Chlordaneとは? わかりやすく解説

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クロルデン【chlordane】

読み方:くろるでん

有機塩素系化合物の一。農薬家庭用殺虫剤家庭用白あり駆除剤などとして用いられてきたが、現在は使用禁止


クロルデン

農薬Chlordane
和名orISO名[商品名]クロルデン
分子式C10H6Cl8
用途殺虫殺ダニ剤
LD50(ラット)/g kg-1
LD50(マウス)/g kg-1
劇毒区分劇物(1983)
魚毒ランク
有機性520
無機112
農薬登録(1996年時点)日本登録され1968年失効承認ISO
その他食毒接触毒性残留薬剤
分子データ
» 「動く分子事典」の分子モデル表示の特性について、「生活環境化学の部屋」より補足説明をいただいております。

クロルデン

(Chlordane から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/11 04:12 UTC 版)

クロルデン
識別情報
CAS登録番号 57-74-9
KEGG C14176
特性
化学式 C10H6Cl8
モル質量 409.779 g/mol
外観 淡黄色ないし琥珀色の粘稠液体
密度 1.60 g/cm3
融点

106 ℃

沸点

175 ℃ (0.27kPa)[1]

への溶解度 不溶
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

クロルデン: Chlordane)は、有機塩素殺虫剤の一種。

用途

日本において、農薬としては1950年9月18日に登録を受け、稲や野菜のアリやドロオイムシ、造林苗畑のネキリムシに適用されたが1968年12月17日に失効した。農薬登録失効後もシロアリ駆除剤などとして使用されたが、1986年9月に化審法により特定化学物質(のちの第一種特定化学物質)の適用を受け、全ての用途での製造・販売・使用が禁止された。化審法適用前は、1985年のピーク時で原末2,206トンがアメリカのベルシコール社 (Velsicol Chemical Corporationから輸入された。現在は各国でもPOPs条約により、製造・使用は原則禁止となっている。

性質

日本では1983年より、含有率6%を越える製剤が毒劇法により劇物に指定された。自体は不燃性であるが、有機溶剤を含む製剤は引火性の場合がある。燃焼や塩基との接触により分解し、塩素ホスゲン塩化水素を含む有毒なフューム生じる。鉄、亜鉛、プラスチックやゴムなどを腐食する。 一日許容摂取量は0.0005mg/kg/日で、人体の吸入や経皮・経口摂取では錯乱痙攣嘔吐などの症状が生じる。水生生物やミツバチに対して強い毒性を有する。宮崎県延岡市で1982年にシロアリ駆除用として標準使用量のクロルデンを使用したところ、その日のうちに30m離れた井戸に異臭が生じ、翌日には120m離れた井戸、2ヶ月後には200m下流の井戸、6ヶ月後には川の対岸の井戸に汚染が拡大した事例がある。横浜国立大学の研究者が岐阜市の住宅団地で調査したところ、シロアリ駆除用として散布してから5年後でもクロルデン類が検出された事例がある[2]ように、残留は長期に及ぶ。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Lide, David R. (1998), Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 3-100, ISBN 0849305942 
  2. ^ 『農薬毒性の事典 改訂版』 P49

参考文献



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