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ヨハン・ブレーク

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/25 01:59 UTC 版)

ヨハン・ブレーク
2012年撮影
選手情報
国籍 ジャマイカ
競技 陸上競技
種目 100m, 200m
所属 レーサーズトラックラブ
生年月日 (1989-12-26) 1989年12月26日(36歳)
生誕地 ジャマイカセント・ジェームズ教区
身長 180cm
体重 80kg
自己ベスト 100m: 9秒69(2012年8月)
200m: 19秒26(2011年9月)
400m: 46秒32(2013年3月)
獲得メダル
陸上競技
ジャマイカ
オリンピック
2012 ロンドン 4×100mリレー
2016 リオデジャネイロ 4×100mリレー
2012 ロンドン 100m
2012 ロンドン 200m
世界陸上競技選手権大会
2011 大邱 100m
2011 大邱 4×100mリレー
世界リレー
2014 ナッソー 4×100mリレー
2014 ナッソー 4×200mリレー
2017 ナッソー 4×200mリレー
コモンウェルスゲームズ
2018 ゴールドコースト 100m
2018 ゴールドコースト 4×100mリレー
世界ジュニア陸上競技選手権大会
2006 北京 4×100mリレー
2008 ビドゴシチ 4×100mリレー
2006 北京 100m
パンアメリカンジュニア陸上競技選手権大会
2007 サンパウロ 100m
2007 サンパウロ 4×400mリレー
アメリカ大陸
IAAFコンチネンタルカップ
2018 オストラヴァ 4×100mリレー
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ヨハン・ブレーク(Yohan Blake、1989年12月26日 - )は、ジャマイカの陸上競技選手、2011年世界陸上競技選手権大会男子100m金メダリスト。男子100mのジャマイカジュニア記録保持者である。日本語ではヨハン・ブレイクとも呼ばれる[1]

100m9秒69の自己記録は2022年6月現在、ウサイン・ボルトに次ぐ世界歴代2位タイ記録、200m19秒26の自己記録もウサイン・ボルトに次ぐ世界歴代2位の記録である[2]。レーサーズトラッククラブに所属し[3]、ウサイン・ボルトとダニエル・ベイリーの練習パートナーを務め[4]、ともにグレン・ミルズの指導を受けている[5]

経歴

ブレイクはセント・ジェームズ教区に生まれた。スパニッシュ・タウンにあるセント・ジャゴ高校に通った。2007年4月、タークス・カイコス諸島で行われたカリブ海貿易自由協定競技大会で100m10秒11のジャマイカジュニア記録を樹立した[6]。この大会では200mをも制したほか、4×100mリレー4×400mリレーにもメンバーとして出場し大会記録を更新して優勝を飾った[7]。2009年5月、ニューヨークで行われたリーボックグランプリ100mBで優勝した[8]。同7月には、ローマで行われたIAAFゴールデンリーグゴールデンガラに出場し9秒96を記録して、19歳196日時点に10秒の壁を当時の史上最年少で突破[9][10]タイソン・ゲイアサファ・パウエルに次ぐ3位に入った[11][9][10]

2009年世界陸上競技選手権大会前の7月に行われたジャマイカ国内のドーピング検査で、同国のマービン・アンダーソンらと共に興奮剤(4-メチル-2-ヘキサンアミン)の陽性反応を示した[12][13]。ジャマイカ反ドーピング連盟 (JADCO) が組織する裁定委員会は、検出された薬物が世界アンチ・ドーピング機関の指定禁止薬物リストに記載されていないことを理由に、ブレイクに対してドーピング違反の判断をすぐに下さなかった。しかしながらJADCOは指定禁止薬物ツアミノヘプタン (tuaminoheptane) に似た構造の薬物を摂取しないように選手が自制すべきであるとした[14]。委員会の裁定は世界選手権後に下される予定であったためにジャマイカ陸連はブレイクらを同選手権の代表から外した[15]。2009年9月、ブレイクと3名の選手に3ヶ月の出場停止処分が下された[16]

2011年8月28日、2011年世界陸上競技選手権大会男子100mで決勝まで勝ち進んだ。決勝はチームメイトのボルトがフライング判定を受け失格となり、9秒92の記録でウォルター・ディックスらを下して優勝を飾り世界選手権の金メダルを獲得した。9月4日、男子4×100メートルリレー決勝に第3走者として出場し、37秒04の世界新記録で優勝した[17]。世界選手権後の9月8日、ヴェルトクラッセチューリッヒ100mに出場して9秒82の記録で優勝。9月16日にブリュッセルで行われたIAAFダイヤモンドリーグ最終戦のメモリアルヴァンダム200mでは、スタートのリアクションタイムが出場選手9人の中で最も遅い0秒269[18][19]であったが、世界歴代2位となる19秒26を記録し優勝した。同12月、ジャマイカ陸上連盟 (JAAA) により、2011年のジャマイカ最優秀選手に選ばれた[20]

2012年6月29日、100mでボルトに勝利してジャマイカのオリンピック選考会を突破し[21]、同8月5日ロンドンオリンピック100m決勝では、ボルトに次ぐ9秒75(自己ベストタイ)で銀メダルを獲得した[22]。続く8月9日の200mでもボルトに敗れ銀メダル。8月11日の4×100mリレー決勝では第3走者として出場し、36秒84の世界新記録で金メダルを獲得した。

2013年4月、ジャマイカで行われた大会の100mでハムストリングスを痛めてしまう。前回大会100mを制しているため2013年世界陸上競技選手権大会同種目の出場権は既に持っており、ジャマイカ選手権(選考大会)などを欠場して回復に努めた。しかし、このまま出場しても良いパフォーマンスが期待できないとして、7月に世界選手権の欠場を発表した[23]

2014年5月、世界リレーに出場し、怪我のため代表に選ばれなかったボルトに代わり4×100mリレーと4×200mリレーのアンカーを務めた。4×200mリレーでは決勝で1分18秒63をマークし、1994年にカール・ルイス擁するサンタモニカトラッククラブが樹立した1分18秒68の世界記録を0秒05更新して優勝すると、4×100mリレーも制して2冠を達成した。幸先の良いシーズンのスタートを切ったように見えたが、6月14日のIAAFダイヤモンドリーグ第6戦のアディダスグランプリ100mは10秒21(-1.9)の2位、7月3日のIAAFダイヤモンドリーグ第7戦のアスレティッシマ200mでは20秒48(+1.2)の6位と惨敗すると、7月11日のIAAFダイヤモンドリーグ第9戦のグラスゴー大会100mでハムストリングスを再び痛めてしまう。後日手術を受けて松葉杖生活を送ることになり、シーズンの残りは欠場となった[24]

2015年6月、2015年世界陸上競技選手権大会に出場するためジャマイカ選手権100mに出場するも、10秒36(-1.3)の準決勝全体9位で決勝に進めず、2011年大会以来の世界選手権出場は叶わなかった[25]

2016年4月16日、100mで今季世界最高記録および2012年以来の9秒台となる9秒95(+1.4)をマーク[26]。7月のジャマイカ選手権は100m準決勝を9秒95(+0.4)で突破すると、決勝は当初フライングの判定が下ったが、抗議の結果判定が覆り9秒95(+0.7)で優勝[27]。200mは予選で20秒29(+1.0)、決勝は20秒29(-1.5)と、両ラウンドで2013年以降の自己最高記録をマークして優勝し、4年ぶりにスプリント2冠を達成した(ボルトは怪我のため100m決勝と200m予選を棄権)[28]8月19日リオデジャネイロオリンピック4×100mリレーの2走で出場、チームは金メダルを獲得した[29]

2017年8月4日、2017年世界陸上競技選手権大会・男子100mの予選に出場、組2着で準決勝進出をする。8月5日、準決勝組1着で決勝進出を果たし、3大会ぶりの世界選手権で雪辱を果たすが、決勝では3位のボルトに0秒04届かず、前年のオリンピック決勝と同じ結果になった。8月12日、男子4×100mリレーでは、決勝のみ3走として出場したが、アンカーのボルトが左足を痛めたため途中棄権。5大会連続金メダルだけでなく、メダル獲得にも届かなかった。

100mで9秒69、200mで19秒26というベスト記録を持っているが、2013年の故障以降は個人種目のメダル獲得はない。

人物・エピソード

  • 貧困家庭出身。空き缶を集めて売って学費を稼いだり、家に水がないため遠くからバケツに入った水を頭に置いて運ぶなどの生活を送っていた[30]
  • 2011年に「ヨハン・ブレイク財団(YB Afraid Foundation)」を設立。キングストン郊外に寄宿舎を建設し、貧困家庭の子供や孤児たちにスポーツや勉強などの学ぶ場を提供している[30]
  • 練習の鬼として知られ、他の選手が休んでいる中でも一人黙々と凄い形相で練習をしている。そんなブレイクもマイケル・ジャクソンが亡くなった時は1週間練習を休んだという[31]
  • かつてはビースト(野獣)の愛称を持っていた。名付け親はウサイン・ボルトで、レポーターたちに「奴はトレーニングでビーストになるんだ」と言っていたのが定着したという[32]。しかし、2016年にビーストの愛称を返上した[33]
  • 趣味はクリケット。16歳の時に陸上競技をメインにするまでクリケットもやっていたことから[34]、現在も暇さえあればクリケットをするほど大好きで、自宅にはクリケットのボーリングマシーンがある。将来は29歳で陸上競技を辞め、クリケットの選手になる計画を立てている[35]

自己記録

  • 60m:6秒75(2008年2月1日)
  • 100m:9秒69(-0.1m/s)(2012年8月23日、世界歴代2位
  • 200m:19秒26 (+0.7m/s)(2011年9月16日、世界歴代2位
  • 400m:46秒32(2013年3月23日)
  • 4×100mリレー:36秒84(2012年8月11日、世界記録
  • 4×200mリレー:1分18秒63(2014年5月24日、世界記録

主な成績

大会 場所 順位 種目 記録 備考
2005 世界ユース陸上競技選手権大会 マラケシュ 7位 100m 10秒65(+0.8)
予選 メドレーR 1分54秒47(1走)
2006 中央アメリカ・カリブジュニア
陸上競技選手権大会(U20)
ポートオブスペイン 1位 100m 10秒33(+1.5)
1位 200m 21秒02(+1.4)
1位 4×100mR 40秒49(4走)
2006 世界ジュニア陸上競技選手権大会 北京 3位 100m 10秒42(-0.5)
1位 4×100mR 39秒05(4走)
2007 パンアメリカンジュニア
陸上競技選手権大会
サンパウロ 2位 100m 10秒34(-1.1)
決勝 4×100mR DNF(4走)
3位 4×400mR 3分06秒17(4走)
2008 世界ジュニア陸上競技選手権大会 ビドゴシチ 4位 100m 10秒51(-0.8)
2位 4×100mR 39秒25(4走)
2011 世界陸上競技選手権大会 大邱 1位 100m 9秒92(-1.4) 最年少金メダリスト記録[36]
1位 4×100mR 37秒04(3走) 世界記録
2012 ロンドンオリンピック ロンドン 2位 100m 9秒75(+1.5) 自己ベストタイ
2位 200m 19秒44(+0.4)
1位 4×100mR 36秒84(3走) 世界記録
2014 世界リレー ナッソー 1位 4×100mR 37秒77(4走)
1位 4×200mR 1分18秒63(4走) 世界記録
2016 リオデジャネイロオリンピック リオデジャネイロ 4位 100m 9秒93(+0.2)
準決勝 200m 20秒37(-0.2)
1位 4×100mR 37秒27(2走)
2017 世界リレー ナッソー 予選 4×100mR DNF(4走)
3位 4×200mR 1分21秒09(4走)
世界陸上競技選手権大会 ロンドン 4位 100m 9秒99(-0.8)
準決勝 200m 20秒52(-0.3)
決勝 4×100mR DNF(3走)
2018 コモンウェルスゲームズ ゴールドコースト 3位 100m 10秒19(+0.8)
3位 4×100mR 38秒35(4走)
IAAFコンチネンタルカップ オストラヴァ 8位 100m 11秒99
1位 4×100mR 38秒05(3走)
2019 世界陸上競技選手権大会 ドーハ 5位 100m 9秒97(+0.6)
準決勝 200m 20秒37(-0.1)
予選 4×100mR 38秒15(3走)

脚注

出典

  1. ^ 海外男子注目選手|TBSテレビ:世界陸上韓国テグ:選手情報
  2. ^ 200 Metres All Time - IAAF
  3. ^ ボルト率いるリレーチーム、38秒08の大会記録で優勝 - PUMA
  4. ^ Bailey edges Blake 9.97 to 9.98 in Strasbourg - IAAF
  5. ^ <大邱世界陸上>100m優勝のブレークに中央日報が単独インタビュー(1) - 中央日報
  6. ^ Reid, Tyrone S. (2007-04-10). Yohan Blake: Life in the fast lane Archived 2008年9月17日, at the Wayback Machine.. Jamaica Observer. Retrieved on 2009-08-13.
  7. ^ Finisterre, Terry (2007-04-08). 10.11 sec Jamaican junior record run by Blake at CARIFTA Games - Day One. IAAF. Retrieved on 2009-02-14.
  8. ^ Reebok Grand Prix New York City, NY (USA) - Saturday, May 30, 2009. IAAF. Retrieved on 2009-06-01.
  9. ^ a b Meeting Areva 2009 Athlete biographies Archived 2012年5月15日, at the Wayback Machine.. IAAF. Retrieved on 2009-08-14.
  10. ^ a b 100 Metres - men - senior - outdoor - 2009 | iaaf.org
  11. ^ Ramsak, Bob (2009-07-10).Gay powers back with 9.77 in Rome – REPORT - ÅF Golden League. IAAF. REtrieved on 2009-07-11.
  12. ^ Jamaican athletes fail drug tests . BBC (2009-07-24). Retrieved on 2009-08-13.
  13. ^ Row in Jamaica over athletes cleared of doping. Archived 2011年7月13日, at the Wayback Machine.
  14. ^ IAAF wait for Jamaica drug ruling . BBC (2009-08-11). Retrieved on 2009-08-13.
  15. ^ Jamaican five withdrawn by team . BBC (2009-08-19). Retrieved on 2009-08-19.
  16. ^ Jamaicans given three-month ban. BBC (2009-09-14). Retrieved on 2009-09-17.
  17. ^ 4x100 Metres Relay Men - Final Archived 2012年5月27日, at the Wayback Machine. - IAAF
  18. ^ Mike Rowbottom (2011-09-18). Blake upstages the world in Brussels - REPORT - Samsung Diamond League, FINAL IAAF. 2011年9月18日閲覧
  19. ^ ボルト今季最高もブレークに驚く/陸上 ニッカンスポーツ・コム、2011年9月17日。
  20. ^ Blake, Campbell-Brown JAAA's athletes of the year - JAMAICA OBSERVER、2011年12月10日
  21. ^ 2012 Olympics Games - Yohan Blake beats Usain Bolt in 100 meters at Jamaican trials - ESPN”. Espn.go.com (2012年6月30日). 2012年8月7日閲覧。
  22. ^ 細井伸彦 (2012年8月6日). “【陸上】ブレーク、初の五輪で銀メダル「これ以上、何を望めというんだい?」”. 産経新聞社. 2012年8月9日閲覧。
  23. ^ ボルトの好敵手ブレイクが世界陸上欠場、前回大会100m王者”. フランス通信社 (2013年7月17日). 2015年7月1日閲覧。
  24. ^ 陸上=ブレーク、ハムストリングの手術で今季絶望”. ロイター (2014年7月23日). 2015年7月1日閲覧。
  25. ^ US 100m trials: Trayvon Bromell makes history as Tyson Gay wins”. BBCスポーツ (2015年6月27日). 2015年7月1日閲覧。
  26. ^ Blake impresses with 9.95sec at MVP meet”. Jamaica Observer (2016年4月18日). 2016年7月14日閲覧。
  27. ^ Thompson and Blake claim Jamaican 100m titles, Bolt withdraws injured”. 国際陸上競技連盟 (2016年7月2日). 2016年7月14日閲覧。
  28. ^ Blake completes sprint double on dramatic final day of Jamaican Championships”. 国際陸上競技連盟 (2016年7月4日). 2016年7月14日閲覧。
  29. ^ 4x100 Metres Relay men”. IAAF. 2016年8月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月22日閲覧。
  30. ^ a b 「スプリント界を牽引するジャマイカン・ドリーム ヨハン・ブレイク」『月刊陸上競技』第48巻第7号、講談社、2014年、36-38頁。 
  31. ^ Yohan Blake: Top 10 Facts You Need to Know”. Heavy.com (2015年4月17日). 2015年7月1日閲覧。
  32. ^ ウサイン・ボルト 著、生島淳 訳『ウサイン・ボルト自伝』集英社インターナショナル、2015年5月31日、321頁。 
  33. ^ Blake shakes the beast off his back”. Jamaica Observer (2016年4月19日). 2016年5月2日閲覧。
  34. ^ With Blake, cricket's loss is track and field's gain”. 国際陸上競技連盟 (2011年8月28日). 2015年7月1日閲覧。
  35. ^ Yohan Blake: Jamaican sprinter wants Yorkshire cricket chance”. BBCスポーツ (2014年5月16日). 2015年7月1日閲覧。
  36. ^ 従来の記録はカール・ルイスの22歳38日

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