DD(X)へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 05:24 UTC 版)
「ズムウォルト級ミサイル駆逐艦」の記事における「DD(X)へ」の解説
しかし2001年、SC-21計画は突如中断され、再計画が行なわれた。これは下記の理由によるものであった。 多様化する任務に単一の設計で対処するには限界がある。CG-21とDD-21は同一の設計に基づくこととなっていたが、計画開始後に次々と追加される任務に対応するため、先行して計画されたDD-21は、既に巡洋艦級と評されるまでに肥大化し、かつなおも装備不足が指摘されていて、その一方で肥大化によって沿海域での戦闘には不適となりつつあった。これを是正するため、漸進的システム取得方式とFamily of Shipsコンセプトの導入が必要と考えられた。 将来の紛争の予測不能性と沿海域戦闘特有のCheap Killの危険性への対応が不十分であり、少数の高価格な艦に頼り、これを不用意に前線に展開することは極めて危険であると考えられた。 コスト上昇を憂慮した議会は、2001年10月、DD-21計画の予算を4分の1にカットするという荒療治によって警告していたことから、計画の見直しは喫緊の課題となっていた。 2001年11月、見直された新計画のもとで、CG-21はCG(X)、DD-21はDD(X)と改称され、さらにフリゲートの後継となる新艦種として沿海域戦闘艦(LCS)が追加された。これらは共通の技術基盤を採用するものの、DD-21の計画肥大化を反省して、任務分担を厳格化することとされた。DD(X)は、DD-21の計画を引き継ぐものの、排水量の目標は12,000トンと定められた。2002年4月、フェーズIIIの契約者としてゴールドチームが選定されたが、ブルーチームが異議申立てを行ったため、アメリカ会計検査院(GAO)が8月にこれを却下するまで計画は停滞した。最終的に、ゴールドチームにはジェネラル・ダイナミクスやロッキード・マーチンなどブルーチームの企業も合流し、DD(X)ナショナルチームと改称している。ノースロップ・グラマン社が全体のリーダーであり、レイセオン社がシステム・インテグレータとなっている。またコスト上昇に伴い、建造予定数は、DD-21時代の32隻から、DD(X)では24隻、さらに8隻に削減されていた。 2005年11月、海軍次官はフェーズIVでの2隻の先行建造を承認したが、これらはCG(X)に向けての技術実証艦に留められ、以後の建造は行わず、駆逐艦の更新は既存のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の追加建造によって補う計画とされた。その後、2009年4月、1隻が追加された3隻で建造終了することが正式に決定された。またその後、CG(X)も計画中止され、こちらもアーレイ・バーク級フライトIIIによって代替されることとなった。
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