ハッセ・ヴェイユのゼータ函数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/09 01:30 UTC 版)
ハッセ・ヴェイユのゼータ函数(英: Hasse–Weil zeta function)とは、数学において最も重要な L-函数のうちの一つである。これは代数体上の代数多様体にたいして定義される複素関数である。これは各素数ごとの因子である局所ゼータ函数の無限積オイラー積として定義される。ハッセ・ヴェイユゼータ函数は、大域的L-函数の 2つの大きなクラスの一つで、他は保型表現に付随する L-函数である。予想としては、ハッセ・ヴェイユのゼータ関数全体と保型表現からさだまる全体の間に対応があると考えられており、これは谷山志村予想の非常に大きな一般化である。
オイラー積の有限個の要素を除外したハッセ・ヴェイユゼータ函数の記述は比較的単純である。これはヘルムート・ハッセ (Helmut Hasse) とアンドレ・ヴェイユ (André Weil) が初めて示唆した。代数多様体が一点の場合、有理数体上ならリーマンゼータ函数、一般の代数体ならデデキントゼータ関数に対応し、これを一般化したものとなる。
話を単純にするため、有理数体上の代数多様体 V にたいして、そのハッセ・ヴェイユゼータ函数を説明する。V が非特異射影多様体のとき、素数 p に対し、p を法として V の還元を考える。p 個の元を持つ有限体 Fp 上の代数多様体 Vp はまさに V の方程式を還元することにより得られる。ほとんど全ての p に対して、Vp は非特異となる。複素変数 s のディリクレ級数として局所ゼータ函数
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