もくてき‐ご【目的語】
目的語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 05:37 UTC 版)
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目的語(もくてきご、ラテン語: objectum)は、文の構成素、文の成分の一つ。客語(きゃくご、かくご)、賓語(ひんご)、対象語と呼ぶ場合もあるが、注意を要する。
ロマンス諸語では目的補語と呼ぶことが多い。日本語ではおもに助詞「を」や「に」で示される。目的語を示す格を目的格と呼ぶ。
行為の直接的な対象を表す直接目的語(主として対格、日本語では「を」等で示される)と、その行為によって間接的に影響を受ける対象を表す間接目的語(主として与格、日本語では「に」等で示される)に分類される。
英語
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英語においても、日本語に直訳した場合に「……を」・「……に」の「……」に相当する語、句または節と理解して大きな間違いはないが、動詞の語法や文型との兼ね合いから若干の注意が必要となる。というのは、英語には助詞がなく、それに相当する役割を動詞の語法(文型)と前置詞の組合せが担っており、それとの兼ね合いが問題となるからである。
ここでは、目的語を「動詞の目的語」と「前置詞の目的語」に分類して説明する。目的語になれるのは、名詞・動名詞・不定詞・代名詞(名詞句・名詞節を含む)である(動詞の目的語か前置詞の目的語かによらない)。代名詞のうち、人称代名詞・疑問詞・関係詞は目的格をとる。
以下では基本5文型に従い、次の例文を用いて説明する。
- I go to school. (S+V: 第1文型) 私は学校 に通う。
- I love you. (S+V+O: 第3文型) 私はあなた を愛する。
- He gave you a lot of money. (S+V+IO+DO: 第4文型) 彼はあなた にたくさんのお金 をあげた。
- This news made me sad. (S+V+O+C: 第5文型) そのニュースは私 を悲しませた。
上記の例文において S は主語、V は動詞、C は補語、O・IO・DOは(動詞の)目的語・間接目的語・直接目的語の略称である。ここでは第2文型 (S+V+C) は挙げていない。
前置詞の目的語
まず、上記の例文 1. の直訳は、「私は学校に通う」である。この場合、 “to school”は「学校に」と直訳されるが、これを「動詞 go の目的語」とは考えない。このように、「……を」・「……に」に相当する語句であっても、to, in などの前置詞を伴ってはじめて「……を」・「……に」という意味を成す場合には[注釈 1]、「動詞の目的語」とは考えない。この例文における“to school”の“school”は「前置詞 to の目的語」である。一般に、前置詞に続く名詞・動名詞・代名詞(名詞句・名詞節を含む)が前置詞の目的語である。
動詞の目的語
第2文型以外で、動詞の直後に、前置詞を置かずに現れる名詞または代名詞は、動詞の目的語である。ただし、動詞とその名詞または代名詞との間に、それを修飾する形容詞や、形容詞をさらに修飾する副詞、および限定詞(冠詞など)を伴うことがある。それらの場合でも、前置詞は挟まない。
- 例文 2. において、 “you”は動詞 love の目的語である。
- 例文 3. において、 “you”は動詞 give の間接目的語 (IO)、 “a lot of money”は動詞 give の直接目的語 (DO)である。
- 例文 4. において、 “me”は動詞 make の目的語である( “sad”は目的格補語である)。
ドイツ語
ドイツ語では、与格(Dativ、3格)の目的語を間接目的語(Dativobjekt、3格目的語)、対格(Akkusativ、4格)の目的語を直接目的語(Akkusativobjekt、4格目的語)と呼ぶ。冠詞、形容詞、代名詞などの格変化において、与格と対格を区別する。
他動詞とは直接目的語をとる動詞のことをいい、それ以外の動詞は自動詞と呼ぶ。例えば、 “Ich liebe dich.” (英語: “I love you.”) における dich は対格であり、したがって liebe (不定形: lieben)は他動詞である。一方、 “Er half dir.” (英語: “He helped you.” )における dir は与格であり、したがって half (不定形: helfen)は自動詞である。
また、目的語を文頭に置いた場合、主語は動詞の次に置かれる(V2語順)。
- Ich liebe dich. → Dich liebe ich.
- Er half dir. → Dir half er.
通常、目的語と副詞が動詞の後ろに並ぶときは、副詞、目的語の順に並ぶ。
- Ich lese nachts das Buch. (英語: I read the book at night. )
脚注
注釈
- ^ to 不定詞(to に続くのが動詞)はこれに含まない。ただし、不定詞には副詞的用法もあり、この場合は動詞の目的語ではない。
関連項目
「目的語」の例文・使い方・用例・文例
- 直接目的語
- 次の動詞はto不定詞だけを目的語にとります。
- 動詞には目的語をとらない自動詞と、目的語をとる他動詞があります。
- 完全自動詞は補語も目的語もとらない。
- 実は、have 目的語 doneは使役じゃない場合が多い。
- 目的語は、日本語では主に「に」や「を」で示される語。
- 英語の文構造は大抵、主語、動詞、目的語/補語だ。
- 英語では動詞が目的語の前に来る。
- 直接目的語 《たとえば She gave him a watch. における a watch》.
- 非人称の ‘it' 《時間・環境・距離などの非特定の主語[目的語]を表わす it》.
- 間接目的語 《たとえば She gave him a watch. における him》.
- 直接[間接]目的語.
- 形式目的語.
- 英語にては動詞が目的語の先に立つ
- 英語にては動詞が目的語に先立つ
- 直接目的語なしで、動詞『drink(飲む)』を自動詞で使うことができる
- 目的語を取り除くことは、動詞を自動詞化する
- 意味を完成するために直接目的語を必要とする動詞を示す
- 直接目的語をとることのできないまたはそれを要求できない動詞を指定する
- 直接目的語の自然の機能、あるいは特有な機能により含意され、制限される事象を開始する
目的語と同じ種類の言葉
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