S202 STi
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 00:35 UTC 版)
「スバル・インプレッサ (2代目)」の記事における「S202 STi」の解説
S202 STiは、Sシリーズのインプレッサで、非常に軽量のType RA Spec Cを基にしている。これまでで最も過激な工場生産のStiと今でも見なされている。どうやら、当時ラリーGBで優勝したスバルのドライバー、ペター・ソルベルグは、これまで乗ってきた公道用インプレッサの中で、S202は最もWRCマシンの感触がすると言ったらしい。サスペンションやパワートレインには、STiのパーツカタログに掲載されているSTiパーツが使用された。内装では、赤いSTiロゴのステッチが入った特別仕様のSTiシートを採用した。また、軽量化のために小型軽量のエアコン用コンプレッサーを装着した。S202は日本国内向けに400台が生産されたが、わずか2週間で完売した。灰皿の下には1台ごとに番号が振られたバッジが設置されている。S202は、電動ウィンドウとエアコンをそのままにして販売された場合でも、車重は通常仕様のSTiよりも140 kgも軽い1,330 kg(AWDレイアウトの車であることを考えればかなり軽量)で、出力は316 bhp(320 ps)を発揮した。分厚く重いカーペットはなく、軽量アルミボンネット、薄いドア外板とドアパネル(英語版)、薄いガラス窓、ロアアームを交換するために特別に装着された軽量STiパーツ、軽量オルタネーターなどが使われた。S202特有のものとして、ピンク色のSTiラテラルリンクがある。ブレーキローターはガススロット化された。ステアリングラックはギア比が上がったものに交換された。STiモデルのS202では、内部構造も一部変更されている。モリブデンコーティングされたピストンや、中空構造の吸気バルブなど、摩擦を低減するための工夫が施されている。AWDシステムは、フロントにシュアトラック(Suretrac)デフ、リアにメカニカルデフを採用している。ホイールはSTiラベル付きのレイズ製VOLKアルミホイールを採用。外装では、後部にカーボンファイバー製の調整可能なGTスタイルのウイング(400台のみ生産)と、ラリーカースタイルの手動式ルーフベントが装備された。S202に、スチール編みこみブレーキ線、後部の12リットルインタークーラータンク、追加のサージ防止燃料タンクなど、多くのラリー用パーツが装備されていたことは、Sシリーズの愛好家以外にはあまり知られていない。後続のSモデル、具体的に言うとS203およびS204はSpec Cのシャシーを基にしていないためより重いのに対して、S202はType RA Spec Cを基にしているため軽量化に重点が置かれていた。仕様に基づくと厳密には、S202が先鋭的なType RA Spec Cの第1段であった。Spec Cを基にして後に生産されたモデルにはSpec C Type RA-Rがあった。最近では、この希少なS202が愛好家を中心にコレクターズカー(収集家の車)として注目されている。 S202 生産内訳 カラー名称 カラーコード 台数 % WRブルーマイカ 02C 194 48.5% ミッドナイトブラックマイカ 08V 37 9.3% アストラルイエロー 13V 53 13.3% ピュアホワイト 51E 116 29.0% TOTAL 400 100.0%
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