IBM PCのビデオカード採用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 18:27 UTC 版)
「ビデオカード」の記事における「IBM PCのビデオカード採用」の解説
1981年のIBM PCは、当時のみならず後のパーソナルコンピュータでも普通に見られた、ビデオ回りのハードウェアをオンボードで固定したものにはせず、ビデオカードとして独立させる設計を採用した。 IBM PCはビデオサブシステム(ビデオチップなど)を本体(マザーボード)にではなく、拡張カード(IBMはアダプターと呼ぶ)に搭載した。IBM PCの発売時には2種類のビデオカード(テキストモードのみのMDAと、グラフィックモードを持つCGA)が提供され、用途により選択・交換できた。また各アダプターは複数の表示モード(ビデオモード)を持ち、ビデオモードはBIOS割り込み(INT 10h, AH=00h, AL=ビデオモード)によってソフトウェアから切替可能である。更に後継のビデオ規格(EGA, VGA, XGA等)は、前身のビデオ規格の全てのビデオモードを含む。 この拡張性により、IBM PCファミリーおよびIBM PC互換機では、ユーザーは本体を買い換えなくても、各社から販売される多様なビデオカードに交換(種類によっては追加して共存)し、対応したディスプレイとソフトウェアを使用すれば、より高速・高解像度な表示環境を得られるようになった。中でもHerculesのHGCは広く使われた。日本での東芝のダイナブック(初代J-3100 SS)も、CGAをベースに独自の日本語モード(640x400)を追加したものだった。 一文字テキスト出力(int 10h, ah=0eh)のような、BIOSの提供する機能としては高水準の機能を用意し(この機能を提供するBIOS ROMは本体ではなくビデオカードに載る)、MS-DOSなどはそちらを使うようにすることで、ハードウェアの差異に対するソフトウェアの互換性を確保した。
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