試金石
試金石とは、物事の本当の価値や成否の行方などを見極めるための指標となる事柄、という意味で用いられる表現。それまでは暫定的であった評価を決することになる、判定基準となる事。「今後の成否の行方を占う試金石となる」といった言い回しで用いられることが多い。
試金石は、人の能力、商品の価値、あるいは計画の成否などについて、これで評価が決まるという出来事を指す表現である。文脈にもよるが「真価が問われる」「真の実力が試される」「成否の分かれ目となる」「分水嶺となる」といった意味合いを込めて用いられる。
試金石の例文
試金石の語源
試金石は、もともと、金などの純度を調べるために使用された鉱石を指す言葉である。試金石はシリカなどを含む石英質の黒色の硬い岩石である。これを金に擦り付けて生じた条痕の様子を、標本と照らし合わせると、かなりの精度で金の純度が判別できるという。しきん‐せき【試金石】
試金石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/01 02:52 UTC 版)
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試金石(しきんせき、英語: touchstone)とは、金の品質を計るために用いられる主に黒色の石英質の鉱石の別称。
一般的には、緻密な粘板岩であり碁石などの材料として用いられる那智黒石を指す[1]。
使用方法
試金石は黒の色調が一様な石板で、手札金・手本金と呼ばれ指標となる金品位が証明済みかつ金純度が異なる数種類の金の棒と、試薬の濃硝酸とのセットで用いられる。試験標本と手本金で数本石の上にこすり線(条痕)を描き、その色を比較する。さらに詳細に測る場合は微量の濃硝酸で条痕を洗い、残り具合を見て判断することもある。金自体は、王水と呼ばれる硝酸と塩酸の混合物でのみ常温で溶解し、単独の酸には溶解しない。その一方銀や銅といった他の不純物は濃硝酸でも溶ける。この違いを利用して、金の純度をはかる。
熟練者であれば%(パーセント)オーダーの品位を鑑定することが可能であり、実際に江戸時代の金座で鑑定を担当した役方(やくがた)による鑑定品位は、現在の近代的化学分析による分析値とほとんど一致している[2]。
以上のような特徴から簡便に検査が行えるため、現在においても簡易試験用に用いられることがある。
歴史
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用例としての「試金石」
以上のような試金石の性格から転じて、実験的・試験的な要素がうまく行くかどうかを見極めるために行う事柄のことを「試金石」と呼ぶ。また、物事を判断する基準(指標)の意味で用いられることもある。
脚注
参考文献
- 木下亀城、小川留太郎『標準原色図鑑全集 岩石鉱物』保育社、1967年1月。ISBN 4586320060。
- 三上隆三『江戸の貨幣物語』東洋経済新報社、1996年3月。 ISBN 449237082X。
関連項目
- 前哨戦 - 戦争において、本格的な大規模戦闘の前に行われる小規模な戦闘のこと。『試金石』と似たような使い方をする場合がある。
「試金石」の例文・使い方・用例・文例
試金石と同じ種類の言葉
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