AXIA以前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 08:44 UTC 版)
富士フイルムは日本国内で初めてビデオテープの製造に成功するなど、磁気テープの分野でも高い技術力を有する。1960年(昭和35年)9月、東京芝浦電気(現・東芝)と提携し、オープンリール用磁気テープ「東芝―富士フイルムサウンドテープ(S-100)」を発売する。その後、自社開発となり、1968年(昭和43年)9月に富士フイルム出資で「富士オーディオ」を設立、1969年(昭和44年)11月に「富士フイルムカセットテープ」でカセットテープ市場に進出する。1976年(昭和51年)2月には既存のフェリクロムポジション用テープを除く一連のカセットテープとしては業界初となる磁性体の2層塗り(ダブルコーティング)技術を採用した音楽専用ノーマルポジション用カセットテープ「FX-DUO」(後の全面改良に伴い「Renge6」に改称)、および従来の一般録音用LN級ノーマルポジション用カセットテープの代替かつ今日の音楽・一般録音兼用低級LH級ノーマルポジション用カセットテープの雛型となる「FX-Jr」(こちらも後の全面改良に伴い「Renge2」に改称)を発売。1979年(昭和54年)12月に「富士オーディオ」から「富士マグネテープ」に社名変更。1980年(昭和55年)2月以降の製品より「FUJI CASSETTE」ブランドとなり、同年4月にはテレビコマーシャルに当時、若者に絶大な人気を誇っていたイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)を起用したり、1983年(昭和58年)5月にカセットハーフに耐熱樹脂を使用した世界初のカーステレオ専用ノーマルポジション(TYPE-I)用カセットテープ「FUJI GT-I」を発売するなど、話題を呼んだこともあったが、先行する大手3社(TDK、ソニー、日立マクセル〈現・マクセル〉)と比べ、カセットハーフ(紙ラベルを全面に貼り付け等)やパッケージの意匠などで後れを取り、販売は低迷を続けていた。
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