La-17M
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 15:27 UTC 版)
「La-17 (航空機)」の記事における「La-17M」の解説
原型のLa-17の有益さはわずかなもので、また空中発射は高額かつ補給上扱いにくく、ドローンによる集団攻撃というシミュレーションでも最良を尽くすのが難しかった。ラムジェットエンジンは効率が悪く、短い航続能力という結果になり、もしも戦闘機のパイロットが最初の航過でドローンを逃した際には再び接近する前に燃料が尽きてしまった。こうした問題を解決するためラボーチキンの技術者たちは地上発射型を検討し、La-7Mは1959年に初飛行を終え、1960年に任務に投入された。La-17MはRATOブースターを翼根部に懸下し、これを利用して発進した。発進装置には標準的な100mm対空砲の台車から派生した、牽引式四輪車が使われた。 La-17Mは推力1950KgfのミクーリンRD-9BKターボジェットで駆動した。RD-9BKとはMiG-19戦闘機に使われたRD-9Bエンジンの出力を下げ、アフターバーナーを使わずに簡易化したバージョンである。翼端部には空気を圧縮するのに用いる涙滴形状のフェアリングがついた。この空気をエンジンに供給し、巡航性能を改善している。航続力はLa-17の40分に対し60分に改良された。La-17のように、La-17Mもまた地面に胴体着陸する。 La-17Mの初期の量産機には自動操縦がついておらず、速やかにこれを持つLa-17MAに代替された。後期量産型にはRD-9BKRエンジンが搭載され、RD-9BKと同等の性能を発揮しつつも低空の任務に適するようマイナーチェンジが施され、耐用時間が15時間から30時間に向上した。またこれらは改善された着地システムを備える。UAVはタッチダウンの前に機首上げ操作を行い、エンジンナセル下部には着陸用のスキッドがついた。こうした2点の改善によって、エンジン破損の危険をより少なくしつつ着陸できるようになった。これらの機材はLa-17MMと呼ばれ、1964年から就役した。 ラムジェットで駆動するLa-17は少数が地上発進型に改修された。2基のRATOブースターを持ち、機体構造の数か所が強化されている。これらのドローンはLa-17nと再び名前をつけられた。
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