TAVITAC 2000
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/29 00:51 UTC 版)
「TAVITAC」の記事における「TAVITAC 2000」の解説
TAVITAC 2000は、従来のVega / TAVITACシリーズと同様の目標情報管理用のセントラル・コンピュータを残しつつ、ある程度の分散処理を導入している。また、同級の機種よりもはるかに安価であり、同システムを搭載したラファイエット級フリゲートにおいては、C4Iシステムの価格は全体コストの5%程度であるとされている。なお、TAVITACは本来輸出用に開発されたシステムであったが、本システムはSENIT 7としてフランス海軍に逆輸入されている。 TAVITAC 2000においては、従来使用されてきた15Mシリーズの小型コンピュータは廃され、MC68040を使用したMLX 32コンピュータが導入された。2基のMLX 32が目標情報の管理を行い、3軸の10メガビット・イーサネット・ケーブルによって、Vista RM多機能コンソールと連接されている。SENIT 7となったバージョンでは5基のコンソールが採用されており、それぞれ対空戦統制、対水上戦闘、対潜戦闘、武器管制、戦術行動調整に使用される。また、ヘリコプター、電子戦、エグゾセ対艦ミサイルの管制には、それぞれ異なるコンソールが使用される。また、2基のMLX 32は、1基のE8000自動作図台と直接に連接されている。プログラム言語としてはAdaが使用され、オペレーティングシステムはUNIX Vである。また、プログラミングの一部は海軍プログラム業務隊(CPM: Centre de Programmation de la Marine)によって行なわれた。 ラファイエット級フリゲートは、それぞれの要求に応じた設計変更の上で、台湾とサウジアラビアに輸出されているが、これらにもTAVITAC 2000が搭載されている。ラファイエット級フリゲートは、対空レーダーや船体装備ソナーなど、標準的な戦闘艦なら搭載している装備のいくつかを省いているが、輸出型ではこれらも搭載されて、TAVITAC 2000に連接されている。サウジアラビア向けのものでは、空軍のAWACSなどと交信するためのリンク 11、またF-15戦闘機やトーネード攻撃機、ドーファン哨戒ヘリコプターとの共同作戦のために超水平線データ・リンクを搭載している。台湾向けのものでは、RISC処理装置が追加されており、6基のコンソール(指揮官用1基、戦術指揮士官1基、ヘリコプター統制用1基、航空状況表示用3基)が配置されている。なお、ラファイエット級フリゲートは、SENIT 7とは別に、フランス海軍の基幹的指揮回線であるAIDCOMERに使用するため、SPARCアーキテクチャによるコンピュータ4基を有している。 なお、1996年、トムソンCSF(en:Thomson-CSF)社は、のちにタレス・グループとして同系列となることになるオランダ・シグナール(en:Signaal)社のSEWACO-FDにならって、TAVITAC 2000シリーズをTAVITAC-FDと改名した。 TAVITAC 2000を商用オフザシェルフ化したものはTAVITAC-NT(NT: New Technology)と改称された。コンソールは、29インチのカラー・スクリーンを採用したVista Mk 2に変更され、新型の光学センサーや3次元レーダーとの連接にも対応した。これはクウェートの哨戒艦や南アフリカのヴァラー級フリゲートに搭載されている。
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