピソード2話を含む)。
- よみうりテレビ・手塚プロダクション制作。よみうりテレビ・日本テレビ系列にて『犬夜叉』に代わって2004年10月11日より毎週月曜日19時00分 - 19時30分の枠で放送されていた。改変時期の特番放送の為、前番組『犬夜叉』終了(2004年9月13日)から一カ月近く空いてスタートしている。
- 日本テレビ系アニメ初のハイビジョンアニメとして制作されている(当時地上波デジタル放送が開局済みだった東名阪エリアの日本テレビ・中京テレビ・制作局のよみうりテレビと、同エリア以外でいち早くデジタル放送を開局していた富山県の北日本放送の地上デジタル放送のみデジタルハイビジョン放送、以上4局の地上アナログ放送と当時デジタル放送が未開局だったそれ以外のネット局はサイドカットされたSD画質だった)。
- 2006年3月6日の放送『Karte61:二人のピノコ』をもって一旦終了した(ただし、最終話という告知そのものはなかった)。
- 2006年4月よりタイトルを『ブラック・ジャック21』に変更、一話完結のオムニバス形式ストーリーから連続ストーリーへと移行した。
- 2006年7月17日は本来なら休止であったが、PRIDE&SPIRIT 日本プロ野球「阪神対巨人」が中止となり、雨傘番組として『ブラック・ジャック 秘蔵版スペシャル』を放送。2006年3月までに放送されなかった2エピソード『ひったくり犬』、『樹海のかまいたち』が初放送された。
2005年8月から月に1巻のペースでavex modeよりDVD化されている。なお、秘蔵版SPで放送されたエピソード2話は『ブラック・ジャック21』のDVD-BOXに収録された(レンタル版は「ブラック・ジャック Vol.22」としてリリースされた)。
放送の自粛・延期
作品の性質上、災害や事件・人災を扱うことが多く、そのため放送予定の内容が実際に起こった災害や事件と偶然にも重なった場合、放送を自粛・延期することがあった。
例えば、2004年10月25日放送予定だった『Karte03:ひったくり犬』は、これからレギュラー出演する犬のラルゴのお披露目の回だったが、本編に地震のシーンがあったために放送2日前の23日に発生した新潟県中越地震の影響で放送延期となり、本来の放送日には第1回放送の『Karte00:オペの順番』を再放送した(なお、その冒頭の謝罪テロップでも文字が1字多いという誤りがあった)。
また、2005年5月23日放送の『Karte28:荒野の伝染病』は、元々『揺れる手術室』を放送した後、同月30日に放送予定だったが、『揺れる手術室』の「電車の振動で手術ができないというシーン」が放送前の4月25日に発生したJR福知山線脱線事故を連想させるとして放送延期となり、1話繰り上がって放送された。
『揺れる手術室』は2005年7月4日に、『Karte03:ひったくり犬』は2006年7月17日に放送された(この際、『Karte03:ひったくり犬』は『Special Karte:ひったくり犬』と表記された)。その後の讀賣テレビ放送での再放送時には『Karte03』表記に戻っている。
原作とテレビアニメとの相違点
※()内はモデルとなった原作。
- 「医者はどこだ!」
- デビィは生還の種明かしをした後、ニクラの追跡をまくため国外逃亡の前に、再びブラック・ジャックによる整形手術を受けることになる。
- 「U-18は知っていた」
- U-18がブラック・ジャックを本人かどうかを調べる100の質問で「本名は?」と聞かれた時に適当にはぐらかしているところが、はっきりと「間黒男だ!」と名乗っている。
- U-18がブラック・ジャックに「重要度の高い映像情報」として見せたのはただの中性的な顔立ちの人間だったのが、ワットマン博士最愛の亡き娘マリーになっている[1]。そして彼女にも引退宣言をするが、この映像のおかげで初心に返り「これからも支えていって」と断られている。
- 「オペの順番」
- イリオモテヤマネコの罠に付けていた餌が、ヒョウタンツギからカエルに変わっている。また、船で怪我人が出たのは、密猟者が銃を乱射した為ではなく、ケージから脱走したイリオモテヤマネコが船で暴れて揺れた為に変更されている。
- 訴訟が取り下げられた後、ピノコがお祝いでカレーをイリオモテヤマネコの前に置いて物語が終わるのが、島に返すところまでが描かれている。彼女の言葉「もっと増えるのよ」も逃がした直後にいっている。
- 「ひったくり犬」(万引き犬)
- ラルゴは死なず、(漫画版では死んでしまっていたが)この回以降ブラックジャックの元で飼われることとなる。詳しくは後述の登場人物を参照。
- 「ある教師と生徒」
- 久男の事故の原因が、自ら車に飛び込むことによる自殺未遂から目眩によって虚ろな状態の所を車に轢かれた不慮の事故に変更されている。
- 「白いライオン」
- ルナルナの治療をブラック・ジャックに依頼するのはアンゴラ共和国の外交官から、ルナルナが来園してからずっと世話をし続けている善良な老飼育員になっており、彼のルナルナへの想いにブラック・ジャックが根負けし引き受けている。
- ピノコにルナルナの病気の正体と今後を語る場所が居間からオペ室になっており、写楽も同席している。彼女達が手術をすればもうルナルナに会えなくなるのは嫌だとルナルナを抱いて部屋に立て籠った時のブラック・ジャックの説得が、まだピノコの出生が明らかになる前だったので分かりやすいものになっている。
- 「奇跡の腕」(二つの愛)
- 明の死亡原因が交通事故から火災に変更され、わずかに腕に火傷の跡も残っているように追加された。
- 「もらい水」
- おばあさんがいた建物が壊れ大勢の怪我人が出た理由が「朝方に大地震」から「夜中に大雨で土砂崩れ、電車が土砂に巻き込まれる」に変更。原作ではブラック・ジャックがおばあさんを心配して近くの旅館に泊まったが、アニメ版では一旦帰宅するものの土砂崩れのニュースを見たラルゴがおばあさんの危機を察知するという内容になっている。
- また、原作ではブラック・ジャックの台詞で終わっているが、アニメ版ではその台詞でおばあさんの息子夫妻が今までの振る舞いを反省し、ブラック・ジャックと共に手術をし意識を取り戻すまで描かれている。
- 「シャチの贈りもの」(シャチの詩)
- トリトンは死亡しない。原作では漁場を荒らしていたのはトリトンだが、アニメ版では別のシャチが荒らしておりトリトンはそのシャチから漁場を護っていたことになっている。
- 「海賊の腕」
- 一ノ瀬和男は和登、本間久美子の同級生になっており「イッチン」のニックネームは幼なじみの女の子、古河敏江だけが使っている。
- 「偽りのウェディング」(かりそめの愛を)
- 原作ではミチルと久磨の結婚式で終わっていたが、アニメでのエピローグは後日再会したミチルから来月に結婚する報告を受けるところで終わっている。
- 「声を失ったアイドル」(悲鳴)
- 朝戸レイが一ノ瀬と同様、和登、久美子の同級生の設定。また、彼女の声を失う原因が、友人達からのもらい笑いから合唱の練習で発声したことに変更されている。
- 「メールの友情」(ハローCQ)
- アマチュア無線ではなくパソコンでのチャットに変更されている。原作では手術を開始するところで終わったが、アニメ版では完治した二人のやり取りが追加されている。
- 「山手線の哲」
- 指の切断が事故に変更されている。哲が元マジシャンだったという設定も追加された。
- 哲が友引警部からスッたのが、彼の警察手帳からブラック・ジャックの逮捕状になっており、職場に忘れたのかもと勘違いし慌てて「Tom」を出たため、哲がやったことと気づいていない。
- 「春一番」
- 角膜の提供者の死因が殺人から事故に、手術後に見える男の正体が殺人者から提供者の恋人に変更される。そのためストーリー途中で男の正体を予想する内容も、原作では「もしかして男は運命の人では」と、アニメ版では「もしかして提供者は男に殺されたのでは」と逆の展開になっている。
- 「土砂降りのち恋」(土砂降り)
- 清水きよみが助かる。
- 「ナダレという挑戦」(ナダレ)
- ナダレに襲われた人は死亡していない。ナダレは撃たれた後、森に消える(生死不明)。
- 「そろばんの天才」(なんという舌)
- サリドマイドから指欠損症に変更される。
- 「最先端ルームの悲劇」(地下壕にて)
- 原作では口約束の報酬を反故にされブラック・ジャックが皮肉を言って終わっていたが、アニメ版では口約束の証拠があったので、冒頭の未払いの医療代金と共に報酬を手に入れている。
- 「命を生ける花」(命を生ける)
- 原作では手術のために移植用の遺体を用意したが、アニメ版では「世界中から情報を集めた」と言うだけで遺体や手術法などには一切言及されていない。また、家元達への説得にピノコの生い立ちの一部が語られ、祝賀会にはピノコに連れられてブラック・ジャックも立ち会っている。
- 「揺れる手術室」(震動)
- 旦那のイタズラの事故から、腹部解離性大動脈瘤に変更されている。
- 「病院ジャック」
- 病院占拠の目的が日本政府への要求から身代金目的(および病院に対しての復讐)に変更。重症患者は全員助かり、犯人のボスも逮捕後には改心している。
- 「岬の家は未完成」(やりのこしの家)
- 棟梁の白血病の原因が、原爆によるものと明言されていない。
- 「イルカと強盗団」(海のストレンジャー)
- イルカの生死については明言されていない。
- 「戦争はなおも続く」
- 戦争に行った患者の安否が明らかにされていない。
- 「文化祭の用心棒」(帰ってきたあいつ)
- ジョーズが死亡せず、彼も大穴高校の生徒になっている(和登達とはクラスが違う)。
- 「雪原のヴァイオリン」(ストラディバリウス)
- エスキモー関連の描写を全面的にカット。飛行機の航路や不時着場所など地名に関する明言もされていない。
- 「人面瘡の本音」(人面瘡)
- 依頼人は崖から転落するがブラック・ジャックが助け、その1年後に裁判を受ける。
- 「ロッカーのゆりかご」(赤ちゃんのバラード)
- クリスマスの出来事に変更され、終盤にマギーがピノコへユニコのマグカップをプレゼントするシーンが追加されている。
- 「ブラッククイーン」(ブラック・クイーン)
- クリスマスからフィアンセの誕生日に変更される。
- 「二人のピノコ」(ふたりのピノコ)
- ロミが死亡せず、作中内の病気が架空の金属による中毒症に変更。また公害あるいは公害病といった台詞・描写も全面的に差し替えられており、ロミの写真も医療雑誌にあった公害病患者の写真から、ロミが子供服のモデルをやっていた頃の写真に変更。
上記のほか、挙げていくと多数になる。このように、ゴールデン帯で放送するには厳しい表現が抑えられ、原作では死亡する人物が大幅に削減し、オペでの臓器露出も大部分がカットされている。また、原作で倫理的に問題のあると思われるキャラクターの言動や、病気や人物に関する説明の箇所にある言葉が、変更されたり削除されたりしている。
物語の進み方が現在進行形型から、ブラック・ジャックがピノコに自分の過去として語ったり思い出にふけるなど回想型に変更されている話もある[2]。
ブラック・ジャックとピノコの孤独が色濃く描かれているのに対し、写楽や哲などが彼らの親友、友人になっている[3]。また、ブラック・ジャックが1人だった話には、ほとんどピノコが登場している[4]。
- ^ そのため、ブラック・ジャックのワットマン博士への問い詰めも「結婚前か?」から、「子供はいないのか?」に変更されている(視聴者は彼女の回想で事前に知っている)。
- ^ 「時には真珠のように」、「ピノコ誕生」など
- ^ 続編『ブラック・ジャック21』第2話、3話はそれがより深く描かれており、最終回では帰国後真っ先に「Tom」を訪れている。
- ^ 例は「ブラック・ジャック2時間スペシャル ~命をめぐる4つの奇跡~」のKarte:4以外全て。
- ^ 正確には完治するまで2ヶ月間、「Tom」でコーヒーとミックスジュースをタダにすること。
- ^ 地震は原作ほど大きくなく、倒れてきた家屋の下敷きになって瀕死の重症を負った。
- ^ 4人中、このOPの間に本編に登場するのは琵琶丸で、如月恵(けい)は続編『ブラック・ジャック21』を合わせても登場しない。
- ^ a b c d e f g h i j k 苗字や名前はアニメ独自の設定。
- ^ 最終的に険悪になり、Karte07以降一切絡みがない。実際Karte33では写楽は学校を楽しんでいる様子だった。
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- 2 ブラック・ジャック (テレビアニメ)の概要
- 3 登場人物
- 4 本編終了後のコーナー
- 5 主題歌
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