オイラー積
オイラー積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 17:09 UTC 版)
数論的関数 a ( n ) {\displaystyle a(n)} を係数とするディリクレ級数 f ( s ) = ∑ n = 1 ∞ a ( n ) n s {\displaystyle f(s)=\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {a(n)}{n^{s}}}} を、 a ( n ) {\displaystyle a(n)} の(ディリクレ級数で表された)母関数という。 数論的関数 a ( n ) {\displaystyle a(n)} の数論的性質が母関数の性質から導かれることがしばしばあり、母関数は、数学の対象として大変重要なものである。(母関数も参照のこと) 特に、乗法的関数である数論的関数に対して、母関数をディリクレ級数の形で表すことが多い。それは、母関数が以下で述べるオイラー積表示を持つからである。 a ( n ) {\displaystyle a(n)} を乗法的関数である数論的関数としたとき、 f ( s ) = ∑ n = 1 ∞ a ( n ) n s {\displaystyle f(s)=\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {a(n)}{n^{s}}}} は、以下の積表示を持つ。 f ( s ) = ∏ p ; prime ( 1 + a ( p ) p s + a ( p 2 ) p 2 s + ⋯ ) {\displaystyle f(s)=\!\!\prod _{p;\operatorname {prime} }\left(1+{\frac {a(p)}{p^{s}}}+{\frac {a(p^{2})}{p^{2s}}}+\cdots \right)} 。 この積をオイラー積 (Euler product)という。 逆に、ある数論的関数 a ( n ) {\displaystyle a(n)} の母関数がオイラー積表示を持つならば、 a ( n ) {\displaystyle a(n)} は乗法的関数である。 さらに、 a ( n ) {\displaystyle a(n)} が完全乗法的関数であれば、オイラー積は f ( s ) = ∏ p ; prime 1 1 − a ( p ) / p s {\displaystyle f(s)=\!\!\prod _{p;\operatorname {prime} }{\frac {1}{1-a(p)/p^{s}}}} と表される。
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オイラー積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/11 14:02 UTC 版)
「デデキントゼータ関数」の記事における「オイラー積」の解説
任意の整イデアルは、素イデアルの積で表すことができるので、デデキントゼータ関数は、以下のオイラー積表示を持つ。 のとき、 。 ただし、積は K の素イデアル全てを動くものとする。
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オイラー積
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:40 UTC 版)
ゼータ関数と素数との最初の関連はオイラーによって示された。リーマンゼータ関数は、全ての素数 p に関する無限積である ζ ( s ) = ∏ p : prime 1 1 − p − s {\displaystyle \zeta (s)=\prod _{p:{\text{prime}}}\!{\frac {1}{1-p^{-s}}}} という形で表すことができる。これをオイラー積あるいはオイラー表示という。この無限積が sの実部Re(s) > 1 のときゼータ関数に絶対収束していることは、幾何級数(等比級数)の公式 1 1 − p − s = ∑ n = 0 ∞ ( p − s ) n = 1 + p − s + p − 2 s + ⋯ {\displaystyle {\frac {1}{1-p^{-s}}}=\sum _{n=0}^{\infty }(p^{-s})^{n}=1+p^{\!-s}+p^{\!-2s}+\cdots } が絶対収束すること(特に有限和のように分配法則が成り立つこと)に注意して、十分に大きな素数 p を固定し、それ以下の素数 p をわたる有限積を作り、その p → ∞ {\displaystyle p\to \infty } とした極限を考えることで示すことができる。この部分有限積の展開について、自然数 n の最大素因数が p であれば、そこまでの有限積の中に n が含まれるため、上のようなゼータ関数のオイラー積表示が成り立っている。オイラー積 § ゼータ関数に対するオイラー積も参照。
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