不正選挙とは? わかりやすく解説

不正選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/06 13:47 UTC 版)

不正選挙(ふせいせんきょ)は、票の集計の改竄や立候補・投票の妨害などがなされ、その根幹の部分が捻じ曲げられた選挙のこと。

概説

買収供応脅迫・有力候補の立候補資格停止・票数の意図的な読み違えなどにより、その建前通りに執行されていない選挙を指す。選挙執行権と警察権を保持する政府・与党を有利にするための干渉が典型例である。開発途上国では、複数政党制を標榜していても、常態化している場合が少なくない。不正選挙が常態化している国では、有力野党候補が投獄もしくは暗殺される危険性が高い。また、不正選挙が明白である場合、有権者が選挙結果に不満を持ち、事実上の独裁者を実力で打倒する場合もある。秘密投票が保障されていない不正選挙では不正が発覚することもあるが、秘密投票の場合には性質上不正があっても発覚しない。公開投票制では体制側が反体制勢力を把握できるために、体制に批判的な有権者が意に反して体制側に投票する事例も出てくる。

戦前の日本では、買収などの選挙不正の容疑を名目とし、野党候補者やその運動員が、与党支配下の警察によって投票日前に拘束される選挙干渉が多発した。そのため、戦後には選挙違反の摘発は投開票終了後に行うという慣行がある。

実例

過去の有名な不正選挙としては、1927年に実施されたリベリアの大統領選挙ギネスブックで「史上最も不正があった選挙」として登録[1])、1960年に実施された韓国の大統領選挙[2]四月革命で無効化)、1986年に実施されたフィリピンの大統領選挙英語版ピープルパワー革命フェルディナンド・マルコス亡命)、2004年に実施されたウクライナの大統領選挙(各国の監視下で約1か月後に再選挙を実施)などがある。

日本

タイ

軍事政権下のタイ王国では、2019年の総選挙で不正選挙疑惑が発生し「不正選挙はいらない」「選挙管理委員会のメンバーは辞任しろ」と主張するデモ活動が起きている[3]。アジアの選挙監視団「自由な選挙のためのアジアネットワーク(ANFREL)」は、選挙が軍政側に有利であったとしたが、不正選挙が行われたかどうかについては、明言を避けた[4]

脚注

注釈

出典

  1. ^ Academic Report on The Grass-roots of Conflict in Liberia”. Senegambia News. 2011年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月31日閲覧。
  2. ^ 尹景徹『分断後の韓国政治-1945~1986-』木鐸社
  3. ^ タイ、不正選挙と学生ら抗議 投開票から1週間
  4. ^ タイ総選挙戦は軍政に有利、監視団が指摘 不正認定はせず

関連項目


不正選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 05:44 UTC 版)

エドゥサ革命」の記事における「不正選挙」の解説

このような状況下に置かれマルコス大統領は、国民の不満を解消することや国際社会からの非難をかわすことを目的に、まだ任期残っていたにもかかわらず1986年初頭大統領選挙を行うことを発表した。そこに立候補したコリー徹底して反マルコスキャンペーンを行いフィリピン全土回って支持訴え国民大多数支持訴えた大統領選挙中、マルコス支持派は「マルコス・パ・リン(まだマルコス大統領続けてほしい)」と、対抗するアキノ派は「タマ・ナ(もううんざり)」、「ソブラ・ナ(やりすぎだ)」と応酬繰り返した1986年2月7日投票が行われ、開票結果民間選挙監視団体「自由選挙のための全国運動英語版)(NAMFREL)」や公式な投票立会人らが、「最終得点アキノが約80票差で勝利した」と示したものの、マルコス大統領影響にあった中央選挙管理委員会公式記録は「マルコスが160票の差で勝利した」と発表した

※この「不正選挙」の解説は、「エドゥサ革命」の解説の一部です。
「不正選挙」を含む「エドゥサ革命」の記事については、「エドゥサ革命」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「不正選挙」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「不正選挙」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「不正選挙」の関連用語

不正選挙のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



不正選挙のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの不正選挙 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのエドゥサ革命 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS