Qセルズの特長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 04:22 UTC 版)
Q.ANTUMセル 太陽電池セルの裏面に特殊なナノレイヤーを形成し、従来と比べより太陽光のエネルギーをセル裏面の層に閉じ込めることで活用度を高め、より多くの電気を生み出すことができる。そのため、低照度時や幅広い温度範囲においても高い出力を発揮する。 低照度特性(曇り発電力) Qセルズの研究開発拠点は、日本の北海道よりも北に位置するドイツのライプチヒ(北緯51度)という照度の低い地域にある。このような環境で研究開発されたQセルズの太陽電池モジュールは、照度の低い季節(秋~冬)や朝夕、曇りの日といった太陽光発電としては厳しい条件でも高い発電力を発揮する。 出力安定化技術 一般的なPERC構造の高効率太陽電池セルでは、設置初期のセル内部構造の変化により太陽電池モジュールの出力が低下する現象がみられる。Q.ANTUMセルでは、酸素と結合したセル内の添加物の活性化を抑え、スムーズに電子が移動できるため、安定した出力を確保することできる。 耐PID技術 (Anti-PID Technology) PID現象とは、太陽電池モジュールのフレームとセルの間に電圧差が生じ、雨天時などでは本来なら確保される電流が流出してしまうことで出力の低下を引き起こす。Qセルズでは独自の耐PID技術(APT)を採用することにより、セルの生産過程を最適化し、電力リークなどの悪影響をセルの段階から排除している。 耐ホットスポットプロテクト (Hot Spot Protect) 太陽電池セルにホットスポット現象が発生すると、モジュールの一部が焼け焦げてしまうほど高温になり、最悪の場合、モジュールが発火してしまう恐れがある。多くの太陽電池モジュールメーカーでは、ホットスポット現象を回避するためにセルの耐電圧を下げることがある。しかし、Qセルズでは、最終点検の過程ですべてのセルに逆流電力を通すことで温度上昇した部分を赤外線カメラで感知し、ホットスポット現象が確認されたセルは除外している。 トレーサブルクォリティ技術TRA.Q™ (Traceable Quality) Qセルズのすべての太陽電池セルは、トレーサビリティシステムTra.Q™と呼ばれる特許を取得した識別コードで管理されており、製造番号、製造年月、製造場所だけではなく、セルを製造する際に使用した原材料の情報まで、生産に関する全工程を追跡することができる。
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