【AA-6】(えーえーろく)
旧ソ連が開発した、近距離空対空ミサイル。
NATOコードはAA-6「エイクリッド(Acrid)」、ロシアではR-40の名称で呼ばれる。
AA-6は、ミコヤン社によって開発中であったYe-155P迎撃機(正式採用名MiG-25P)用に開発された空対空ミサイルである。
この新型ミサイルは敵の妨害下に置いて高空及び低空を高速で飛ぶ目標を撃墜することを要求され、他のミサイルと同様にソビエトのトレンドに従いセミアクティブレーダー誘導型と赤外線誘導型の二種類が一度に開発された。
研究開発部門がミサイルの設計者に対し新たなミサイルのレイアウトとしてカナード付きの形状へと戻るように指示し、これがR-40の特徴となっている。
重心の中心点にロケットモーターが置かれているために推進剤の燃焼に伴う影響は少なく、これとカナード式レイアウトが高いGに耐える能力を提供している。
AA-6はミサイル製造会社のいくつもの工場に置いて大規模な分業生産が出来るように各部をモジュール化して作られており、これは配備後の必要に応じた交換を容易にしている。
高速飛行時の高熱に対処するためにレドームもしくはセンサーキャップは特別に開発された耐熱素材を使用している。
近接作動信管はソビエト初のレーダー光学式指向性HEであり目標撃破率を高めている。
主な搭載機種はSu-21「フラゴン」、Su-22「フィッター」、MiG-25P「フォックスバット」、MiG-31「フォックスハウンド」である。
AA-6のカタログスペック
| 正式採用名 | R-40(K-40) |
| 主製造社 | Bisnovat(現Vympel)社 |
| 製造コード名 | izdeliye46(製品46) |
| 全長 | 6.76m(R-40R) 6.36m(R-40T) 6.376m(R-40RD) 5.98m(R-40TD) |
| 直径 | 30cm |
| 翼幅 | 1.4m(R-40R/T) 1.45m(R-40RD/TD) |
| 発射重量 | 455kg(R-40R) 468kg(R-40T) 470kg(R-40RD/TD) |
| 最大速度 | N/A |
| 射程 | 2~30km(R-40R/T) 50km(R-40RD/TD) |
| 飛行高度 | 25,000~27,000(R-40R) 800~30,000m(R-40T) |
| 推進装置 | 固体燃料ロケットモーター |
| 弾頭 | HE 破片効果弾頭(38kg) |
| 信管 | レーダー・アクティブレーザー信管 |
| 誘導方式 | 指令・慣性誘導及びセミアクティブレーダー(R-40R) 指令・慣性誘導及びIR誘導(R-40T) |
| G限界 | N/A |
AA-6の主な種類
- R-40R(AA-6):セミアクティブレーダー誘導型。
- R-40RD:MiG-25PD用に開発された性能向上型(セミアクティブレーダー誘導)。
R-40 (ミサイル)
(AA-6 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/24 03:47 UTC 版)
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R-40R(上)とR-40T(下)
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| 種類 | 長距離空対空ミサイル |
|---|---|
| 製造国 | |
| 性能諸元 | |
| ミサイル直径 | 31cm 動翼145cm |
| ミサイル全長 | R-40T 6.36m R-40R 6.76m R-40TD 5.98m R-40RD 6.22m |
| ミサイル重量 | R-40T 455kg R-40R 466kg R-40TD 450kg R-40RD 461kg |
| 弾頭 | HE破片効果弾頭(70 kg) |
| 信管 | レーダー・アクティブレーザー信管 |
| 射程 | 30~60km |
| 推進方式 | 固体燃料ロケット |
| 誘導方式 | (R-40TD) 中間慣性誘導(INS)+赤外線誘導 (R-40RD)中間慣性誘導(INS)+セミアクティブ・レーダー・ホーミング(SARH) |
| 飛翔速度 | マッハ4.5 |
R-40 (K-40)はソビエト連邦の長距離空対空ミサイル。MiG-25の主武装として開発された。アメリカ国防総省(DoD)による識別番号はAA-6、北大西洋条約機構(NATO)によるコードネームは"Acrid(アクリッド、「辛辣」の意)"。
設計
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R-40は敵の妨害下に置いて高空及び低空を高速で飛ぶ目標を撃墜することを要求されており、高速飛行時の高熱に対処するためにレドーム部とセンサーキャップに耐熱素材を使用している。また、推進剤の燃焼による影響を少なくするため、ロケットモーターを重心の中間点においている。これと前方のカナードによりR-40は高いGに耐えることができる設計となっている。近接信管にはソビエト初となるレーダー光学式の指向性HEが装備され目標撃破率を向上させている。また、R-40は各部をモジュール化することにより、高い生産性と整備性を誇っている(モジュールごとの分業生産が可能でかつ現地では複雑な整備を避け分割して交換できるため)。
運用
MiG-25戦闘機の標準兵装として使用され、通常は主翼内側パイロンに赤外線誘導型、外側パイロンにセミアクティブレーダー誘導型を搭載した[1]。
西側諸国では、1975年に初めて存在を確認した[1]。
派生型
- R-40R
- セミアクティブレーダー誘導型。
- R-40T
- 赤外線誘導型。
- UR-40R
- R-40Rの訓練弾。主にMiG-25PUで運用される。
- UR-40T
- R-40Tの訓練弾。主にMiG-25PUで運用される。
- R-40RD
- MiG-25PD用に開発されたR-40Rの改良型。
- R-40TD
- MiG-25PD用に開発されたR-40Tの改良型。
運用機
運用国
退役
脚注
出典
参考文献
- Gordon, Yefim (2004). Soviet/Russian Aircraft Weapons Since World War Two. Hinckley, England: Midland Publishing. ISBN 1-85780-188-1.
- 防衛学会 編『国防用語辞典』朝雲新聞社、1980年12月10日。doi:10.11501/11893733。
関連項目
- MiG-25 (航空機):開発段階よりR-40と密接に関わり合った機体。
- R-33 (ミサイル):後継となったミサイル。
- R-37 : R-33の後継ミサイル。
外部リンク
- アメリカ科学者連盟
- Globalsecurity
- К-40, Р-40 Airwar.ru
- К-40Д, Р-40Д Airwar.ru
- Р-40Д-1 Airwar.ru
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