20世紀前半のイタリア哲学とは? わかりやすく解説

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20世紀前半のイタリア哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/10 21:20 UTC 版)

イタリア現代思想」の記事における「20世紀前半のイタリア哲学」の解説

ベネデット・クローチェBenedetto Croce, 1866-1952)とジョヴァンニ・ジェンティーレGiovanni Gentile, 1875-1944)はともに、アウグスト・ヴェーラ(Augusto Vera, 1813-1885)、フランチェスコ・デ・サンクティスFrancesco de Sanctis, 1818-1883)、ベルトランド・スパヴェンタ(Bertrando Spaventa, 1817-1883)、アントニオ・ラブリオーラ(Antonio Labriola, 1843-1904)らの「新ヘーゲル主義」を引き継ぎつつ、19世紀イタリア哲学支配的な立場であったアントニオ・ロズミーニ(Antonio Rosmini, 1797-1855)、ヴィンチェンツォ・ジョベルティVincenzo Gioberti, 1801-1852)らのロマン主義的な「スピリチュアリスム」、および、カルロ・カッターネオCarlo Cattaneo, 1801-1869)、ジュゼッペ・フェラーリ(Giuseppe Ferrari, 1812-1876)、ロベルト・アルディゴー(Roberto Ardigò, 1828-1920)らの「実証主義」に対す論争継続するなかで、「新観念論」と呼ばれるその立場形成していった。 美学歴史にその考察多く割いたクローチェが、精神における「認識」と「実践」という二項対立を軸に、「歴史主義観念論」としてその思想形成していったのに対し哲学史中心にしつつ倫理教育にも考察めぐらせジェンティーレは、「絶対的内在主義」「活動主義的観念論」を標榜しつつ、クローチェ二項対立統合するような精神純粋な活動」を軸に思想形成した。はじめはともに手を携えて思想形成していったクローチェジェンティーレだが、その立場はしだい乖離していき、ファシズムの台頭とともに決裂する反ファシスト貫いたクローチェ思想は、第二次大戦後もその影響力を保ち戦後イタリア哲学者たちに多かれ少なかれクローチェ哲学との対決を迫ることとなった。その一方でファシスト理論的主柱となったジェンティーレは、第二次世界大戦末期パルチザンによって殺害され戦後表面的に急速にその影響力を弱めていく。 こうした観念論こそが、20世紀前半イタリアでもっとも隆盛誇ったことはたしかである。しかし、新観念論のみが唯一の動向だったわけではなく実存主義新トマス主義(これらは後述)はすでにあらわれはじめていたし、フィリッポ・マッシ(Filippo Masci, 1844-1923)らによって新カント主義が、ジョヴァンニ・パピーニGiovanni Papini, 1881-1956)らによってプラグマティズム導入されはじめてもいた。ほかにも、フランチェスコ・デ・サルロ(Francesco de Sarlo, 1864-1937)、ベルナルディーノ・ヴァリスコ(Bernardino Varisco, 1850-1933)、ピエロ・マルティネッティ(Piero Martinetti, 1872-1943)、パンタレオ・カラベッレーゼ(Pantaleo Carabellese, 1877-1948)、アントニオ・アリオッタAntonio Aliotta, 1881-1964)らのように、新観念論とは対立する二元論的立場哲学者たちの活躍もあった。そして、独自のニーチェ解釈にもとづく神秘主義思想展開したファシストたるユリウス・エヴォラJulius Evola, 1898-1974)、若くして自殺した詩人カルロ・ミケレシュテッテル(Carlo Michelestaedter, 1887-1910)といった特異な思想家たちもいた。

※この「20世紀前半のイタリア哲学」の解説は、「イタリア現代思想」の解説の一部です。
「20世紀前半のイタリア哲学」を含む「イタリア現代思想」の記事については、「イタリア現代思想」の概要を参照ください。

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