ピーサート【PSIRT】
PSIRT
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 00:27 UTC 版)
「サイバーセキュリティ」の記事における「PSIRT」の解説
PSIRT(Product Security Incident Response Team)は「組織が開発・販売する製品、ソリューション、コンポーネント、サービスなどの、脆弱性リスクの特定や評価、対処に焦点を当てた」組織内機能で「自社製品の脆弱性への対応、製品のセキュリティ品質管理・向上を目的」とする。 PSIRTと組織内CSIRTの違いは、前者はその活動の中心が製品のセキュリティであるのに対し、後者は組織のインフラを構成するコンピュータシステムやネットワークのセキュリティに重きを置いている点にある。ただしPSIRTは組織内CSIRTと協調する事で相乗効果を発揮する。 PSIRTの組織構造は「分散モデル」、「集中モデル」、「ハイブリッドモデル」に分類できる。分散モデルでは、「PSIRT 自体はごく小規模な組織であり、製品開発チームの代表者と協力して脆弱性に対処する」。分散モデルでは脆弱性のトリアージや修正プログラム提供は製品開発チームが行い、PSIRTはそのための支援やガイドラインの作成等を行う。集中モデルではPSIRT は多くのスタッフを抱え、「各部門から選抜されたスタッフが組織の製品セキュリティを担当する上級幹部に報告する」。脆弱性のトリアージや修正プログラム提供はPSIRTがチケッティングシステムを管理してリーダーシップを発揮する。ハイブリッドモデルは両者の中間形態である。 「組織の規模が大きく、多様な製品ポートフォリオを持つ組織」は分散モデルが適している。一方「より小さい組織や同種の製品ポートフォリオを持つ組織」では「高度なセキュリティスキルと専門知識を1 つの領域に集中」できる集中モデルが適している。 PSIRTの活動内容はCSIRTのそれとかぶる部分も多いが、開発関係者との連携、製品のライフサイクル・リリースタイミング・サービスレベルアグリーメントを意識したセキュリティ確保、脆弱性発見者との交流、サプライチェーンの上流・下流との交流、バグバウンティ(脆弱性報奨金)の提供もしくはバグバウンティベンダとの交流など、PSIRT固有の活動もある。
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