L-函数の函数等式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/19 22:54 UTC 版)
同様の函数等式がディリクレの L-函数に対してもなりたつが、この場合の等式は変数と指標の対に対するもので、 Λ ( s , χ ) = ε Λ ( 1 − s , χ ∗ ) {\displaystyle \Lambda (s,\chi )=\varepsilon \Lambda (1-s,\chi ^{*})} というかたちになっている。ここで χ は原始ディリクレ指標で、χ∗ はその複素共軛、Λ は L-函数にガンマ因子を掛けたものである。また、ε は χ から得られるガウス和 G(χ) によって G ( χ ) | G ( χ ) | {\displaystyle G(\chi ) \over {\left|G(\chi )\right\vert }} の形に表される絶対値が 1 の複素数である。この L-函数の函数等式で両辺が同じ函数についての等式となるのは、χ が {−1, 0, 1} に値をとる実指標 (real character) である場合、かつその場合に限る。このとき ε は 1 か −1 のいずれかでなければならず、とくに ε = −1 のときは Λ(s) の零点が σ = 1/2 上にあることが従う。(実質的にガウスによる)ガウス和の理論に従えば、ε の値は常に 1 であり、したがってそのような一位の零点 (simple zero) は存在しない(函数はその点に関して偶である)。
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