L-函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/12 04:14 UTC 版)
数学において、L-函数(L-function)とは複素平面上の有理型函数であり、いくつかの数学的対象のカテゴリから出てくる有理型函数に付帯している。L-級数(L-series)とは、解析接続を通してL-函数を導きうるディリクレ級数であり、大抵は半平面上で収束する。リーマンゼータ函数はL-函数の一例であり、L-函数を含む重要な結果として、リーマン予想やその一般化がある。
ディリクレのL関数
(L-函数 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/07 17:47 UTC 版)
ディリクレのL-関数(ディリクレのエルかんすう、Dirichlet L-function)は、リーマンゼータ関数を一般化したものである。算術級数中の素数の分布の研究に基本的な関数である。実際ディリクレは、初項と公差が互いに素であるような等差数列には無限に素数が含まれること(算術級数定理)を証明するために、この関数を導入した。最も古典的なL-関数であり、単にL-関数と呼ばれることもあるが、数論の発展に伴って類似の性質を持った数論的関数が多く考え出され、それらにもL-関数の名が付されている。
- 1 ディリクレのL関数とは
- 2 ディリクレのL関数の概要
- 3 関連項目
L-函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/04/16 09:58 UTC 版)
「アーベル多様体の数論」の記事における「L-函数」の解説
Ap のようなアーベル多様体に対し、局所ゼータ函数の定義が有効である。A 自身のL-函数を得るために、そのような局所ゼータ函数の適切なオイラー積を取る。悪い素数に対しての因子が有限個しかないことを理解することは、A のテイト加群(英語版)(Tate module)を理解する必要があり、テイト加群はエタール・コホモロジー群 H1(A) (の双対)であり、それ自身の上への群作用である。この方法により、A のハッセ・ヴェイユのL-函数の自然な定義を得る。一般に、この性質、つまり函数等式は未だに予想の段階であり、まさに特別な場合である谷山志村予想で2001年に証明されたが、驚くほど難しい。 このL-函数のことばで、バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想が提唱されている。特に、この議論は、整数値 s でのL-函数 L(s) についての一般論の興味深い側面となっていて、これを支持する多くの経験的な証拠がある。
※この「L-函数」の解説は、「アーベル多様体の数論」の解説の一部です。
「L-函数」を含む「アーベル多様体の数論」の記事については、「アーベル多様体の数論」の概要を参照ください。
- L-函数のページへのリンク