2002年4月に旧みずほ銀行とみずほコーポレート銀行が引き起こしたトラブル
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「みずほ銀行」の記事における「2002年4月に旧みずほ銀行とみずほコーポレート銀行が引き起こしたトラブル」の解説
2002年(平成14年)4月1日の合併再編(旧第一勧業銀行・旧富士銀行・旧日本興業銀行の3行を、リテールバンキング事業を継承する旧みずほ銀行と、ホールセールバンキング事業を継承する旧みずほコーポレート銀行の2行に再編)の当日から、合併再編前の3行のシステムを連携するリレーコンピュータのバグにより、旧みずほ銀行とみずほコーポレート銀行にて大規模なシステム障害が発生し、預金者や利用者に大混乱を来すこととなった。 旧みずほ銀行のATMの停止(通信エラー)が大半の店舗で断続的に発生(前月にも旧第一勧銀店で小規模な停止が発生していた)。 ATMで現金の預け入れ操作をすると取引未完了のまま(残高反映されず)となり、現金が返却されない。 ATMで預金引き出しの操作をすると、残高が反映されているのに現金が出金されずエラーとなる。 メインコンピュータおよび全銀協ネットへの接続が不安定となり、ATMが稼働していても振込操作が行えない。 旧みずほ銀行キャッシュカードでE-net・BANCS・MICS提携ATMでの取引が出来ない。 銀行振込入金の日数単位での遅延。 法人が従業員の旧みずほ銀行の複数口座宛に給与振込(総合振込)を行うと、指定金額通りの入金が行われずに送金資金の範囲内で偏りが発生。(Aに30万円・Bに25万円・Cに20万円の振込を指定したのに、Aに1万円・Bに59万円・Cに15万円入金される等。) 口座自動振替(引き落とし)が行われない、または二重に引き落とされている(バッチ処理データの処理件数に追いつかず、発生したものとされる)。 同月1日に10万5千件の未処理が発生。2日はイオンカード、4日はセゾンカード・ビューカード、5日はUCカード(※勧銀クレジット・富士銀クレジットなどが統合されてから最初)といった、旧みずほホールディングスと結びつきの強いクレジットカード会社の口座引落し日で、クレディセゾンは引き落とし不能でも信用情報の支払遅延扱いにはしない旨を含んだ、独自の「お詫び文」を発表する。 未処理件数は、5日に250万件余り・二重引き落としが3万件まで積み上がり、個人に対しての影響が広がる。 現金自動支払機の稼働トラブルに関しては4月上旬に解消されたが、口座振替に関してはシステムが増強される5月まで、システムセンターの人海戦術によるバッチデータの手作業での確認や、準備が引き落とし日に備えて日夜行われる綱渡りの状況が続いた。収納企業・公共団体に対しては、通常より早期に口振データの送付を要請した。 また、コンピュータシステムの改修に関わっていた富士通ターミナルシステムズ(ATMベンダー)のシステムエンジニアが、デスマーチにより過労自殺する事態となり、2003年(平成15年)に労働災害が認定されている。
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