Xe4/4 9920形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/08 06:23 UTC 版)
「レーティッシュ鉄道ABe4/4 31-37形電車」の記事における「Xe4/4 9920形」の解説
BCe4/4 9号機が1951年1月3日にアルプ・グリュム付近で雪崩により全損したものを1953年に事業用車として復旧したものである。 車体は台枠以外は新たに製造されたもので、基本的なスタイルは原形どおりであるが、側面は前後の乗降口のほか中央部に幅1000 mmの機材搬出入用の片引戸を設置したほか、窓は幅480 mmの狭幅のものを片側4箇所ずつおよび便所部にのみ設置しており、前後の乗降扉は階段状の乗降ステップの分外板より奥に設置されている原形とは異なり、乗降ステップが垂直で扉が外板に沿って設置されている。また、前面、側面窓は原形では上隅部はR付きであったが本機では四隅ともR無しとなっている。 室内には原形と同じ位置に便所が設置され、洗面所部は機器室、その前位側が長さ3200 mmの、後位側は5640 mmの機材室となっており、レール方向に設置された折畳式のベンチが設置されるほか、前位側の室内には暖房、作業着用ロッカーが、後位側には作業台が設置されている。 その他屋根や床下、台車については原形通りであるが台枠のトラス棒のみキングポストからクイーンポストに変更されている。また、走行機器類は電機品更新がされたものとなっており、集電装置はチューリッヒ市電タイプのビューゲルで屋根上には力行および発電ブレーキ用の抵抗器が設置されている。 塗装は改造時は車体は濃緑色をベースに側面下部中央に"RhB"のレタリングとその下部に形式名と機番が、正面貫通扉に機番が入るものとなった。その後1965年には車体が濃赤色となり、さらにその後には事業用機の標準塗装の変更に伴い、車体がオレンジ色をベースに車体側面下部左側に新しいレーティッシュ鉄道のマークが、右側に機番と形式名が、正面右側前照灯上部に機番が入るものとなっている。屋根および屋根上機器はライトグレーもしくは銀、床下および台車はダークグレーとなっている。 1968年には集電装置がビューゲル2基からシングルアームタイプのパンタグラフ1基を後位側屋根上に設置するものとなり、抵抗器の配置が変更されているが、本機は真空ブレーキ機でパンタグラフを空気下降することができないため、下げひもで降下させる方式となっている。なお、その他電機品は1998年の廃車時まで大きくは改造されず、主電動機はTyp GTM 65、ブレーキも真空ブレーキのままであった。
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