SCB-110
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 00:32 UTC 版)
「ミッドウェイ級航空母艦」の記事における「SCB-110」の解説
1940年代を通じて最有力の航空母艦として活躍したミッドウェイ級であったが、1950年代に入ると艦上機の大型化・高性能化に追随しきれなくなってきた。これを受けて実施されたのがSCB-110改装である。まずフランクリン・D・ルーズベルトが1956年までに、続いてミッドウェイが1957年までに改装を受けた。また最後に改装されたコーラル・シーは先行2艦の実績をふまえて一部内容を変更したSCB-110A改装とされ、1960年に再就役した。 本改装は極めて大規模なもので、艦容は一変した。ミッドウェイの場合、満載排水量は59,901トンから62,614トンへと増加したが、主機関は変更されなかったため、速力は30.6ノットと軽度低下した。主な改装内容は下記の通りである。 飛行甲板の改装 - 長さ6メートル、最大幅で17メートル拡張し、アングルド・デッキを採用した。またミラー・ランディング・システムも搭載された。 エレベータの改装 - 後部のインボード式エレベータを艦橋構造物直後に移してアウトボード式とするとともに、17.1×13.4メートル、力量34トンに強化した。またSCB-110A改装では、更に前部のインボード式エレベータも艦橋構造物直前に移してアウトボード式に改めた。 カタパルトの換装 - 蒸気式のC-11型3基を搭載した。 電装・兵装の換装・更新(個艦防御機能参照) エンクローズド・バウの採用(船体参照) これにより、新世代のスーパー・キャリアーであるフォレスタル級とほぼ比肩しうる航空運用能力が確保された。なお、改装によって航空要員が増加したが、飛行甲板の拡大に伴いギャラリ・デッキも拡大されたことから、居住区や関連設備の大規模改装も実施されている。 また航空機用の物資搭載量は下記の通りとなった。 JP-5ジェット燃料 - 2,271 kL(艦の行動用燃料タンクを転用) 航空用ガソリン - 1,346 kL 航空機用弾薬 - 2,850トン この改装により、大型のA3D(A-3)艦上攻撃機の運用が可能となった。1950年代末からは艦上戦闘機の超音速化も開始されており、F3H-2やF8U(F-8)が搭載された。またFJ-4と交代してA4D(A-4)軽攻撃機も配備されるようになった。
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