アンパサンド アンパサンドの概要

アンパサンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/23 02:25 UTC 版)

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語源

The term ampersand is a corruption of and (&) per se and, which literally means "(the character) & by itself (is the word) and." The symbol & is derived from the ligature of ET or et, which is the Latin word for "and."
訳: アンパサンドという言葉は、and (&) per se and("&" という文字それ自体が "and" という言葉を意味する)が転訛したものである。& の記号は、ラテン語で "and" を意味する "ET" または et の合字が元になっている。
Geoffrey Glaister, Glossary of the Book[1]

英語で教育を行う学校でアルファベットを復唱する場合、その文字自体が単語となる文字("A", "I", かつては "O" も)については、伝統的にラテン語の per se(それ自体)を用いて "A per se A" のように唱えられていた[2][3]。また、アルファベットの最後に、27番目の文字のように "&" を加えることも広く行われていた。"&" はラテン語で et と読まれていたが、後に英語で and と読まれるようになった。結果として、アルファベットの復唱の最後は "X, Y, Z, and per se and" という形になった。この最後のフレーズが繰り返されるうちに "ampersand" と訛っていき、この言葉は1837年までには英語の一般的な語法となった[3][4][5]

アンドレ=マリ・アンペールがこの記号を自身の著作で使い、これが広く読まれたため、この記号が "Ampère's and" と呼ばれるようになったという誤った語源俗説がある[6]

歴史

アンパサンドの変遷 字形1から6
現代のアンパサンドはカロリング小文字体のものとほぼ同じ。右のイタリック体アンパサンドはより新しい et の合字が元になっている。
インシュラー体の et の合字。

アンパサンドの起源は1世紀の古ローマ筆記体にまで遡ることができる。古ローマ筆記体では、E と T はしばしば合字として繋げて書かれていた(左図「アンパサンドの変遷」の字形1)。それに続く、流麗さを増した新ローマ筆記体では、様々な合字が極めて頻繁に使われるようになった。字形2と3は4世紀中頃における et の合字の例である。その後、9世紀のカロリング小文字体に至るラテン文字の変遷の過程で、合字の使用は一般には廃れていった。しかし、et の合字は使われ続け、次第に元の文字がわかりにくい字形に変化していった(字形4から6)[7]

現代のイタリック体のアンパサンドは、ルネサンス期に発展した筆記体での et の合字に遡る。1455年のヨーロッパにおける印刷技術の発明以降、印刷業者はイタリック体とローマ筆記体のアンパサンドの両方を多用するようになった。アンパサンドのルーツはローマ時代に遡るため、ラテンアルファベットを使用する多くの言語でアンパサンドが使用されるようになった。

アンパサンドはしばしばラテンアルファベットの最後の文字とされることがあった。例えば1011年のByrhtferthの文字表がその例である[8]。同様に、"&" は英語アルファベットの27番目の文字とされ、アメリカ合衆国やその他の地域でも、子供達はアンパサンドはアルファベットの最後の文字だと教えられていた。1863年の M. B. Moore の著書 The Dixie Primer, for the Little Folks にその一例を見ることができる[9]ジョージ・エリオットは、1859年に発表した小説「アダム・ビード英語版」の中で、Jacob Storey に次のセリフを語らせている。"He thought it [Z] had only been put to finish off th' alphabet like; though ampusand would ha' done as well, for what he could see."[10] よく知られた童謡の Apple Pie ABC は "X, Y, Z, and ampersand, All wished for a piece in hand" という歌詞で締めくくられる。

アンパサンドは、ティロ式記号の et ("⁊", Unicode U+204A) とは別のものである。ティロ式記号の et は、アンパサンドと意味は同じだが数字の「7」に似た形の記号である。両者はともに古代から使用され、中世を通してラテン語の et を表すために使用された。しかし、アンパサンドとティロ式記号の et はそれぞれ独立に発明されたものである[11]。ラテン文字から発展した古アイルランド語の文字では、アイルランド語の agus(「…と…」)を表すためにティロ式記号の et が使用されていた。今日はゲール文字の一部として主に装飾的な目的で使用されている。この文字はアイルランドにおけるキリスト教時代初期に修道院の影響によって書き文字に加わった可能性がある。


  1. ^ Glaister, Geoffrey Ashall (1960). Glossary of the Book. London: George Allen & Unwin. https://archive.org/details/glosaryofbook0000unse . 引用元: Caflisch, Max. “The ampersand”. Adobe Fonts. Adobe Systems. 2013年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月17日閲覧。
  2. ^ Nares, Robert (2011) [first published 1822]. A Glossary. Cambridge University Press. p. 1. ISBN 9781108035996. https://books.google.com/books?id=n9bfivi9ti4C&pg=PA1 2021年4月17日閲覧。 
  3. ^ a b The ampersand”. word-detective. 2008年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月17日閲覧。
  4. ^ What character was removed from the alphabet but is still used every day?”. The Hot Word. Dictionary.com (2011年9月2日). 2021年4月17日閲覧。
  5. ^ "ampersand". Oxford English Dictionary (3rd ed.). Oxford University Press. September 2005. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。) (要購読契約)
  6. ^ この俗説の例は、 Jessie Bedford, Elizabeth Godfrey: English Children in the Olden Time, page 22. Methuen & co, 1907, p. 22; Harry Alfred Long: Personal and Family Names, page 98. Hamilton, Adams & co, 1883. などで見られる。
  7. ^ Jan Tschichold: "Formenwandlung der et-Zeichen."
  8. ^ Everson, Michael (1994年6月7日). “On the status of the Latin letter þorn and of its sorting order”. Evertype. 2021年4月18日閲覧。
  9. ^ The Dixie Primer, for the Little Folks”. Branson, Farrar & Co., Raleigh NC. 2021年4月18日閲覧。
  10. ^ Eliot, George. “Chapter XXI”. Adam Bede. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/files/507/507-h/507-h.htm#link2HCH0021 2021年4月18日閲覧。 
  11. ^ Ampersand”. The Online Etymological Dictionary. 2021年4月18日閲覧。
  12. ^ a b c d e A Visual Guide to the Ampersand (Infographic)”. Six Revisions. 2021年4月18日閲覧。
  13. ^ Cajori, Florian (1928). “Origin and meanings of the signs + and −”. A History of Mathematical Notations, Vol. 1. The Open Court Company, Publishers. https://archive.org/details/in.ernet.dli.2015.200372 


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