2020年:コロナ禍による「834.194 光」ツアー休止以降の経験
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「アダプト (サカナクション)」の記事における「2020年:コロナ禍による「834.194 光」ツアー休止以降の経験」の解説
2020年1月からは『834.194』の二度目のリリースツアーとして日本全国のホールを巡る「SAKANAQUARIUM2020 "834.194 光"」が開催されたが、日程の半ばで新型コロナウイルス感染症の影響により政府からイベントの開催の必要性を検討するよう要請されたことを受け、公演の延期を決定した。その後残りの全日程について延期を繰り返したもののツアー再開は叶わず、アリーナでの追加公演を含め予定されていた26公演のうち14公演は開催中止となった。 ツアーの休止が決定してからサカナクションはライブの代替としてさまざまな企画を実施した。バンドとしてはこれまでにリリースしたライブ映像作品をYouTubeでの無料配信が企画され、山口個人としては自身のSNSを通じてファンや他のクリエイターと積極的に交流を深めていった。この時期から山口はこうしたコロナ禍をきっかけとした経験を音楽として表現していくことに意欲を示している。これにあたって山口は自身の経験よりもあくまでファン達の感情を代弁したいと考えており、ファン達の状況を取材するためにもSNSを活用していると語った。 またいくつかのミュージシャンが無観客の配信限定ライブを企画している状況をふまえて、オンライン・ライブは有観客ライブが出来ない状況に仕方なく開催するものではなく、それ独自の価値を創造し表現の手法を増やしていくことが重要であると語っている。 その後、2020年7月17日にはバンド史上初のオンライン・ライブ「SAKANAQUARIUM 光 ONLINE」の開催を発表した。この公演について山口はこれまで通りのライブをただ観客がいない状態で撮影したものではなくミュージック・ビデオなどサカナクションがこれまでに取り組んできた音楽のための映像表現をライブに取り込むことで有観客ライブとは異なる新しい価値する意図があったと語っている。 9月18日には『834.194』以来初となる新曲「月の椀」がトヨタ自動車の「ヤリスクロス」のCMに使用されることが発表された。当時タイトル未定の状態で発表されたこの楽曲はCMがオンエアされている期間にリリースしたいと考えていたものの山口の体調不良などにより思うように進んでいないことを語った。 11月24日には「834.194 光」ツアーが中止となって以降初となる有観客ライブとして「SAKANAQUARIUM 暗闇」の開催が発表された。この公演では新型コロナウイルス感染症対策に効果のある加工が施された商品がツアーグッズとして発売される事などがアナウンスされていたが、開催地の首都圏を中心に新規感染者が増加している状況を鑑みて中止となった。 2020年以降の経験を通して山口は「この先サカナクションはライブで盛り上がる曲だけで無く、音楽を聴く人の心の隙間に寄り添うような音楽を作らなくてはいけない」という目的を見つけている。ツアー休止以降のサカナクションの活動を追ったNHKスペシャルの番組の最後で、山口はコロナ禍を通しての経験を以下のような詩として表現した。 「 背の高い藪を、手で漕ぎ道を作る僕らのこの感情は きっと新たな時代への獣道だ。 」 —山口一郎(NHKスペシャル パンデミック 激動の世界 (8)「音楽&スポーツ 熱狂なき空間」より)
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