HA-300
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/05/14 15:37 UTC 版)
「ヘルワン HA 300」の記事における「HA-300」の解説
エジプト航空総局(Egyptian General Aero Organisation、EGAO)の監督の下、カイロ南東のヘルワンの第36工場のテスト施設と作業場でHA-300の開発が始まった。HA-300は当初アフターバーナー付のオルフェースBOR 12ターボジェットエンジン用に設計されていたが、後でアフターバーナー使用時4,800 kgpを発生するブランドナー E-300 エンジンを装備するように変更された。インドも自国のHF-24 マルート用の新しい動力源として換装するためにE-300ジェットエンジンに資金援助をし、E-300エンジンは1963年7月に初運転した。 推力2,200 kgpのオルフェースMk 703-S-10エンジンを装備した最初の試作機は1964年3月7日に初飛行し、マッハ1.13を記録した。エジプトは1964年にHA-300の飛行テストの準備に2人のエジプト人パイロットをインドに送り込み、続いてオルフェースを装備した2番目の試作機が1965年7月22日に初飛行した。3番目にして最後の試作機はエジプト製のE-300エンジンを装備して、離陸から2.5分以内に高度12,000 m、速度マッハ2.0に達する予定だった。この試作機は飛行テストを行わず、地上滑走試験を終了しただけだった。 開発には総計1億3,500万エジプト・ポンドが費やされた。 E-300エンジンはインド政府も興味を示し、十分な性能のエンジンが得られず低性能に悩んだHF-24 マルート戦闘機に使用するために引き渡された。HF-24 マルート戦闘機は、同じくドイツ人設計者のクルト・タンクが設計した、インド国産戦闘機である。同じくドイツ人が設計したHA-300と比較されることが多い機体であるが、HF-24 マルートはエリアルールやエアインテークのショックコーンなど、当時の超音速戦闘機設計の最新の設計手法を導入していて機体性能は高い。エンジンの性能は低いながらも、HA-300と同等の最高速度性能を達成した。
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