ANT-18の設計と構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 04:48 UTC 版)
「リンクトレーナー」の記事における「ANT-18の設計と構造」の解説
ANT-18は2つの主要な部位から構成されている。 一つ目の主要部位はトレーナー自体である。これはほぼコックピットと全部胴体の形状を模した木製の箱であり、自在継手を介して土台部と結合されている。単座のコックピットには主/従の操縦装置と飛行計器一式を備えており、台座の中には姿勢変化を作り出すための空気圧で作動するふいご、ふいごと幾つかの計器を作動させるための真空ポンプ、残りの計器を作動させるテレゴン・オシレーター(Telegon Oscillator)として知られる装置といった複雑な機器が幾つか内蔵されている。 2つ目の主要な部位は、大きな地図台、飛行計器の表示器、「クラブ」("crab")として知られる可動式マーカーで構成される外部の教官席である。クラブは地図台の上のガラス面上に航行軌跡を記録していく。パイロットと教官はお互いヘッドフォンとマイクロフォンを通じて交信することができた。 ANT-18は主となる3つのふいごのセットを有している。1つ目のセットである4つのふいご(コックピット底部の4隅)がピッチングとローリングを制御している。コックピット前部の非常に複雑なフイゴのセットはヨーイングを制御しており、10個のフイゴ、2本のクランクシャフトと様々な歯車と滑車で回転モーターを構成し、このモーターがコックピット全体の360度方向への滑らかな回転を可能にしている。一組の電気スリップリングが下部の台座内で接触していることで、コクピットと台座間の電気の伝達を実現している。 3つ目のフイゴのセットはストールやバフェットなどの振動を再現している。訓練生と教官の機器には標準の交流110ボルト/240ボルトを変圧器を通して膨大な数の内部配線に低電圧の電気が供給されている。シミュレーションのロジックは全てアナログであり、真空管を応用したものであった。
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