2014年以前の経緯
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「南沙諸島海域における中華人民共和国の人工島建設」の記事における「2014年以前の経緯」の解説
2014年5月15日、フィリピン外務省が、中国がジョンソン南礁(赤瓜礁)を埋め立てているということを示す時系列の写真を公開し、2014年に入ってから大量の土砂を投入しているということが判明。同礁は2012年3月の時点では目立つものはなかったが、2013年2月の時点では建造物が確認でき、2014年3月の時点では、すっかり埋め立てられていた。フィリピン外務省は、この中国の行為をフィリピンの領域内で行われているということから国際法に違反していると批判。フィリピン政府は、2014年5月にミャンマーで開かれた東南アジア諸国連合 (ASEAN) 首脳会議の場で非公式にこの行為について問題提起をし、中国に対して抗議。これに対して中国は、自国領で行っていることであり、何を造ろうと中国の主権の範囲内と拒否した。 2014年8月、フィリピンが、中国に対して南沙諸島問題の平和的解決を目指す「南シナ海行動宣言」に違反していると抗議。埋め立てられたジョンソン南礁についてベトナムからは島ではないと指摘されており、高潮時にすべてが海面下に没する岩礁ならば国際法では埋め立てをしても領海や排他的経済水域 (EEZ) の根拠となる島とは認められない。中国は同様の工事を複数の岩礁で進めていた。 2014年11月24日、ファイアリー・クロス礁(永暑礁)に滑走路などを備えた人工島を建設していることを認めたうえで、中国人民解放軍の羅援少将が「正当な行為だ」と述べてアメリカに反論し、この問題にアメリカは口出しすべきでないとした。その前週にイギリスの国際軍事専門誌『IHSジェーンズ・ディフェンス (IHS Jane's Defence)』が同礁での人工島造成の記事を掲載したの受けてアメリカは、中国に埋め立ての中止を求めるとともに、関係各国に同様の行為を行わないように促していた。また同少将は、フィリピン、マレーシア、ベトナムも既に岩礁に軍事施設を建設済みであり、中国は国際社会の圧力に耐えて建設を続行するとも述べた。同24日には中華人民共和国外交部(以下、中国外交部)の華春瑩副報道局長も記者会見で、中国が永暑礁周辺を埋め立て、滑走路を建設していることを事実上認めている。
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