CONFIDENCE.NORM 関数
適用対象: Microsoft Excel 2010, Excel Web App, SharePoint Online for enterprises, SharePoint Online for professionals and small businesses
正規分布を使用して、母集団の平均に対する信頼区間を求めます。
説明
母集団の平均に対する信頼区間を求めます。信頼区間とは、標本平均の両側のある範囲のことです。標本平均 x はこの範囲の中央にあり、信頼区間は x ± CONFIDENCE.NORM となります。たとえば、電子メールで注文された商品の配達所要時間の標本平均が x である場合、母集団の平均の範囲は x ± CONFIDENCE.NORM となります。母集団の平均μ0 がこの範囲にある場合、x よりもμ0 から離れた標本平均が得られる確率は、αより大きくなります。母集団の平均μ0 がこの範囲にない場合、x よりもμ0 から離れた標本平均が得られる確率は、αより小さくなります。つまり、x、標準偏差、および標本数を使用して、母集団平均がμ0 であるという仮説の有意水準αにおける両側検定を行うとします。次に、μ0 が信頼区間内にある場合はこの仮説を却下せず、μ0 が信頼区間内にない場合はこの仮説を却下します。信頼区間を用いて、次の商品の配達所要時間が信頼区間内にある確率が 1 - αであると推論することはできません。
書式
CONFIDENCE.NORM(α,標準偏差,標本数)
CONFIDENCE.NORM 関数の書式には、次の引数があります。
- α 必ず指定します。信頼度を計算するために使用する有意水準を指定します。信頼度は 100 * (1- α)% で計算されます。つまり、α = 0.05 であるとき、信頼度は 95% になります。
- 標準偏差 必ず指定します。データ範囲に対する母集団の標準偏差を指定し、既知であると仮定されます。
- 標本数 必ず指定します。標本数を指定します。
解説
- 引数に数値以外の値を指定すると、エラー値 #VALUE! が返されます。
- α ≦ 0 またはα ≧ 1 の場合、エラー値 #NUM! が返されます。
- 標準偏差 ≦ 0 の場合、エラー値 #NUM! が返されます。
- 標本数 に整数以外の値を指定すると、小数点以下が切り捨てられます。
- 標本数 < 1 の場合、エラー値 #NUM! が返されます。
- α = 0.05 と仮定した場合、標準正規分布曲線より下の領域で、全体の (1-α)% つまり 95% の範囲を計算する必要があります。この値は ±1.96 となります。その結果、信頼区間は次の数式で表されます。
使用例
郊外に住む会社員 50 人を標本として、通勤時間を調査したところ、片道の平均時間が 30 分で、母集団の標準偏差は 2.5 になりました。α = .05 のとき、CONFIDENCE.NORM(.05, 2.5, 50) は 0.692952 となります。したがって、信頼区間は 30 ± 0.692952 となり、およそ [29.3, 30.7] となります。母集団平均μ0 がこの範囲にある場合、30 よりもμ0 から離れた標本平均が得られる確率は、0.05 より大きくなります。同様に、母集団平均μ0 がこの範囲にない場合、30 よりもμ0 から離れた標本平均が得られる確率は、0.05 より小さくなります。
使用例を新規のワークシートにコピーすると、計算結果を確認できます。
その方法は?
- Ctrl キーを押しらながら C キーを押します。
- 空のブックまたはワークシートを作成します。
- ワークシートでセル A1 を選択し、Ctrl キーを押しながら V キーを押します。Excel Web App を使用している場合は、使用例のセルごとにコピーと貼り付けを繰り返します。
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