オイラー積とは? わかりやすく解説

オイラー積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/10 17:02 UTC 版)

オイラー積(オイラーせき、: Euler product)はディリクレ級数素数に関する総乗の形で表した無限積である。ディリクレ級数の一種のリーマンゼータ関数についてこの無限積が成り立つことを証明した18世紀の数学者レオンハルト・オイラーの名前にちなむ。ディリクレ級数は以下の式の左辺で定義され、右辺がオイラー積表示である。





オイラー積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/23 17:09 UTC 版)

ディリクレ級数」の記事における「オイラー積」の解説

数論的関数 a ( n ) {\displaystyle a(n)} を係数とするディリクレ級数 f ( s ) = ∑ n = 1 ∞ a ( n ) n s {\displaystyle f(s)=\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {a(n)}{n^{s}}}} を、 a ( n ) {\displaystyle a(n)} の(ディリクレ級数表された)母関数という。 数論的関数 a ( n ) {\displaystyle a(n)} の数論的性質母関数性質から導かれることがしばしばあり、母関数は、数学対象として大変重要なのである。(母関数参照のこと) 特に、乗法的関数である数論的関数に対して母関数ディリクレ級数の形で表すことが多い。それは、母関数が以下で述べるオイラー積表示を持つからである。 a ( n ) {\displaystyle a(n)} を乗法的関数である数論的関数としたとき、 f ( s ) = ∑ n = 1 ∞ a ( n ) n s {\displaystyle f(s)=\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {a(n)}{n^{s}}}} は、以下の積表示を持つ。 f ( s ) = ∏ p ; prime ( 1 + a ( p ) p s + a ( p 2 ) p 2 s + ⋯ ) {\displaystyle f(s)=\!\!\prod _{p;\operatorname {prime} }\left(1+{\frac {a(p)}{p^{s}}}+{\frac {a(p^{2})}{p^{2s}}}+\cdots \right)} 。 この積をオイラー積 (Euler product)という。 逆に、ある数論的関数 a ( n ) {\displaystyle a(n)} の母関数がオイラー積表示を持つならば、 a ( n ) {\displaystyle a(n)} は乗法的関数である。 さらに、 a ( n ) {\displaystyle a(n)} が完全乗法的関数であれば、オイラー積は f ( s ) = ∏ p ; prime 1 1 − a ( p ) / p s {\displaystyle f(s)=\!\!\prod _{p;\operatorname {prime} }{\frac {1}{1-a(p)/p^{s}}}} と表される

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オイラー積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/11 14:02 UTC 版)

デデキントゼータ関数」の記事における「オイラー積」の解説

任意のイデアルは、素イデアルの積で表すことができるので、デデキントゼータ関数は、以下のオイラー積表示を持つ。 のとき、 。 ただし、積は K の素イデアル全てを動くものとする

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オイラー積

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:40 UTC 版)

リーマンゼータ関数」の記事における「オイラー積」の解説

ゼータ関数素数との最初関連オイラーによって示された。リーマンゼータ関数は、全ての素数 p に関する無限積である ζ ( s ) = ∏ p : prime 1 1 − p − s {\displaystyle \zeta (s)=\prod _{p:{\text{prime}}}\!{\frac {1}{1-p^{-s}}}} という形で表すことができる。これをオイラー積あるいはオイラー表示という。この無限積が sの実部Re(s) > 1 のときゼータ関数絶対収束していることは、幾何級数等比級数)の公式 1 1 − p − s = ∑ n = 0 ∞ ( p − s ) n = 1 + p − s + p − 2 s + ⋯ {\displaystyle {\frac {1}{1-p^{-s}}}=\sum _{n=0}^{\infty }(p^{-s})^{n}=1+p^{\!-s}+p^{\!-2s}+\cdots } が絶対収束すること(特に有限和のように分配法則成り立つこと)に注意して十分に大きな素数 p を固定しそれ以下素数 p をわたる有限積を作り、その p → ∞ {\displaystyle p\to \infty } とした極限考えることで示すことができる。この部分有限積の展開について、自然数 n の最大素因数が p であればそこまで有限積の中に n が含まれるため、上のようなゼータ関数のオイラー積表示成り立っている。オイラー積 § ゼータ関数に対するオイラー積参照

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