はんだ付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/29 10:35 UTC 版)
工場でのプリント基板のはんだ付け
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工場でのプリント基板のはんだ付けの方法には、大きく分けてフロー方式とリフロー方式がある。
- フロー方式(Flow方式)
- はんだ槽に溶かしておいたはんだの表層に、プリント基板の下面を浸すことによってはんだ付けを行う方法。主に脚付き部品(手差しライン含む)に使用するが、表面実装部品を両面実装する場合にも使われる。この場合は部品が落ちないようにあらかじめディスペンサを使用して基板に接着剤塗布を行い、仮固定しておく。
- はんだ槽のタイプには、はんだ液面を動かさない静止槽(DIP方式)と、はんだ液面に波を立てる噴流式(フロー方式)はんだ槽とがある。
- 噴流式は83年頃からの登場。
- 現在ではフロー方式の噴流はんだ槽もDIP槽と呼ぶ場合が一般的。
- リフロー方式(Reflow方式)
- プリント基板上にはんだペースト(はんだの粉末にフラックスを加えて、適当な粘度にしたもの)を印刷し、その上に部品を載せてから熱を加えてはんだを溶かす方法。SMT(表面実装技術)と呼ばれ、表面実装型の部品に用いる。部品の小型化・高密度実装化の進展に伴い、この方式が主流となり、改良が行われている。アルミ電解コンデンサなどの部品も、小型化・耐熱化が図られ、リフロー方式に対応するようになっている。加熱方法には、赤外線式や熱風式などがある。
- 実際の手順は以下のように行われる。
- 部品の接合する予定部分にはんだペーストを塗布する。通常は、穴の空いたステンレス製の型紙(メタルマスク・ステンシル)上で、スキージ(へら)を使ってはんだペーストをしごくことにより、必要箇所に一定の厚さで転写を行う。これを自動で行う装置がクリームはんだ印刷機である(ガリ版印刷やスクリーン印刷と同じ方式である)。
- 塗布された部分に部品を実装する。通常は、NC制御のチップマウンタ(表面実装機、部品装着機)で行う。基本的には微小チップ部品から実装を行い、QFP等の大型部品は最後に実装する。
- プリヒート=リフロー炉の中で、基板と部品を予熱する(一般的には150℃から170℃程度)。予熱の目的は部品への急激な熱衝撃の緩和、フラックスの活性化促進、有機溶剤の気化などがある。
- 本加熱=はんだが溶ける温度まで、短時間高温にする(一般的には220℃から260℃)。はんだの成分組成により溶融温度が異なるが、鉛フリーはんだの場合高温にする必要がある。高温になると金属表面の酸化が進行し濡れ性が悪くなる。また、耐熱保証温度が低く鉛フリー工法には適さない部品もあるので、事前に確認が必要である。
- 冷却=自然冷却が一般的だが、部品への熱ストレス時間を短縮する為にも急激に冷却することが推奨されている。特に鉛フリーはんだを使用する場合は引け巣発生防止のためクーラーでの急冷が必要。
- これらのほとんどが自動化されている。
- 特に集積度が高く多くのピンを持つICでは、リードレスタイプのパッケージが多用されている。BGA (Ball Grid Array)と呼ばれる、IC側にボール状のはんだがあらかじめ形成されたパッケージが使われることがあるが、この場合も基本的にはリフロー方式で行われる。
- 1 はんだ付けとは
- 2 はんだ付けの概要
- 3 工場でのプリント基板のはんだ付け
- 4 電気・電子回路のはんだ付けに関する用語
- 5 ステンドグラスのハンダ付け
- 6 他
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